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日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 日米農産物交渉合意,日米農産物交渉合意確認の書簡

[場所] 
[年月日] 1984年8月14日
[出典] 日米関係資料集 1945−97,1045−1047頁.日本農業新聞,1984年8月15日.
[備考] 
[全文]

日米農産物交渉合意確認の書簡

 書簡をもって啓上いたします。本使は,一九七九年七月三十日の通報に従い近時日本国政府と合衆国政府との間で行われた協議に言及するとともに,日本国政府は,この書簡の附属書に定める生鮮オレンジ,オレンジジュース,グレープフルーツジュース及び牛肉の輸入に関する措置を日本国の現行関係法令に従って実施する意図を有することを,日本国政府に代わって貴官に通報する光栄を有します。

 本使は以上を申し進めるに際し,ここに改めて貴官に向かって敬意を表します。

 一九八四年八月十四日

  日本国大使

      大河原良雄

附属書

一,生鮮オレンジ及びオレンジジュース

(1) 生鮮オレンジ

(a) 日本国政府は,次の表に従って生鮮オレンジの輸入割り当てを増加させる。

 (会計年度)          (トン)

 一九八四           九三○○○

 一九八五          一○四○○○

 一九八六          一一五○○○

 一九八七          一一六○○○

 本項において「生鮮オレンジ」とは,日本国の関税率表の第○八・○二号及び○八・一一号に属するオレンジ及びタンジェリンをいう。

(b) 日本国政府は,日米両国における需給事情に配慮しつつ一九八三会計年度の水準を上回る輸入割り当ての増加分を年間枠とオフシーズン枠に配分する。

(2) オレンジジュース

日本国政府は,次の表に従ってオレンジジュースの輸入割り当てを増加させる。

 (会計年度)          (トン)

一九八四             七○○○

 一九八五            七五○○

 一九八六            八○○○

 一九八七            八五○○

 本項において,「オレンジジュース」とは五分の一に濃縮したもの,又はこれに該当するものであって,日本国の関税率表の統計細分番号二○・○七 − 一一一,一二一,一三一及び一四一に属するものをいう。

 二,グレープフルーツジュース

 日本国政府は,一九八六年四月一日にグレープフルーツジュースの輸入割り当て及び輸入承認を撤廃する。

 右撤廃に備え,日本国政府は一九八四会計年度及び一九八五会計年度において国内需要量に即して輸入割当証明書を交付する。

 本項において,「グレープフルーツジュース」とは,日本国の関税率表の統計細分番号二○・○七 − 一一二,一二二,一三二及び一四二に属するものをいう。

 三,牛肉

 (1) 日本国政府は,特別割り当て及び一般用割り当ての中で一九八七会計年度においてグローバル・ベースで五万八千四百トンの高級牛肉の輸入を実現することを目的として,その需要を開発するために努力を払う。一九八三会計年度の水準を上回る二万七千六百トンの増加分は,毎年段階的に等量ずつ積み増しされる。

 「高級牛肉」とは一九七八年四月に合意された定義に従って定義される。

 (2) ホテル用割り当ては,現在の年間三千トンから一九八四会計年度に年間四千トンに増加され,一九八七年会計年度までその水準に維持される。

 (3) 日本国政府は,畜産振興事業団による一元的輸入運営の原則の枠内で,畜産振興事業団の牛肉の売買において,外国の供給業者と日本の実需者との間の協議の容易化のための新たな措置を導入する。

 四,牛肉(関税)

 (1) 日本国政府は,現在の牛肉価格安定制度の下で,牛肉(統計細分番号○二・○一 − 一一一,一一九,一二一,一二九,一三九)の関税(現在,二五%の税率が適用されている)の引き上げを行う意図を有しない。

 (2) 牛肉の関税を(1)の水準に維持することが不可能となる事態が生じた場合には,日本国政府は,可能な限り事前にそのような事態を合衆国政府に通報するとともに,相互に受諾可能な解決(ガットの譲許についての適当な調整の可能性を含む)を得るために協議に入る用意がある。

 五,その他

 日本国政府は,一九八八会計年度及びそれ以降における生鮮オレンジ,オレンジジュース及び牛肉に関する輸入に関連する諸事項につき,一九八七会計年度の相互に都合の良い時期に,合衆国政府と協議する用意がある。