[文書名] 日米韓外相共同声明
マルコ・ルビオ米国国務長官、岩屋毅日本国外務大臣、趙兌烈韓国外交部長官は、4月3日、ブリュッセルにおいて、法の支配を含む共通の原則を堅持しつつ、日米韓及びより広範なインド太平洋地域の安全、安全保障及び繁栄を進展させるための、三か国の協力を強化するために会談した。閣僚は、欧州・大西洋地域及びインド太平洋地域における安全保障上の動向及び課題に迅速に対応する能力を確保するための、NATOによるインド太平洋パートナーとの協力の重要性を強調した。閣僚はまた、韓国及び日本における山火事による人命の損失及び被害に対し、深い哀悼の意を表明した。
地域及びグローバルな関与の強化
米国は、核能力を含む比類のない軍事力によって裏付けられた、日本及び韓国の防衛に対する米国の強固なコミットメントを改めて表明した。全ての閣僚は、日本及び韓国の防衛に対する米国の拡大抑止のコミットメントは、朝鮮半島及びインド太平洋地域の安全保障及び安定にとって、引き続き決定的に重要であることを確認した。日本及び韓国は、核リスクの低減のために中国及びロシアと関与する米国の努力への支持を表明した。閣僚は、強固な安全保障協力の進展や、それぞれの防衛力の強化により、防衛及び抑止を強化するとのコミットメントを再確認した。
閣僚は、南シナ海を含むインド太平洋の水域における、不法な海洋権益に関する主張、又は、力又は威圧によるいかなる一方的な現状変更の試みに強く反対した。閣僚は、自由で開かれたインド太平洋を維持し、航行及び上空飛行の自由並びにその他の適法な海洋の利用を含む国連海洋法条約に反映された国際法の優越を確保するとのコミットメントを強調した。
閣僚はまた、国際社会の安全と繁栄に不可欠な要素である台湾海峡の平和と安定を維持することの重要性を強調した。閣僚は、挑発的な活動、特に最近の台湾周辺での軍事演習への懸念を表明し、安定を損なう更なる行動を止めるよう求めた。閣僚は、両岸問題の平和的解決を促し、力又は威圧によるものを含むあらゆる一方的な現状変更の試みにも反対した。閣僚はまた、適切な国際機関への台湾の意味ある参加への支持を表明した。
閣僚は、米国、ロシア及びウクライナ間の継続的な協議を歓迎し、国連憲章に沿った形の包括的で公正かつ永続的な平和に不可欠な一歩としての包括的な停戦に向けた進展を促した。
北朝鮮の脅威への対処
閣僚は、国連安保理決議に従った北朝鮮の完全な非核化に対する確固たるコミットメントを再確認した。閣僚は、拡大する北朝鮮のロシアとの軍事協力に対する深刻な懸念を表明した。閣僚はまた、北朝鮮の核・ミサイル計画に共に対処し、関連する国連安保理決議の違反及び回避に対して強固に対応することで、北朝鮮に対する制裁レジームを維持・強化する必要性を強調した。
閣僚は、2月にただ一つの取引所から約15億米ドルに相当する暗号資産が窃取されたことを含め、北朝鮮のサイバーアクターによる悪意あるサイバー活動に対して深刻な懸念を表明した。閣僚は、国際社会に対し、北朝鮮が窃取した暗号資産を現金化することを阻止するための行動を取るよう求めた。
閣僚は、北朝鮮における、及び北朝鮮による深刻な人権侵害に対処するための取組を継続することを誓約し、拉致問題、抑留者問題、帰還していない捕虜の問題及び離散家族の問題の即時解決へのコミットメントを改めて表明した。
経済安全保障及び経済的強靭性の強化
閣僚は、双方に利のある形で、米国産の液化天然ガス(LNG)及びその他のエネルギー資源と技術に支えられた、エネルギー安全保障及びエネルギー協力の強化を継続することにコミットした。閣僚はまた、ミュンヘンにおける議論を踏まえ、鉱物安全保障パートナーシップ(MSP)の下での活発な連携を通じたものを含む重要鉱物及びその他の重要なサプライチェーンの多角化並びに重要・新興技術の発展及び保護を継続することにコミットした。閣僚は、最高水準の原子力安全、核セキュリティ及び核不拡散の下、増大するエネルギー需要に応えるため、先進的な民生用原子炉の開発及び導入に関する共同の取組を加速させるため、各国の産業の能力を活用する必要性を強調した。閣僚は、現代的な海上艦隊、強固な造船産業及び強力な労働力を通じた、海洋の安全保障及び繁栄を確保するための協調した取組の必要性を認識した。閣僚は、日米韓海洋安全保障及び法執行協力枠組みの下、海洋領域の多面的な課題に対処し、地域におけるパートナーに共同の能力向上支援を提供するための三か国海上保安機関協力を歓迎した。経済的威圧及び不公正な貿易慣行に断固反対し、自由で公正な国際経済秩序へのコミットメントを再確認した。閣僚はまた、韓国が2025年のAPECを成功裏に主催し、有意義な成果を実現するための努力を支持することにコミットした。
三か国協力の推進
閣僚は、次官級を含む全てのレベルで三か国会合を継続することにコミットした。閣僚は、今夏日本で実施される第2回日米韓グローバル・リーダーシップ・ユース・サミットに期待を寄せている。