データベース『世界と日本』(代表:田中明彦)
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 日米韓首脳会合 成果文書に関する参考資料

[場所] 
[年月日] 2023年8月18日
[出典] 外務省
[備考] 仮訳
[全文] 

・ 協議するとのコミットメント 三か国の共通の利益及び安全保障に影響を及ぼす地域の挑戦、挑発及び脅威 に対する三か国の対応を連携させるため、三か国の政府が相互に迅速な形で 協議することにコミットする。

・ 情報共有及び連携の強化 2014年の日米韓防衛当局間情報共有取決めやそれぞれの二国間秘密軍 事情報保護協定の活用を含め、情報共有の強化の重要性を確認した上で、既 存の秘匿通信手段を活用し、引き続き三か国間の通信チャネルを改善してい く。

・ 日米韓首脳会合の少なくとも年に1回の開催 キャンプ・デービッドにおける日米韓首脳会合のモメンタムを活かし、少な くとも年に一度、対面での日米韓首脳会合を実施する。

・ 日米韓外相・防衛相・財務相・経産相・国家安全保障担当局長会合の開催 日米韓の外務大臣、防衛大臣、経産大臣、国家安全保障局長は、少なくとも 年に一度、日米韓会合を行う。会合は三か国が持ち回りで主催する。また、 日米韓の財務大臣は、初の会合を開催する。

・ 日米韓インド太平洋対話 インド太平洋に対する三か国それぞれのアプローチを連携させるため、局長 /次官補級のインド太平洋対話を年に一度開催する。

・ 外部からの情報操作等への対応 外部からの情報操作及び監視技術の悪用による脅威が増大していることを 受け、これに対処するための三か国の取組において連携する方法について議 論する。

・ 開発・人道支援政策対話 2023年10月、日米韓の開発政策担当当局及び実施機関の間で、開発・ 人道支援政策対話を開催する予定である。また、国際協力機構(JICA)、米国国際開発庁(USAID)及び韓国国際協力団(KOICA)は、開発 協力にあたっての連携を図る。

・ 海洋安全保障に関する日米韓協力枠組み 海上保安及び海上法執行に係る能力構築や海洋状況把握に焦点を当てた形 で、東南アジア及び太平洋島嶼国に対する能力構築において協調するため、 日米韓の協力枠組みを立ち上げる。

・ 北朝鮮のサイバー活動に係る日米韓ワーキンググループ 北朝鮮によるサイバー空間を悪用した不法な収入獲得や悪意あるサイバー 活動に連携して対抗すべく、三か国の関係省庁によって構成される、日米韓 ワーキンググループを立ち上げる。

・ 日米韓共同訓練計画 三か国共同訓練を複数領域において毎年実施することなどを含む、複数年に わたる共同訓練計画を策定する。

・ 北朝鮮のミサイル警戒データ共有に係る協力強化 2022年11月にカンボジア・プノンペンにおいて行われた日米韓首脳会 合で一致したとおり、北朝鮮のミサイル警戒データをリアルタイムで共有す るため、データ共有メカニズムを稼働するとの決定を確認する。また、20 23年末までにこのメカニズムを運用することに改めてコミットする。

・ サプライチェーン早期警戒システム(EWS)の試行 いくつかの国々において日米韓在外公館間で定期的に情報交換を行うこと を含め、EWSを試験的に立ち上げる。これにより、重要鉱物、蓄電池など の優先物資を特定した上で、重要なサプライチェーンに混乱が生じた場合に、 三か国で迅速に情報共有を行うためのメカニズムを構築する。

・ 創造的技術防護に係る協力 三か国の執行機関間でベストプラクティスを共有することなどを通じて、技 術保護措置における日米韓連携を拡大するとともに、創造的技術防護に係る 日米韓の関係当局間の連携を立ち上げる。

・ 三か国の国立研究所間の協力 科学協力を推進し技術革新を主導するため、三か国の国立研究所間の協力を追求する。

・ 技術標準協力 人工知能(AI)を含む新興技術の、安心・安全で責任ある開発及び適用を 確保するための共通原則を前進させるべく協力する。

・ 女性のエンパワーメント 政府、市民社会及び企業間のパートナーシップ構築のためのプログラムやイ ベント等、女性のエンパワーメントに関する既存の日米韓イニシアティブを 引き続き活用していく。

・ がんムーンショット協力 日米韓の国立がん研究機関が主導する三か国のがん対話から始めて、米国の がんムーンショット・イニシアティブに係る三か国協力を再活性化する。

・ 日米韓開発金融協力 国際協力銀行(JBIC)、米国国際開発金融公社(DFC)及び韓国輸出 入銀行(KEXIM)は、情報通信技術(ICT)を含む質の高いインフラ、 カーボンニュートラル、サプライチェーン強靱化のための資金動員に係る協 力を強化する覚書(MOU)に署名する。

(了)