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日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 日米文化教育交流会議(カルコン)の改革について

[場所] 
[年月日] 2007年4月27日
[出典] 外務省
[備考] 
[全文]

 4月27日(金曜日)、日米首脳会談において、日米両首脳は、両国間の知的交流の強化に合意し、日米両国間の諮問委員会である日米文化教育交流会議(The United States- Japan Conference on Cultural and Educational Interchange, 通称:カルコンCULCON)の改革の議論が進められたことを歓迎した。

 このカルコンの改革に関しては、日米の政府関係者を含むカルコン委員が協議した結果、カルコンを21世紀の日米関係の現実に対応させるために概要以下の改革を行うこととなったところである。

 1.今後、カルコンは、日米両国間の文化・教育・知的交流面での課題を洗い出し、この分野での今後の展望を示すとともに、政府機関が関与することが望ましい問題を特定し、官民の連携も促進しつつ、成果につないでいく。

 2.このために、カルコンは、戦略的なビジョンとともに、取組が求められる重点課題を明示した報告書を4年毎に作成し、2年毎に、課題への取組状況についてのレビューを行っていく。報告書は、両国の外務大臣/国務長官及び文部科学大臣/教育長官に提出され、両首脳に報告する。カルコンは2008年の合同会議を目処に第一回報告書のとりまとめを行う。

 3.カルコンは上記報告書に指摘された課題について、日米のカルコン事務局、第三者(非営利の公益法人や経済団体を含む)との協力を通じて、実効性のある取組を実施していく。これまでのところ、例えば、以下のような分野において検討を進めることが重要と指摘されている。

  (1)お互いの国について深い理解を有する次世代指導者の育成

  (2)日米間の知的機関(大学・シンクタンク)の連携と交流の促進

  (3)日米間の地方交流の促進と交流レベルの深化の支援

  (4)企業の社会貢献活動とその他の教育・文化交流事業との連携

(参考)日米文化教育交流会議

 日米間の有識者を一堂に集めて両国間の文化・教育に関するその時々の課題を討議し、必要な施策を提言することを目的として、1961年に池田首相、ケネディー大統領の共同声明により設立が合意された。1968年に交換公文により設立を規定。2年に一度の合同会議を開催するとともに、日米それぞれの委員会会合も実施。