データベース『世界と日本』(代表:田中明彦)
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 沖縄における在日米軍施設・区域の統合のための日米両国の計画の実施日米共同報道発表

[場所] 
[年月日] 2015年12月4日
[出典] 外務省
[備考] 
[全文]

1.日本政府及び合衆国政府は、強固で安定的な在日米軍の前方プレゼンスによって、日米同盟が日本の防衛及び地域の平和と安全のために必要な抑止力及び能力を提供することが可能となることを再確認した。その上で、日米両政府は、次の措置に基づき更新される2013年4月の「沖縄における在日米軍施設・区域に関する統合計画」において更に精緻なものとされた、2

006年5月の「再編実施のための日米のロードマップ」における再編案を実施するとのコミットメントを再確認した。

2.日米両政府は、地元への米軍の影響を軽減しつつ、地域全体の将来の課題及び運用に関わる緊急事態に効果的に対応することができる兵力態勢の維持を目的とした、沖縄における米軍の統合のプロセスを前進させるため、沖縄における在日米軍施設・区域の返還又は共同使用に関する次の措置について一致した。

普天間飛行場

3.日米両政府は、普天間飛行場の代替施設(FRF)をキャンプ・シュワブ辺野古崎地区及びこれに隣接する水域に建設することが、運用上、政治上、財政上及び戦略上の懸念に対処し、普天間飛行場の継続的な使用を回避するための唯一の解決策であることを再確認した。日米両政府は、この計画に対する両政府の揺るぎないコミットメントを再確認した。

4.日米両政府は、1990年6月の日米合同委員会で確認された、普天間飛行場の東側沿いの土地(約4ヘクタール)の返還に向けた作業を加速することを確認した。日米両政府の意図は、日本政府による必要な措置及び手続の完了を条件として、この返還を2017年度(以下、日本国の会計年度)中に実現することである。この返還は、「沖縄における在日米軍施設・区域に関する統合計画」の3年ごとの更新に反映される。

キャンプ瑞慶覧(キャンプ・フォスター)のインダストリアル・コリドー

5.日米両政府は、統合の取組の一環として、宜野湾市が、国道58号と西普天間住宅地区跡地を接続するためにキャンプ瑞慶覧(キャンプ・フォスター)の一部区域の上に高架式道路を設置する工事を2017年度中に開始できるよう、速やかに共同使用の合意を行うことで一致した。このため、日米両政府は、2016年に開始される調査を含む必要な作業のための宜野湾市による当該区域への立入りを支援する。

6.日米両政府は、キャンプ瑞慶覧(キャンプ・フォスター)について、「返還の条件が満たされ、返還のための必要な手続の完了後、(中略)返還可能」、「インダストリアル・コリドー南側部分の返還をできる限り早期に行う取組を、段階的返還を考慮することにより行う。」と記載する「沖縄における在日米軍施設・区域の統合計画」に従って、取組を継続する意図を改めて表明した。また、日米両政府は、統合計画の一貫した、かつ包括的な実施を維持するために、キャンプ瑞慶覧(キャンプ・フォスター)の段階的返還に係る更なる議論は、「沖縄における在日米軍施設・区域に関する統合計画」の3年ごとの更新の文脈で行うと理解する。

牧港補給地区(キャンプ・キンザー)

7.日米両政府は、国道58号を拡幅し、交通渋滞を緩和するため、国道58号に隣接する牧港補給地区(キャンプ・キンザー)の土地(約3ヘクタール)の返還を2017年度中に実現するために、速やかに必要な作業を開始することで一致した。この返還は、米軍の安全基準を満たすインフラの建設及び米軍の安全基準を満たすその他の手段を含む、日米両政府による必要な措置及び手続の完了を条件とする。

8.日米両政府は、「沖縄における在日米軍施設・区域に関する統合計画」に基づき、牧港補給地区(キャンプ・キンザー)の全面返還に向け、引き続き積極的に取り組む意図を確認した。また、日米両政府は、統合計画の一貫した、かつ包括的な実施を維持するために、牧港補給地区

(キャンプ・キンザー)の返還に係る更なる議論は、「沖縄における在日米軍施設・区域に関する統合計画」の3年ごとの更新の文脈で行うと理解する。

北部訓練場

9.日米両政府は、1996年のSACO最終報告で確認された北部訓練場の過半(約3,987ヘクタール)の返還の意義及び緊急性を再確認した。その上で、日米両政府は、北部訓練場の迅速な返還を促進するために必要な、二国間で合意された条件を満たすとのコミットメントを再確認した。

(了)