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日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定第二十四条についての新たな特別の措置に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定

[場所] 東京
[年月日] 2008年1月25日
[出典] 外務省
[備考] 
[全文]

 日本国及びアメリカ合衆国は、

 共に千九百六十年一月十九日にワシントンで署名された日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約(以下「条約」という。)及び日本国とアメリカ合衆国との聞の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施般及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定(以下「地位協定」という。)に基づき日本国に維持されている合衆国軍隊(以下「合衆国軍隊」という。)は、日本国の安全並びに極東における国際の平和及び安全の維持に寄与していることを確認し、

 合衆国軍隊又は地位協定第十五条1(a)に定める諸機関のために労務に服する労働者で日本国が雇用するもの(以下「労働者」という。)の安定的な雇用を維持し、合衆国軍隊の効果的な活動を確保するため、これまで講じられてきた諸措置、特に、二千六年一月二十三日に東京で署名された日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定第二十四条についての新たな特別の措置に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定において、合衆国軍隊を維持することに伴う経費の負担の原則を定める地位協定第二十四条についての特別の措置が定められたことを想起し、

 両国を取り巻く諸情勢に留意し、

 合衆国軍隊の効果的な活動を碓保するため、地位協定第二十四条についての新たな特別の措置を講ずることが必要であることを認めて、

 次のとおり協定した。

 第一条

 日本国は、二千八年から二千十年までの日本国の会計年度において、労働者に対する次の給与の支払に要する経費の全部又は一部を負担する。

(a)基本給、日雇従業員の日給、特殊期間従業員の給与、時給制臨時従業員の時給及び劇場従業員の給与

(b)地域手当、解雇手当、扶養手当、隔遠地手当、特殊作業手当、夏季手当、年末手当、寒冷地手当、退職手当(人員整理のため合衆国軍隊又は地位協定第十五条1(a)に定める諸機関により解職される労働者及び業務上の就労不能又は業務上の傷病による死亡により雇用が終了する労働者に対する退職手当を含む。)、人員整理退職手当、人員整理あん分手当、通軸手当、転換手当、職位転換手当、夜間動務手当、住居手当、単身赴任手当、広域具動手当、時間外勤務給、時給制臨時従業員の割増給、祝日給、夜勤給、休業手当及び時給制臨時従業員の業務上の傷病に対して認められる日給

(c)船員の有給休暇未付与手当、危険貨物手当、乗船手当、機関部手当、機関作業手当、消火手当、外国船手当、外国航路手当、労務手当、出勤手当、小型船手当、油送船手当、引き船手当及び船長・機関長手当

 第二条

 日本国は.二千八年から二千十年までの日本国の会計年度において、合衆国軍隊又は合衆国軍隊の公認調達機関が適当な証明書を付して日本国で公用のため調達する次のものに係る料金又は代金の支払に要する経費の全部又は一部を負担する。

(a)公益事業によって使用に供される電気、ガス、水道及び下水道

(b)(a)に規定するものを除くほか、暖房用、調理用又は給湯用の燃料

 第三条

 日本国は、条約第六条の規定に基づいてアメリカ合衆国が使用を許される施設及び区域(以下「施設及び区城」という。)のうちいずれか特定の施設及び区域を使用して合衆国軍隊が実施する訓練に関し、地位協定第二十五条1に定める合同委員会(以下「合同委員会」という。)における日本国政府の要請に基づき、アメリカ合衆国がその全部又は一部を当該特定の施設及び区城に代えて他の施設及び区域を使用するよう変更する場合には、その変更に伴って追加的に必要となる経費の全部又は一部を負担する。もっとも、日本国政府が、当該要請に当たり、日本国がこの条の規定に従って経費を負担するとの通告をアメリカ合衆国政府に対して行う場合に限る。

 第四条

 アメリカ合衆国は、前三条に規定する経費の節約に一層努める。

 第五条

 日本国は、同国の会計年度ごとに、それぞれ第一条、第二条及び第三条の規定に基づいて負担する経費の具体的金額を決定し、当該決定をアメリカ合衆国に対し速やかに通報する。

 第六条

 日本国及びアメリカ合衆国は、この協定の実施に関するすべての事項につき、合同委員会を通じて協議することができる。

 第七条

 この協定は、日本国及びアメリカ合衆国によりそれぞれの国内法上の手続に従って承認されなければならない。この協定は、その承認を通知する外交上の公文が交換された日に効力を生じ、二千十一年三月三十一日まで効力を有する。

 以上の証拠として、下名は、署名のために正当に委任を受けてこの協定に署名した。

二千八年一月二十五日に東京で、ひとしく正文である日本語及び英語により本書二通を作成した。

日本国のために

高村正彦

アメリカ合衆国のために

J・トーマス・シーファー