データベース『世界と日本』(代表:田中明彦)
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 日本国とアメリカ合衆国との間の相互防衛援助協定に基づく海上哨戒機及び多用途海上航空機のアビオニクス装置及びミッション・システムに係る共同研究に関する交換公文(米国との海上哨戒機及び多用途海上航空機のアビオニクス装置及びミッション・システムに係る共同研究取極)

[場所] 
[年月日] 2002年3月26日
[出典] 外務省条約局,条約集(平成十四年・十五年 二国間条約),1931-1936頁.
[備考] 
[全文] 

日本国とアメリカ合衆国との間の相互防衛援助協定に基づく海上哨戒機及び多用途海上航空機のアビオニクス装置及びミッション・システムに係る共同研究に関する交換公文

(略称)米国との海上哨戒機及び多用途海上航空機のアビオニクス装置及びミッション・システムに係る共同研究取極

   平成十四年三月二十六日 東京で
   平成十四年三月二十六日 効力発生
   平成十四年六月十一日 告示
     (外務省告示第二五四号)

{目次は省略}

(日本国とアメリカ合衆国との間の相互防衛援助協定に基づく海上哨戒機及び多用途海上航空機のアビオニクス装置及びミッション・システムに係る共同研究に関する交換公文)

(日本側書簡)

 書簡をもって啓上いたします。本大臣は、千九百五十四年三月八日に東京で署名された日本国とアメリカ合衆国との間の相互防衛援助協定(以下「MDA協定」という。)に言及する光栄を有します。MDA協定は、各政府が、他方の政府に対し、援助を供与する政府が承認することがある装備、資材、役務その他の援助を、両政府の間で行うべき細目取極に従って、使用に供するものとすることを特に規定しています。

 日本国政府及びアメリカ合衆国政府の代表者は、最近、日本国の海上哨戒機及びアメリカ合衆国の多用途海上航空機のアビオニクス装置及びミッション・システムに係る共同研究に関する計画(以下「計画」という。)について前記の細目取極を作成するため討議を行いました。この討議の結果に関する日本国政府の了解は、次のとおりであります。

1 4の規定に基づき作成される実施細目取極に従い、日本国政府及びアメリカ合衆国政府は、計画の実施のために必要な情報並びに装備及び資材を相互に提供する。両政府は、計画の実施のために必要な資金を共同して負担する。

2 計画は、必要な範囲内で、日本国及びアメリカ合衆国の企業との間の契約を通じて実施される。

3 この了解は、MDA協定及びMDA協定に基づく取極(千九百五十六年三月二十二日に東京で署名された防衛目的のためにする特許権及び技術上の知識の交流を容易にするための日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定を含む。)に従って実施される。

4 この了解を実施するため、両政府の権限のある当局の代表者は、実施細目取極を作成する。日本国政府の権限のある当局は、防衛庁であり、アメリカ合衆国政府の権限のある当局は、国防省である。

5 この了解及びこの了解に基づき作成されるすべての取極に基づき日本国政府及びアメリカ合衆国政府が行う財政上の債務の負担及び支出は、それぞれの国の憲法上及び法律上の規定に従った予算の承認を得たところにより行う。

 本大臣は、前記の了解がアメリカ合衆国政府により受諾される場合には、この書簡及び受諾する旨の閣下の返簡が両政府間の合意を構成するものとみなし、その合意が閣下の返簡の日付の日に効力を生じ、かつ、いずれか一方の政府による終了の通告の受領の日の後六箇月が経過する時まで効力を有するものとすることを提案する光栄を有します。

 本大臣は、以上を申し進めるに際し、ここに重ねて閣下に向かって敬意を表します。

  二千二年三月二十六日に東京で

     日本国外務大臣 川口順子

 アメリカ合衆国特命全権大使
  ハワード・H・ベーカー・Jr閣下



(米国側書簡)

(訳文)

 書簡をもって啓上いたします。本使は、本日付けの閣下の次の書簡を受領したことを確認する光栄を有します。



(日本側書簡)

 本使は、アメリカ合衆国政府が前記の了解を受諾することを同政府に代わって確認し、閣下の書簡及びこの返簡が両政府間の合意を構成するものとみなし、その合意がこの返簡の日付の日に効力を生じ、かつ、いずれか一方の政府による終了の通告の受領の日の後六箇月が経過する時まで効力を有するものとすることに同意する光栄を有します。

 本使は、以上を申し進めるに際し、ここに重ねて閣下に向かって敬意を表します。

  二千二年三月二十六日に東京で

     アメリカ合衆国特命全権大使
      ハワード・H・ベーカー・Jr

 日本国外務大臣 川口順子閣下


(参考)
 この取極は、昭和二十九年三月八日に署名された相互防衛援助協定(現行条約集覧及び条約集第一一五一号参照)及び同協定に基づく取極に従い、海上哨戒機及び多用途海上航空機のアビオニクス装置及びミッション・システムに係る日米両国による共同研究に関する計画についての日米両政府の基本的了解を確認したものである。

{哨に「しょう」とルビあり}