[文書名] 鈴木首相訪米,共同声明における「同盟関係」についての参議院での質疑
第九十四回国会
参議院会議録第十七号
昭和五十六年五月十三日(水曜日)
………
○寺田熊雄君 私は、日本社会党を代表して、原爆被爆者に対する特別措置法の一部改正案に関連するもろもろの重要問題について質問をいたします。
………
私たちは、よきにつけあしきにつけ、会談の成果をまずもって共同声明に求めるほかはないのであります。いまその共同声明を見ますと、その最初にうたわれているものは、日米の「同盟関係」「アライアンス」なる言葉であります。
昭和二十九年、当時の吉田首相とアイゼンハワー大統領との会談後の共同声明以来、日米間には数多くの共同声明がなされておりますが、右のごとき表現は今回が初めてであります。それは明治年間における日英同盟条約においてのみ見出し得るものでありますが、この条約は、一定の場合、双方が他方を助けて戦闘に参加することを義務づけた双務的軍事条項を含むものでありました。今回の共同声明において、総理があえてこの言葉を選択なさったのは、いかなる理由に基づくものであるのか。それは対米軍事協力を一歩進めるものではないのか。この疑問に対して明快な答弁を期待する者は決して私だけではないと存じます。
………
○国務大臣(鈴木善幸君) お答えいたします。
………
なお、共同声明に盛られた日米の同盟関係ということについてお尋ねがございました。
日米関係は、民主主義、自由という両国が共有する価値の上に築かれております。同盟関係とはこのような関係を一般的に指したものでありまして、これをもって日米軍事協力の一歩前進といった言い方は全く当を得たものではございません。
………