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日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 沖縄復帰十周年記念パーティにおける鈴木内閣総理大臣の挨拶

[場所] 東京,ホテルオークラ
[年月日] 1982年5月14日
[出典] 鈴木演説集,333頁.
[備考] 
[全文]

 本日は,皆様御多忙中のところ,わざわざ沖縄復帰十周年記念パーティに御出席いただき,誠に有難うございます。

 全国民の悲願であった沖縄の祖国復帰が実現して以来十年の歳月が流れようとしております。通貨の切り替え,沖縄国際海洋博覧会の開催,交通方法の変更など,この十年間の歩みを振り返るとき,感無量の思いが致します。私も,昨年九月,久しぶりに沖縄を訪問し,そのめざましい発展ぶりと,豊かな県づくりに取り組んでおられる姿を拝見し,深い感銘を受けたところであります。

 今日,沖縄は,復帰後十年しか経過していないことなどの事情もあり,なお厳しい状況にあります。このため,国としても,先般,沖縄振興開発特別措置法を十年延長し,今後も引き続き沖縄の振興開発を積極的に推進することと致した次第であります。

 今席には,沖縄の復帰に多大の貢献をされた日米両国の関係者や,沖縄の振興に熱心に取り組んでおられる方々が多数お集まりいただいております。沖縄復帰十周年という歴史的な節目を迎えるに当たり,このような方々が,一堂に会して,復帰の歴史的意義に思いを致すとともに,沖縄の明るい未来について語り合うことは有意義なことであると存じます。ささやかな宴ではございますが,どうか,時間の許す限り御懇談いただきたいと思います。