[文書名] 日米安全保障協議委員会(「2+2」)第15回会合について
1 安全保障協議委員会の第15回会合は,昭和49年1月30日外務省で開かれた。
日本側からは大平外務大臣と山中防衛庁長官,米側からはシュースミス駐日臨時代理大使とガイラー太平洋軍司令官が出席し,また,補佐のため両国の関係者が列席した。
2 委員会は,極東における日本と米国との共通の安全保障上の利害に関連する最近の国際情勢につき意見を交換した。
3 委員会は,安保条約の実施に関連して,昭和48年1月に設置された両国政府の外交及び防衛当局者で構成される安保運用協議会が現在までのところ都合9回の会合を開いたことに留意すると共に,同協議会が安保条約及びその関連取極の円滑,かつ,効果的な実施を図るための協議及び調整にとつて有益な場として役立つていることを認めた。委員会は,また,かかる目的に資するために同協議会を引き続き利用することに同意した。
4 委員会は,安全保障協議委員会の第14回会合で合意された在日米軍施設・区域の整理・統合計画の進捗状況に関する報告を聴取した。
委員会は,過去数カ月間にわたる安保運用協議会等種々の経路を通ずる両国政府間の協議によりまとめられた沖縄県における施設・区域の整理・統合の提案を検討し,これを了承した。委員会は,かかる整理・統合は,本問題に関する沖縄県民の強い要望に沿うものであることを確認した。本計画は,移設を要せず返還される施設・区域(全部及び一部返還),移設措置とその実施に係る合意の成立後返還される施設・区域(全部及び一部返還),並びに返還につき引続き検討される施設・区域から成るが,本計画の詳細は,別表の通りである。
双方は,合同委員会における必要な作業を含め,この整理・統合計画の迅速なる実施を図るとの意向を表明した。
5 委員会は,在日米軍に係る労務問題を討議した。双方は,再就職を援助するためのあらゆる努力を含め,今後人員削減によつて影響を受けるすべての人々の困難を軽減するために,最善を尽すとの意図を確認した。
6 双方は,委員会が両国の理解の促進及び協力関係の強化に貢献していることを確信し,委員会を通ずる協議が,日米安全保障関係にとつて今後とも有益であろうとの見解を表明した。
別表
沖縄県における米軍施設・区域整理・統合計画表
I 移設を要せず返還される施設・区域
(全部返還)
1 久志訓練場
2 屋嘉訓練場
3 平良川通信所
4 西原陸軍補助施設
5 牧港調達事務所
6 新里通信所
7 与座岳陸軍補助施設
(一部返還)
1 北部訓練場
(貯水池予定部分とその周辺区域。その大部分は,地位協定第2条4項(b)に基づき使用される)
2 安波訓練場
(貯水池予定部分とその周辺区域。その大部分は,地位協定第2条4項(b)に基づき使用される)
3 奥間レスト・センター
(滑走路部分)
4 恩納通信所
(東側部分)
5 ボロー・ポイント射撃場
(南側部分)
6 キャンプ・コートニー
(北側部分)
7 嘉手納飛行場
(嘉手納ロータリー近傍のフェンス外部分及び南側の県道予定地部分)
8 キャンプ桑江
(北側部分及び東側部分2カ所,並びに国道58号沿い部分)
9 キャンプ端慶覧
(外周部分7カ所)
10 ホワイト・ビーチ地区
(北東部分)
11 普天間飛行場
(外周部分4カ所)
12 牧港補給地区
(北側部分2カ所及び南側外周部分)
13 嘉手納弾薬庫地区及び嘉手納飛行場
(嘉手納村に係る比謝川北側部分)
II 移設措置とその実施に係る合意の成立後返還される施設・区域
(全部返還)
1 屋嘉レスト・センター
2 キャンプ・ヘーグ
3 嘉手納住宅地区
4 砂辺陸軍補助施設
5 カシジ陸軍補助施設
6 端慶覧通信所
7 久場崎学校地区
8 キャンプ・マーシー
9 キャンプ・ブーン
10 牧港住宅地区
11 那覇港湾施設
12 那覇サービス・センター
(一部返還)
1 ボロー・ポイント射撃場
(射撃場部分)
2 嘉手納弾薬庫地区
(国道58号の西側部分,同国道沿い東側部分,及び旧東恩納弾薬庫部分)
3 キャンプ・コートニー
(南側部分)
4 キャンプ端慶覧
(国道58号西側のキャンプ端慶覧部分)
5 普天間飛行場
(国道330号の東側部分)
6 牧港補給地区
(国道58号沿い部分)
III 返還につき引続き検討される施設・区域
1 石川陸軍補助施設
2 読谷陸軍補助施設
3 波平陸軍補助施設
4 牧港倉庫
5 浦添倉庫
6 工兵隊事務所
7 那覇冷凍倉庫
8 知念補給地区
9 伊波城観光ホテル
10 ボロー・ポイント射撃場
(旧ナイト・サイト部分)