[文書名] 日米安全保障協議委員会(「2+2」)共同発表
ブリンケン国務長官、オースティン国防長官、上川外務大臣及び木原防衛大臣(以下併せて「閣僚」という。)は、2024年7月28日、東京において日米安全保障協議委員会(SCC)を開催した。
閣僚は、日米同盟の共有するビジョン及び共通の価値観に対する世界的な脅威が深刻なレベルにあることを認識しつつ、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を堅持し、守るために、肩を並べて立ち上がるという日米の永続的なコミットメントを確認し、この目標を推進するために同盟国及びパートナーとの取組を倍加することを確認した。閣僚は、インド太平洋及びそれを超えた地域における平和、安全及び繁栄の礎としての日米同盟の重要性を再確認した。閣僚は、日米両国の国家戦略文書の実施並びに抑止力・対処力の更なる強化のための同盟の役割及び任務に関する集中的な議論が、着実に進捗していることを確認した。閣僚は、4月10日の岸田内閣総理大臣の公式晩餐会を伴う歴史的な公式訪問を受け、未来のためのグローバルなパートナーシップを築くというビジョンと共に、同盟の指揮・統制の向上、防衛産業及び先端技術協力の深化並びに領域横断作戦の強化を含む、新たな戦略的イニシアティブを実現する意図を再確認した。
最近の地域における行為主体の動きによって、安全保障環境が一層厳しさを増す中、米国は、核を含むあらゆる能力を用いた、日米安全保障条約第5条の下での、日本の防衛に対する米国の揺るぎないコミットメントを改めて表明した。日本は、自国の防衛力の強化及び米国との緊密な連携の強化の着実な実施を再確認した。日本は日米安全保障条約及び日米防衛協力のための指針に沿って、平時から緊急事態に至るあらゆる状況への切れ目のない対応により、インド太平洋地域の平和及び安全を維持していく上での自らの役割を再確認した。これは、2015年の平和安全法制により一層可能となり、日米同盟の抑止力と対処力を強化している。米国は、防衛予算の持続的な増加、自衛隊の統合作戦司令部の創設、サイバーセキュリティの重点化及び反撃能力の保有を含む、日本の防衛力の強化を歓迎した。
閣僚は、変化する安全保障環境と、今日及び将来において同盟にもたらされる課題を認識し、自由で開かれたインド太平洋地域を促進するとのコミットメントを再確認した。閣僚は、中国の外交政策が、他者を犠牲にし、自らの利益のために国際秩序を作り変えようとしているとの見解で一致した。閣僚は、中国が国家、企業及び市民社会に対して、政治的、経済的及び軍事的な威圧を用いていること、また、目的を達成するために、技術の転用を通じて軍事上の近代化を促進していることを強調した。このような行動は、同盟及び国際社会全体にとっての深刻な懸念であり、インド太平洋及びそれを超えた地域における最大の戦略的挑戦である。
閣僚は、尖閣諸島に対する日本の長きにわたり、かつ、平穏な施政を損なおうとする行為を通じたものを含む、中国による東シナ海における力又は威圧による一方的な現状変更の試みが強まっていることや、南西諸島周辺でのエスカレートする行動に対し、強い反対の意を改めて表明した。米国は、日米安全保障条約第5条が尖閣諸島に適用されることを改めて確認した。閣僚は、中国による進行中かつ急速な核兵器の増強に関する継続的な懸念を共有した。この増強は、その意図に関して透明性を欠き、また、公となっている証拠にもかかわらず、中国が認めようとしないものである。
閣僚は、南シナ海における中国の不法な海洋権益に関する主張、埋立地形の軍事化及び威嚇的で挑発的な活動に対する強い反対を改めて表明した。中国によるこの地域における不安定化をもたらす行動には、海上や空中での危険な遭遇、他国の海洋資源開発を妨害する試み、海上保安機関及び海上民兵の船舶の危険な使用が含まれる。閣僚は、1982年の国連海洋法条約(UNCLOS)の関連規定に反映されている、航行及び上空飛行の自由並びにその他の適法な海洋の利用を含む国際法の完全な尊重を改めて確認した。閣僚は、UNCLOSの下で設置された南シナ海仲裁(フィリピン共和国対中華人民共和国)における2016年7月12日付けの判断は、当該手続の当事国に対して最終的かつ法的拘束力を有することを強調した。閣僚は、危険で不安定化をもたらす行為となる、中国によるフィリピン船舶の公海における航行の自由の行使に対する度重なる妨害及びセカンド・トーマス礁への補給線への妨害に対する深刻な懸念を再確認した。閣僚は、ASEAN中心性・一体性に対する揺るぎない支持に基づき、地域の海洋安全保障を支持し、国際法を堅持するため、東南アジアのパートナーと協力することを決意した。
閣僚は、台湾に関する両国の基本的な立場に変更はないことを述べ、国際社会の安全と繁栄に不可欠な要素である台湾海峡の平和と安定を維持することの重要性を改めて表明した。閣僚は、両岸問題の平和的解決を促した。閣僚は、台湾の政治的移行期が、台湾海峡における挑発的な行動の理由として使われるべきでないことを強調した。
閣僚は、香港の自治及び自由の解体並びに新疆及びチベットにおけるものを含む人権問題に対する深刻な懸念を表明した。
閣僚は、複数の国連安保理決議に違反し、北朝鮮にいる人々の福祉を犠牲にした、北朝鮮による憂慮すべき数の無謀な弾道ミサイル発射の継続を強く非難した。閣僚はまた、北朝鮮による継続する核兵器計画及び核のレトリックを非難し、北朝鮮の完全な非核化へのコミットメントを改めて確認し、北朝鮮に対し、関連する国連安保理決議の下での全ての義務を遵守し、実質的な対話を行うよう強く求めた。閣僚は、全ての国連加盟国に対し、北朝鮮に関連する全ての国連安保理決議の完全かつ効果的な履行を確保するよう要請するとともに、履行確保の方法を探求するための緊密な協力を再確認した。閣僚は、拉致問題の即時解決の必要性を確認した。
閣僚は、ロシアによるウクライナに対する残酷でいわれのない不当な戦争を強く非難した。閣僚は、ロシアによる国連憲章違反と、進行中のウクライナに対する侵略を通じた、力により一方的に国境を変更する試みは、インド太平洋地域を含むグローバルな影響を伴う、国際秩序に対する明確な挑戦であることを認識した。閣僚は、ロシアによる無謀な核のレトリックと重要なインフラに対する攻撃を非難し、ロシアがウクライナにおける残虐行為の責任を負う必要性を改めて表明した。閣僚はまた、日本周辺での共同行動及び訓練を含む、ロシアによる中国との増大する挑発的な戦略的軍事協力や、中国によるロシアの防衛産業基盤への支援について懸念を持って強調した。閣僚は、ウクライナに対する使用のために国連安保理決議に直接違反してロシアが北朝鮮から弾道ミサイル及びその他の物資を調達していることに示される、ロシアと北朝鮮の協力の深化を強く非難し、地域の安定を悪化させ、国際的な不拡散体制を更に損なう、大量破壊兵器や弾道ミサイルに関連する技術や専門知識の北朝鮮への移転の可能性について深い懸念を表明した。閣僚は、ロシア及び北朝鮮の行動が世界及びインド太平洋の安全保障を不安定化させる影響を持つことを強調した。閣僚は、「包括的戦略的パートナーシップ条約」の署名を含む最近の露朝首脳会談の結果は、朝鮮半島の平和と安定を維持し、国際的な不拡散体制を堅持し、ウクライナの人々がロシアの残酷な侵略に対して自由と独立を守っている中で彼らを支持する観点から、重大に懸念すべきものであることを強調した。
閣僚は、中東の不安定性が国際社会全体に波及し、インド太平洋の安全保障と経済に影響を与えているとの認識を共有した。閣僚は、地域経済と世界経済を脅かし、切実に必要とされている食糧と医薬品の配送遅延と価格上昇を引き起こしている、紅海及びその周辺の航路におけるホーシー派の攻撃を非難した。閣僚は、ガザにおける停戦及び人質交渉、そして、イスラエル人とパレスチナ人の双方が公正で永続的かつ安全な平和の中で暮らすことを可能にするイスラエルの安全が保証された独立したパレスチナ国家と共に、広範なイスラエル・パレスチナ紛争を解決する交渉による二国家解決を実現することに引き続きコミットした。
日米の抑止力・対処力
過去1年間の成果と、日米両国の国家戦略文書がかつてないほど整合していることを踏まえ、閣僚は、日米両国が、変化する安全保障環境がもたらす課題に対応するため、以下の分野に焦点を当てて、同盟の抑止力・対処力を更に強化していくことを強調した。
1.同盟調整、指揮・統制の向上
閣僚は、演習及び協議を通じてあらゆるレベルでの同盟の政策及び運用に関する調整を強化し、平時から緊急事態に至るまでの同盟のプロセスに関する共通の理解を醸成する必要性を確認した。米国は、平時及び緊急事態における相互運用性及び日米間の共同活動に係る協力の深化を促進するため、在日米軍をインド太平洋軍司令官隷下の統合軍司令部として再構成する意図を有する。この再構成された在日米軍は、自衛隊統合作戦司令部(JJOC)の一つの重要なカウンターパートとなることが意図される。在日米軍は、段階的アプローチを通じ、その能力及びJJOCとの運用面での協力を強化するとともに、日米安全保障条約に従って、日本及びその周辺における安全保障に関する活動の調整について主要な責任を負うこととなる。米国防省は、米国議会と調整及び協議しつつ、JJOCの発展に並行する形で、在日米軍を再構成する意図を有する。日米両国は、以下の指揮・統制に関する共有された原則を踏まえて、緊密に協議し、本提案における二国間に係る側面を更に発展させるための作業部会を設置する。
● 日米は、日米安全保障条約及び日米防衛協力のための指針に沿って、日本の安全保障を支え、インド太平洋地域の国際的な平和と安全を維持するために、それぞれの指揮・統制の枠組みを向上させる。
● 日米は、それぞれの意思決定プロセスの調整を通じた政策レベルでの相互運用性の強化、そして、計画、能力発展及び使用、態勢、資源配分及び演習の調整を通じた運用レベルでの相互運用性を強化する。これは、情報収集、警戒監視及び偵察(ISR)活動、訓練及び演習、運用計画、緊急時の計画、後方支援といった、日米間の共同での活動に関する相互運用性強化を促進することを含む。
● 日米はカウンターパート間の任務、能力及び責任を整合させることに重点を置きつつ、日本によるJJOCの設立を踏まえ、日本と米国との間の指揮・統制構造の関係を明確に定義する。
● 日米は、日米防衛協力のための指針に沿って、既存の同盟調整メカニズム(ACM)が、平時から緊急事態までの全ての段階における自衛隊及び米軍によって実施される活動に関する、二国間の政策面及び運用面での調整を促進するメカニズムで在り続けることを確保する。
● 日米は、相互運用性の深化を実現するため、強固なサイバーセキュリティ及び情報保全並びに情報共有の重要性を認識するとともに、情報共有の機会の増加、サイバーセキュリティ、データセキュリティ及び情報保全の更なる向上並びに通信及び物理面でのセキュリティの強化を検討する。
2.同盟のスタンド・オフ防衛能力の向上
閣僚は、日本のスタンド・オフ防衛能力の構築における進捗を歓迎し、米国との緊密な連携の下での日本の反撃能力の効果的な運用に向けた日米協力の進展を強調した。閣僚は、日本の運用能力を支援するため、艦艇改修及び要員訓練を含む、日本のトマホーク獲得に関する協力を加速するとのコミットメントを再確認した。閣僚はまた、JASSM-ERを含むスタンドオフ・ミサイルの調達に関する協力を強調した。閣僚は、米国の物品及び技術的支援の提供を含む、日本の国産スタンドオフ・ミサイルの開発に関する更なる協力を歓迎した。
3.日本の南西諸島における同盟活動の強化
閣僚は、追加の部隊配備を通じた、南西諸島における自衛隊の能力向上に向けた日本の取組を歓迎した。閣僚は、防衛力強化に対する日本の決意及び日本の安全保障に対する日米相互のコミットメントを示すため、日本の南西諸島における二国間のプレゼンスを向上させるという同盟の目標を再確認した。南西諸島における日本の取組は、日米二国間による、演習、訓練、態勢及びその他の防衛関連活動と相まって、この重要な地域における同盟の抑止力及び対処力を強化する。閣僚は、同盟の活動の重要性に関するコミュニケーションの強化を通じて、地域社会との強固な関係を支えていくことを含め、これらの取組のための地域社会との継続的な協調の重要性を強調した。
4.二国間演習、即応性及び運用の強化
同盟の抑止力の信頼性を支える同盟の即応性を維持・強化するため、閣僚は、緊急事態に向けた計画作業を進めるとともに、レゾリュート・ドラゴン、オリエント・シールド、ヤマサクラ、キーン・エッジ、キーン・ソード、レジリエント・シールドのような、実践的かつ領域横断的な訓練、机上演習及び演習の範囲の向上・拡大といった二国間の取組を確認した。閣僚は、空港・港湾、その他運用基盤への柔軟なアクセスを通じたものを含む、日米の防衛アセットの抗たん性及び円滑な展開及び災害対応や緊急事態における運用効果を向上するための継続的な議論の重要性を強調した。閣僚は、南西諸島を含む日本全国における日米共同演習及び施設の共同使用の更なる機会の追求を支持した。閣僚はまた、AI及び先進的なシミュレーターを含む将来の戦闘機パイロットの教育及び即応性、そして即応態勢の整った次世代戦闘機の航空防衛力を維持するための日米共通のジェット練習機といった最先端技術の共同開発・生産の機会を追求する、将来の戦闘機パイロットの教育と即応性のためのワーキンググループ(WG-FFTR)の設立及び第一回会合を歓迎した。
5.拡大抑止の強化
閣僚は、日米同盟が厳しい戦略・核環境に直面する中、日本の防衛力によって強化される米国の拡大抑止を引き続き強化するとともに、主に日米拡大抑止協議を通じた拡大抑止及びエスカレーション管理に関する協力を強化することの決定的な重要性を強調した。閣僚は、実質的な戦略レベルの議論を深めるとのコミットメントを示すため、拡大抑止に関する初の日米閣僚会合を開催した。
6.ISR協力の深化
閣僚は、二国間の海洋状況把握を向上させ、適時な情報共有と情報収集を促進し、同盟の抑止力を強化し、効果的な同盟調整、指揮・統制の基盤となるISR協力の着実な進歩を確認した。この観点から、閣僚は、日米共同情報分析組織(BIAC)の成果を歓迎し、今後の協力取組に関する継続的な議論を通じてBIACを強化・拡大することに同意した。閣僚は、同盟のISR協力を支援するため、米国のMQ―9の嘉手納飛行場への展開の重要性を改めて再表明した。
7.領域横断作戦、情報戦、人工知能(AI)に関する協力の拡大
閣僚は、これら全ての領域が将来の抑止力及び対処力の概念にとって重要であることを認識し、サイバー、宇宙、電磁波を含む領域横断作戦に関する二国間協力の強化にコミットした。閣僚は、長距離ミサイルや極超音速滑空体等の戦略的脅威に対する地球低軌道(LEO)の探知・追尾コンステレーションを含む宇宙能力における協力や、2023年12月からの連合宇宙作戦(CSpO)イニシアティブの下での取組を含む、二国間及び多国間の宇宙協力を歓迎した。閣僚はまた、米国防省と日本の防衛省との間で電磁波領域に関する議論が深まっていることを強調し、両者の間で電磁波領域の作業部会が設置されたことを歓迎した。閣僚は、悪意ある影響工作やグレーゾーン行動による世界の安定への脅威を認識し、こうした迫り来る脅威に対抗するための更なる協力の主題として情報戦を加えることを支持し、米国防省と日本の防衛省の間のIWSWG(情報戦に係る連携強化ワーキンググループ)の創設を歓迎した。閣僚はAIに関して、特に防衛AIパートナーシップ(AIPfD)及びAIと自律性の責任ある軍事利用に関する政治宣言を通じて、軍事領域における責任あるAI利用を促進するための重要な二国間の取組を強調した。
8.サイバーセキュリティ及び情報保全の強化
閣僚は、同盟にとって、また、同盟が未来志向の能力を開発し増大するサイバー脅威に先んじるために、サイバーセキュリティ及び情報保全が基盤的に重要であることを強調した。閣僚は、情報通信技術分野における強じん性強化のためのゼロ・トラスト・アーキテクチャの導入を通じたサイバーセキュリティ、情報保全に関する協力の深化にコミットした。閣僚は、重要インフラのサイバーセキュリティの強化の重要性について同意し、同盟の抑止力を更に強化するため、脅威に対処する防御的サイバー作戦における緊密な協力の促進について議論した。米国は、情報共有のためのより良いネットワーク防御の実現に資するリスク管理枠組みの着実な実施を含む、国家のサイバーセキュリティ態勢を強化する日本の取組を歓迎した。閣僚は、将来の演習にサイバー防御の概念を取り入れる機会を増やすことについて議論した。閣僚は、二国間のサイバーセキュリティ及び情報保全に関する協議を通じてなされた重要な進展を称賛した。
9.志を同じくする同盟国やパートナーとの共通の目標の実現
日米両国は、自由で開かれたインド太平洋を促進し、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を堅持するという同盟の目標を共有する、同志国とのネットワークを構築するため、日米のグローバル・パートナーシップを活用している。閣僚は、日米同盟が、態勢、能力、演習、海洋状況把握、人道支援・災害救援及び地域の抑止力を強化するその他の分野における多国間協力を深化・拡大するための両国の取組の中核であることを再確認した。
閣僚は、日豪円滑化協定(RAA)を活用し、また、2024年5月の日米豪防衛大臣会合(TDMM)における最近のコミットメントに沿って、日米同盟の豪州とのパートナーシップを更に前進させるコミットメントを新たにした。閣僚は、日米豪のF-35の相互展開、ISR能力及び演習、米豪戦力態勢協力活動への日本の参加拡大、ネットワーク化された防空ミサイル防衛アーキテクチャ及び演習の追求、最近署名された研究、開発、試験及び評価(RDT&E)プロジェクトに関する日米豪取決めを通じた技術開発を含む、協力の鍵となる分野について議論した。閣僚は、AUKUS第2の柱である先進能力プロジェクトについて、豪英米(AUKUS諸国)が日本との協力を検討していることを歓迎し、更なる議論に期待した。
閣僚は、2023年のキャンプ・デービッドでの首脳会合並びに本年の日米韓外相会合及び防衛相会合におけるリーダーのコミットメントに支えられた、地域の平和と安定を維持するための韓国との協力の深化の決定的な重要性を強調した。閣僚は、これらのコミットメントを裏打ちするものとして、複数領域における新たな日米韓共同訓練「フリーダム・エッジ」の第1回実施の成功及び日米韓による北朝鮮のミサイル警戒データのリアルタイム共有メカニズムの継続的な運用を歓迎した。
米国は、日比RAAの署名を歓迎し、閣僚は、海洋状況把握と安全保障、自衛隊及び米軍それぞれとの訓練・演習、海上保安庁と米沿岸警備隊それぞれとの間の協力、能力構築、人道支援・災害救援を含む、共通の関心分野における日米比及び多国間での一層の協力を期待した。閣僚は、フィリピンへの能力構築を支援するための、米国、日本、フィリピン、オーストラリア間を含む追加的な多国間の取組に留意した。閣僚は、防衛・軍部隊のドクトリン、戦術、技術及び手順の相互運用性を強化し、国連海洋法条約に反映された、海洋に関する国際法と整合的な方法で公海の自由を擁護するため、フィリピンの排他的経済水域における2024年4月の日米豪比及び同年6月の日米加比の海上協同活動を称賛した。
閣僚は、ASEAN中心性・一体性への強い支持を強調した。閣僚はまた、太平洋地域の一体性と、「ブルーパシフィック大陸のための2050年戦略」において明記された優先事項への支持を強調した。閣僚は、共同訓練、能力構築、支援イニシアティブを通じた、東南アジア及び太平洋島嶼国のパートナーとの更なる協力を支持した。これに関連して、米国は、フィリピンへの沿岸監視レーダーシステムの供与を含む、第三国の安全保障能力を強化し、抑止力を向上させるための政府安全保障能力強化支援(OSA)の枠組みを創設した日本の決定を歓迎した。閣僚は、米国のイニシアティブを日本のOSAと整合させるための二国間の取組に留意した。閣僚は、クアッドの重要性と、海洋状況把握のためのインド太平洋パートナーシップ(ⅠPMDA)及びその他のイニシアティブを通じて、クアッドのパートナーがこの地域に提供する公共財を更に推進することへのコミットメントを再確認した。
閣僚は、インド太平洋及び欧州・大西洋地域における安全保障上の課題の相互関連性を強調し、日本によるNATOとの多国間協力及び日本と欧州の協力の拡大を支持した。閣僚は、最近発足した日米外交・開発戦略対話を通じて、それぞれの地域に向けた日米の戦略的・外交的アプローチを整合させる取組を確認した。
防衛装備・技術協力
閣僚は、イノベーションを促進し、産業基盤を強化し、強じんで信頼性のあるサプライチェーンを促進し、将来戦略的に重要となる産業を構築するために、我々の経済、技術及び関連する戦略を最大限に整合させるという大統領及び総理の目的を再確認した。閣僚は、地域の平和と安定を支える同盟の能力を下支えする同盟の能力強化における防衛装備・技術協力の重要性を再確認した。日米両国は、この協力を通じて、技術的優位性を維持するために取得、科学、技術のエコシステムを結びつけ、経済的依存関係の武器化に対抗するために経済安全保障の取組で協力している。
閣僚は、先進的なシステムへの重要な需要を満たし、適時な調達及び即応性の所要に対応し、侵略を抑止するため、AMRAAM及びPAC-3MSEの生産能力拡大のために、互恵的な共同生産の機会を追求するという優先度の高い取組を歓迎した。これは、日米防衛産業協力・取得・維持整備定期協議(DICAS)に対し報告を行うこととなる、国務副長官及び国防次官(取得・維持整備担当)が主導する米国内の省庁間ミサイル共同生産作業部会を含む。DICASはミサイル共同生産の取組を前進させるとともに、強じんなサプライチェーンを構築し、米軍艦船及び航空機の維持整備の促進に注力する。さらに、閣僚は、これらの重要な取組に係る議論を進める機会を提供することにつながる、防衛装備庁主催の来るべき2024年9月のインダストリーデーへの日米両政府高官の出席を支持した。DICASはSCCに進捗を報告しつつ、米国内の省庁間ミサイル共同生産作業部会と共に、産業界のステークホルダーと意思疎通し、先進的な防衛的システムの共同生産に必要な状況を創出していく。DICASのミサイル共同生産作業部会の参加者は、2024年末までに開催される第2回DICASに対し、責任ある技術開示の加速、実行可能なビジネスケースの促進、計画のタイムラインの設定、求められる調達量の確定、資金メカニズムの特定のための行動計画を提出する。
閣僚はさらに、滑空段階迎撃用誘導弾(GPI)に関する事業取決め、無人航空機へ適用するAI技術に係る日米共同研究に関する事業取決め、高出力マイクロ波(HPM)システムに係る日米共同研究に関する事業取決め、試験評価プログラム(TEP)覚書を含む、最近署名された主要な取決めを強調した。閣僚は、二国間技術協力における防衛装備庁・米国防省(研究・工学担当)定期協議(DSTCG)の役割を評価し、今夏の第2回会合を歓迎した。米国はまた、日本が将来、防衛分野でのイノベーション実現に向けた技術研究所を新設することを評価した。閣僚はさらに、無人航空機(UAV)に関する二国間協力の拡大、特に2025年前半に開始予定のRTA(ランタイム・アシュアランス)技術に関する共同研究の重要性を強調した。米国は、英国及びイタリアとのグローバル戦闘航空プログラム(GCAP)を含む、防衛装備品及び技術に関する日本による同志国との協力を改めて支持し、閣僚は、GCAPと米国の航空機及び無人システムとの相互運用性を確保するための協力を支持した。
米国は、日本の防衛装備移転三原則及びその運用指針の改正を歓迎した。この改正は、重要な能力の需要を満たすために日米双方の産業基盤を活用する努力を支援するものである。米国はさらに、この改正の下で、米国の在庫を補うための日本のペトリオット迎撃ミサイルの移転の進展を歓迎した。
上記分野における更なる協力を支援するため、米国は、初の防衛産業保全マニュアルの発行や、アジア初の正式メンバーとしての多国間産業保全ワーキンググループ(MISWG)への日本の参加及び日本による重要経済安保情報保護活用法の成立により、防衛産業基盤の保全を強化する日本の取組を歓迎した。
同盟の戦力態勢
閣僚は、地域における安全保障上の課題の増大に対処し、将来これらの課題に対処するためにより適切な態勢をとるために、同盟の戦力態勢を最適化することの重要性を強調した。閣僚は、この目的のため、日本全土で戦術戦闘機を近代化する米国の計画を歓迎した。この近代化計画は、日米同盟を強化し、地域の抑止力を強化するための能力投資を反映したものである。閣僚は、米国による第12海兵連隊の第12海兵沿岸連隊(MLR)への名称変更と、2025年までの初期作戦能力獲得に向けたMLRへの改編の着実な実施を称賛した。閣僚はまた、原子力空母ジョージ・ワシントンの日本への前方展開と帰還、同盟の抑止力を支えるその重要な役割を歓迎した。
閣僚は、抑止力を維持し、地元への影響を軽減するため、沖縄における代替施設の建設及び土地返還を含む、沖縄統合計画及びその他の既存の二国間取決めに従った在日米軍再編の着実な実施への確固たるコミットメントを改めて表明した。閣僚は、大浦湾側における工事の進捗を受け、普天間飛行場の継続的な使用を回避する唯一の解決策である、辺野古における普天間飛行場代替施設の建設を含め、普天間飛行場の可能な限り早期の全面返還に向け、二国間の取組を加速させる重要性を強調した。閣僚は、沖縄からグアムへの海兵隊要員の移転が2024年に開始されることを確認した。閣僚は、馬毛島における自衛隊施設の整備の進展を強調した。閣僚は、事件・事故に関する適時の情報の共有のために継続的に二国間で調整していくことの重要性を強調した。閣僚は、同盟協力の精神に基づき、容認することのできない事件や行為を防ぐために、在日米軍によって実施される取組を前向きに評価した。
閣僚は、日本の国内法及び規則に則った提供施設整備(FIP)へのコミットメントを確認した。これは、2022年の特別協定(SMA)の期間中、FIPの取組を実施すること及び、2022年のSCC共同発表で確認された、1641億円の予算の適時かつ効果的な執行を更に確保することを目的としてあらゆる適切なイニシアティブを採ることへの両国のコミットメントを含む。
環境問題及び人道支援に関する調整
閣僚は、日本に人道支援・災害救援のためのハブを設置し、気候変動に関連した自然災害及びその他の自然災害により迅速に対応するためのバイデン大統領と岸田内閣総理大臣の4月の共同声明に沿って、取組を前進させる運用上の所要のためのタスクフォースを早急に開催することを決定した。閣僚は、日米地位協定及び関連する取決めに則った、有機フッ素化合物(PFAS)及びポリ塩化ビフェニル(PCB)問題を含む二国間環境協力の強化について議論した。
女性・平和・安全保障(WPS)
閣僚は、WPSに関する協力が、女性及び女児のエンパワーメントを前進させ、ジェンダー平等を達成し、国家の安全保障活動に多様な視点を含めるという、グローバル・パートナーシップの目標を支持することを強調した。閣僚は、自由で開かれたインド太平洋を実現するためには、女性が完全、平等かつ意義ある形で指導的地位に参画し、紛争予防、復興及び平和構築に貢献することが必要であることを確認した。閣僚は、今後も実施されるWPSシンポジウムへの在日米軍による継続的なコミットメント、米インド太平洋軍による地域の軍事ジェンダー・アドバイザー・コースへの日本の参加、ASEAN作業部会の下での二国間協力、WPSフォーカルポイント・ネットワークへの日本の継続的関与及びリーダーシップ、防災の政策及び取組へのWPSの統合、地域のWPSセンター・オブ・エクセレンスへの二国間支援を含む取組を歓迎した。閣僚は、日米が主導するWPS関連活動への参加を引き続き促進し、平素からの二国間の共同演習・訓練及びその他の活動の中でWPSを考慮することにより、更なる協力を模索することを確認した。
同盟のための人的投資
日米両国民の間の強い友好の絆は、拡大するグローバル・パートナーシップをつなぎ、維持している。文化・教育交流を通じたものを含め、これらの絆を更に強化することは、将来の日米関係を担う人材を育成する最も効果的な方法である。閣僚は、同盟を支える将来の日米専門家の多様なパイプラインを構築するため、新たな交流機会の構築や、
「アメリカで沖縄の未来を考える」(TOFU)及び「日米交流の促進・相互理解の増進のためのプロジェクト」(SEED)といった既存の交流機会の拡大の重要性を強調した。日米両国民は同盟の中核を形成しており、我々は、今後何世代にもわたり、これまでにない緊密な絆を築いていくことを再確認する。