[文書名] 「宇宙に関する包括的日米対話」第8回会合 共同声明
1 日本国政府及び米国政府は、両国首脳によって宣言されたとおり、二国間の宇宙協力を引き続き推進するとともに、日米同盟を更に強化するという共通目標に従い、2023年3月24日に東京において、宇宙に関する包括的日米対話の第8回会合を開催した。本対話は、世界で最も進んだ宇宙活動国のうちの二国である日米両国が二国間の宇宙協力を強化し、現在及び将来の世代のため、宇宙空間の継続的、安全、安定的、確実かつ持続可能な利用の確保に向けて国際社会と緊密に協力していくという強固かつ共有されたコミットメントを示すものである。
2 今次会合において、日本側は、外務省及び内閣府宇宙開発戦略推進事務局の代表が、米国側は、国家宇宙会議及び国家安全保障会議の代表が共同議長を務めた。主な参加者として、日本側は、外務省、内閣府宇宙開発戦略推進事務局、国家安全保障局、内閣衛星情報センター、総務省、文部科学省、経済産業省、環境省、防衛省、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)及び国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)が、米国側は、国務省、国防省、運輸省、商務省、航空宇宙局(NASA)、国家情報長官室及び国家サイバー長官室が参加した。
3 今次会合では、従来の対話と同様に、双方は宇宙空間に係る広範な分野に関する意見交換を行った。双方は、日本が現在改定中の宇宙基本計画や米国の宇宙優先フレームワークを含む、日米それぞれの宇宙政策及び戦略に関する最新の情報を提供した。また、米国側は、宇宙に対する脅威や戦略的競争相手による宇宙利用に関する見解を共有した。この点に関し、双方は、宇宙への、宇宙からの又は宇宙における攻撃が、一定の場合には、日米安全保障条約第5条の発動につながることがあり得るとの認識を想起した。新たな米国の国家サイバーセキュリティ戦略を議論する文脈において、双方は、今後の宇宙協力を可能にするためのサイバーセキュリティの重要性を確認した。民生宇宙において、米国側は、互いの科学及びイノベーションの目標を推進し、経済、産業、外交政策の目標を達成し、並びに気候目標を達成し、また、日本、米国及び世界各国の市民の地球上での生活を改善する解決策を推進するため、オープンサイエンスを採用することの必要性を強調した。
4 国家安全保障に関し、米国側は、日本が新たな国家安全保障戦略を最近策定したことを強く歓迎し、また、双方は、日米間の戦略的な利益及び価値の強固な一致に留意するとともに、その実施を支援するために二国間の宇宙協力を活用することにコミットした。また、双方は、海洋状況把握(MDA)のための宇宙利用に関する協力を強化することを含む、双方の宇宙安全保障協力をより一層強化するための議論を行った。双方は、破壊的な直接上昇型ミサイルによる衛星破壊実験の不実施に関する双方のコミットメントを含む、宇宙空間における安全、安定及び持続可能性を高めるための責任ある行動を特定し、また、促進するための継続中の取組についても議論した。
5 商業宇宙に関し、双方は、宇宙状況監視(SSA)及び規制枠組みについて議論し、2月28日にワシントンで、また、3月23日に東京で開催されたイベントを含め、本対話の開始以降初めて、産業界が本対話のプロセスに参加することを歓迎した。両国の国家安全保障に対するものを含む、宇宙空間の探査における民間セクターの重要性の高まりと役割の拡大を踏まえ、双方は、それぞれの宇宙産業間の連携を深めることにコミットし、また、宇宙における日米同盟の目標を支援するため、協力の深化に関心を有する日米の宇宙企業から構成される、宇宙産業に関するネットワークを追求していく意図を表明した。
6 双方は、強固で、成功していて、拡大し続ける民生宇宙活動における日米協力についても議論した。同議論には、アルテミス計画、ゲートウェイ(月周回有人拠点)における協力、アルテミス合意、航空研究、及び国際宇宙ステーション(ISS)に関する協力の継続や新たな低軌道(LEO)商業プラットフォームに関する議論を含む、地球低軌道における有人活動が含まれた。2022年5月に岸田総理及びバイデン大統領が留意したとおり、双方は、日本人宇宙飛行士が月面に降り立つことを期待している。双方は、有人月探査ミッションがもたらす歴史的な機会を認識し、また、米国人以外で最初に日本人宇宙飛行士が月面に着陸することを日本側が望んでいることについて議論した。また、双方は、宇宙飛行士の月面活動を支援する日本の有人与圧ローバを含む、月面活動に関するJAXAとNASAとの間の技術的な議論における進展を歓迎した。さらに、双方は、温室効果ガス、降雨、水循環及び森林といった様々な分野での気候変動の監視及び研究における協力の重要性を認識し、今後協力を推進することに対する強い関心を表明した。宇宙科学において、双方は、2023年に予定されるX線分光撮像衛星(XRISM)及び小型月着陸実証機(SLIM)に関するミッション並びに2024年に予定されるフォボスのサンプル回収ミッションである火星衛星探査計画(MMX)の打上げについて期待を表明した。さらに、双方は、G7やデブリ除去のためのG7の共同の取組を含む、宇宙の持続可能性のための多国間協力について議論した。双方は、準天頂衛星に米国のペイロードを搭載すること及び米国が準天頂衛星システムの地上局を受け入れることを含む、日本の準天頂衛星計画に関する強固な政府間の協力を歓迎した。
7 双方は、本年1月に「平和的目的のための月その他の天体を含む宇宙空間の探査及び利用における協力のための日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の枠組協定」が署名されたことを踏まえ、宇宙協力をより一層促進していくとの見解を共有するとともに、総合的な二国間宇宙協力政策を導くメカニズムとしての宇宙に関する包括的日米対話の戦略的価値を再確認し、また、本対話が両国の府省庁及び当局間の協力関係を引き続き強化するであろうことを再確認した。
8 双方は、2024年に米国において本対話の第9回会合を開催することで一致した。
(了)