データベース「世界と日本」(代表:田中明彦)
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] サンフランシスコに寄港中の「第十回青年の船」の団員に対する三木内閣総理大臣の激励挨拶

[場所] サンフランシスコ
[年月日] 1976年7月1日
[出典] 三木内閣総理大臣演説集,153−155頁.
[備考] 
[全文]

 さる六月十七日,総理官邸において諸君達の壮途を祝しましたが,本日,太平洋を越えたこの地において再び諸君達の元気な顔をみることができましたことを大変うれしく思います。

 私は,この度プエルト・リコで行われた先進七ヵ国首脳会議に出席してまいりましたが,わが国が世界各国の中において重要な責任を有する地位にあることをあらためて痛感すると向時に,国際協調がわが国にとって重要な責務であるという認識を新たにしたところであります。また,昨日は,アメリカ合衆国フォード大統領を訪問し,独立二百年に対し祝福を申し上げるとともに,日米両国間に存在する協調親善関係をさらに深めてまいりました。

 諸君達も,このようなわが国の国際的な地位及び日米両国の関係をあらためて銘記して欲しいと思いますす。

 これから諸君はアメリ力合衆国及びメキシコ合衆国において,これらの国々の真の姿に接することになりますが,この機会を十分にいかして研さん,交流につとめるとともに,日本を代表する青年として,誇りをもって規律ある行動をして欲しいと思います。

 これからも,いろいろと苦労が多いことと思いますが,相協力して,所期の目的を達成するよう望みます。

 終りに諸君達の健康と航海の安全を記念して挨拶といたします。