データベース「世界と日本」(代表:田中明彦)
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] フォード大統領主催午餐会における三木内閣総理大臣の挨拶

[場所] 
[年月日] 1976年6月30日
[出典] 三木内閣総理大臣演説集,147−148頁.
[備考] 
[全文]

 大統領閣下並びに御列席の皆様

 本日は,このなごやかな午餐会にお招きにあずかり,大変光栄に存じております。

 本日から四日後には,アメリカは建国後二百回目の誕生日を迎えます。このことは,広く世界を通じて祝賀されるべき出来事といえましょう。米国との友好関係が日本にとりいかに大きな意味をもつものであるかがあらためて想起されます。

 米国は日本の近代の歴史を通じ,特に過去三十年問において大きな役割を果してきました。これらの歳月の間に,われわれは最も緊密な友好的協力関係を築き上げてきました。今日両国は,世界の二大先進工業民主主義国として,戦争や窮乏から解放されたよりよい世界建設のためあい{前4文字ママ}ともに協力しております。

 もし米国か独立を宣言しなかったならば,日本の歴史はもとより,世界の歴史までも大きく違った姿となったでありましょう。

 このことこそ,米国の独立二百年が日本国民にとって意味しているところであります。アメリカのおかげで民主主義は多くの諸国民にとって現実のものとなり,また,他の人々にとって実現可能な夢となりました。

 このような精神に則り・フォード大統領が今後御健康であられ,日米両国民の間の友情が一層深まり,そしてアメリカ合衆国の次の百年の間に世界で自由が繁栄することを祈念しつつ,未来のために乾杯いたしたいと思います。