データベース「世界と日本」(代表:田中明彦)
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] クリントン米大統領との共同記者会見における細川内閣総理大臣の冒頭発言

[場所] ニューヨーク
[年月日] 1993年9月27日
[出典] 細川内閣総理大臣演説集,48頁.
[備考] 
[全文]

 率直な話し合いが出来て喜んでおります。クリントン大統領とは,同じ歴史の変革期に登場したリーダーとして共感を覚えています。日本で内閣がやろうとしている使命は,構造的な改革,即ち,政治改革,経済改革,行政改革の三つを推し進めていくことであると説明し,これらの改革各々を進めることが,日本のためにだけでなく,世界のためにも様々な機会をつくっていくことであり,国際社会にとっても非常に有意義なことであると申し上げました。

 日米間の基本的な関係については,日米安保条約を堅持して,政治・安全保障関係,グローバルな関係,経済関係を維持していくことが何より肝要であるということを改めて確認しました。

 特に,経済問題につき話しましたが,これは七月の合意の枠組みに沿ってこれからも日本においても可能な限りの努力をしていくと申し上げました。また,ウルグァイ・ラウンドにおいても,良い結果が年内に得られるよう,日本政府としても出来る限りの努力をしていきたいと申し上げました。

 その他,ロシア,中国,中東,北朝鮮等話し合いは広範にわたり,その一つ一つの問題についてかなり突っ込んだ意見交換を行うことができました。

 繰返しになりますが,当面,経済が重要な問題になりますが,世界経済の発展を図っていくことは日米共通の使命であり,また,自分が国内でやろうとしていることは,米国を始めとして,世界全体の発展と繁栄のためにも不可欠なことであると確信をしている旨申し上げました。更に,両国が協力して国際社会の未来に展望を開いていくことができれば,願ってもないことであると申し上げました。