[文書名] 第3回日・PIF首脳会議ファクト・シート <太平洋諸島諸国への日本の具体的な支援>
I.太平洋地域の安全保障の強化
(i)域内の政治的安定化への取り組み
●PIF側:良い統治、社会/経済的公平性、土地所有問題、民族和解等への取り組み。
○日本側:小型武器回収、元武装グループや国内避難民の雇用促進支援。
☆2001年の国連小型武器会議で採択された行動計画のフォローアップの一環として日・豪政府共催「太平洋諸国小型武器セミナー」開催(03年1月実施)
☆「ソロモン諸島における民族紛争の結果破壊された教育施設の復興」
☆「労働集約型インフラ整備を通じた元武装兵の社会復帰支援」
☆ブーゲンビルの復興を促進するために、草の根・人間の安全保障無償資金協力を活用して積極的に協力していくことを検討中。
☆太平洋諸島首脳会議への支援
◆JICA研修により支援(03年度)
・良い統治・・・・・・・「汚職防止刑事司法支援」「公共事業会計検査セミナー」「人事行政研修」「地方自治」
・社会/経済的公平性・・「ジェンダー主流化政策のための行政官セミナー」「社会資本整備計画」「都市開発における土地区画整理事業実務」「都市計画総合」「国家測量事業計画・管理」
(ii)テロや国際犯罪の防止
●PIF側:テロや国境を越えた犯罪に対する法制度の強化。
○日本側:法制度整備支援、資金洗浄等の分野におけるセミナー等の開催。
☆テロや国境を越えた犯罪に対する法制度の強化プロジェクトへの資金協力
◆JICA研修により支援(03年度)
「国際捜査セミナー」「航空保安セミナー」「出入国管理行政」「薬物犯罪取り締まりセミナー」「金融情報システム」「警察情報通信セミナー」「犯罪防止セミナー」「著作権制度整備」
(iii)情報通信網の整備
○日本側:経済的に安価な情報通信網の向上、デジタル・デバイドの軽減。
☆「太平洋島嶼国地域のデジタル・デバイド解消のためのIT化促進プロジェクト」
☆「ソロモン地方通信網改善計画」
☆「PNGニューアイルランド州自然災害等緊急事態用超短波通信拡充計画」
☆APT(アジア・太平洋電気通信共同体)における取組み
◆APT研修により支援(03年度)
「宇宙通信」、「次世代インターネットとその応用」、「電子政府とICT」、「標準化」、「情報通信技術者基礎研修」、「光海底ケーブル技術」、「インターネット・マルチメディアとモバイル通信技術」、「ルーラル無線IP技術」、「次世代移動体通信技術」、「電波監理・基準認証」
◆APT/PITA(太平洋島嶼国電気通信協会)共催による「太平洋地域のためのICT会合」の開催(03年度)
☆アジア・ブロードバンド計画の推進
・アジア太平洋地域に適した衛星通信技術の研究開発・実証の推進
・情報通信分野の技術、政策等に関する研修の支援
☆太平洋諸島インターネット・ニュースサイト構築への支援
◆JICA研修により支援(03年度)
「統計業務における情報通信技術の適用」等コンピューターによる統計業務
「衛星通信応用技術」「国際通信業務サービス」「公衆通信ネットワーク構築技術」「国際通信業務サービス」「光線路技術」「地方通信計画」
◆JICA専門家等派遣により支援
「サモア国立大ICTアドバイザー」「ミクロネシア3国情報通信技術(企画調査員)」
II.より安全で持続可能な環境
(i)ゴミ処理問題への取り組み
●PIF側:マスタープランの策定、ゴミの削減、ゴミ処理施設の設置・改修。
○日本側:マスタープランの策定支援、ゴミ処理や廃棄施設に対する支援。
☆日本政府の資金負担により具体的にマスタープラン(案)を作成し、PIF側へ提案
☆SPREP(南太平洋環境計画)を通じた太平洋島嶼国地域への技術協力
◆JICA長期専門家派遣(00年度〜03年度)
◆JICA「廃棄物総合管理セミナー」(JICA沖縄国際センター)(03年度)
◆「環境分野における人材育成計画」への資金協力(03年度)
◆JOCV(環境教育)の派遣(03年度)
☆JICA「タファイガタ処分場改善計画」
◆JICA長期専門家派遣「環境影響評価」(フィジー)
(ii)環境及び天然資源の保護・持続可能な利用
●PIF側:重要資源や生態系の保護・持続可能な利用のための措置。
○日本側:無償協力、技術協力を通じた支援。NGOや沖縄の経験の活用。
☆第10回国際珊瑚礁シンポジウムの開催(2004年沖縄)(環境省及び外務省後援)
☆国際珊瑚礁センター(パラオ)と国際珊瑚礁シンポジウム実行委員会との連携協力
☆沖縄県の国際マングローブ生態系協会、亜熱帯総合研究所による協力
☆JICA技術協力プロジェクト「パラオ国際珊瑚礁センター強化プロジェクト」
◆JICA長期専門家派遣「海中公園管理」(トンガ)
◆JICA草の根技術協力「パラオ共和国への環境協力事業」
◆JICA研修により支援(03年度)
「沿岸漁業の管理行政」「環境調査型鉱業開発」「珊瑚礁保全」「熱帯海洋生物多様性の保全と持続的利用技術」「環境と水産開発」「持続可能なマングローブ生態系管理技術」「資源培養のための栽培漁業」「水環境を主題とする環境教育」「環境開発と環境保全」「沿岸漁業の総合的な管理手法」「持続的増養殖開発」「熱帯農林資源の持続的利用」「持続可能な沿岸漁業」「環境と開発と女性」「水環境モニタリング」[環境分野における人材育成]「海洋環境保全」
(iii)地球温暖化
時宜を得た京都議定書批准を奨励。すべての国が参加する共通のルール確立のための努力。温暖化問題に対する島嶼国の理解と対応の向上。
☆南太平洋島嶼国における気候変動と海面上昇に関するリソースブックの提供
☆アジア太平洋地球変動研究ネットワーク(APN)の活動による科学的能力の向上支援「太平洋島嶼国における気候変動交渉及び統合活動に関する技能向上のためのトレーニングワークショップ」「オセアニアにおける環礁島の変化及び海面変動との関連に関する研究」
☆持続可能な開発のための途上国における科学的能力向上プログラム(CAPaBLE)「小島嶼国等への影響予測評価及び適応策に関する研究」
◆JICA研修により支援(03年度) 「地球温暖化対策コース」「地球温暖化対策(京都メカニズム)担当者養成」
「地球環境地図作成技術;持続可能な開発のための地理情報システム」
「気象学」「オゾン層保護対策・代替技術セミナー」
(iv)災害対策
●PIF側:災害に対する効果的な計画と対応の向上。
○日本側:研究、啓蒙活動、環境計画・管理、気象予報等における技術協力。
☆自然災害発生時には緊急援助スキームを適用して支援検討
◆JICA研修により支援(03年度)
「消火技術」「救急救助技術」「海難救助・海上防災」「社会基盤施設の災害に対する危機管理」「地震・耐震工学」「気象予警報及びサイクロン防災(第3国研修)」
◆JICA草の根技術協力「消防消火技術・消防機会技術習得研修」
III.教育・人材育成の改善
(i)教育問題一般
●PIF側:初等教育分野を最優先、高等教育・遠隔教育を次の優先分野として資源配分。
(ii)基礎教育の充実
○日本側:学校インフラ支援、人的資源開発支援、子どもの交流プログラム。
☆小学校校舎等初等教育施設の新・増・改築や機材供与を今後3年間で100校実施
☆初等教育分野を含む人的資源開発のためJOCV等を今後3年間で100人派遣
☆若人交流プログラムの実施(03年度)
☆子供交流プログラムの実施(03年度)
◆JICA専門家等派遣「教育番組制作」「教育セクター」
「ライブ授業教室を利用した遠隔地教育」(パプアニューギニア)、「初等算数教育改善」(バヌアツ)
(iii)高等教育・遠隔教育の向上
○日本側:遠隔教育、ICTプロジェクト、大学間交流、技術・職業教育/訓練に対する支援。
☆南太平洋大学(USP)を中心とした遠隔教育(ITの活用)
☆ICTセンター建設計画に関する調査の実施(03年度)
☆東西センターにおける太平洋諸島諸国の学生への情報通信技術教育に対する支援
IV.保健・衛生の改善
●PIF側:AIDS、糖尿病等の疾病への対策、免疫措置の強化、啓蒙・調査活動。
○日本側:上記分野に対する支援、他のドナーとの援助協調。
☆フィジー国新医薬品供給センター建設計画
☆マジュロ病院整備計画
☆国際機関(WHO,UPRO,UNICEF)とのマルチ・バイ協力による感染症対策のためのコールドチェーンの供与(03年度)
☆JICA草の根技術協力事業「医療衛生技術協力事業(パラオ)」「看護指導者の育成・強化計画(サモア)」
☆「マラリア防圧にかかる総合的研究協力(パプアニューギニア)」
◆JICA研修により支援(03年度)
「HIV感染者のケアとマネジメントのための高度診断技術」「生活習慣病予防対策」
「結核対策細菌検査マネージメント」「中間レベル結核管理」「国家結核プログラム管理」
「熱帯医学研究」「看護指導者育成」「リプロダクティブ・ヘルスセミナー」「母子保健人材育成」
◆JICA専門家派遣等により支援「結核対策」「保健分野(パプアニューギニア、ソロモン、バヌアツ)」
◆JOCV及びSV(看護隊員)の派遣(03年度)
V.より活発で持続可能な貿易・経済成長
JICA、JETRO、PIC、PIF事務局を通じた観光を含む貿易・投資の促進。
☆太平洋諸島展(東京:JETRO/PIC/PIF共催)の開催と対日輸出促進ワークショップ等(沖縄:PIC/JETRO共催)の実施
☆太平洋諸島ビジネス情報ネットワークの構築への支援
◆JICA研修により支援(03年度)
「投資環境法整備」「観光振興とマーケティング」「アジア太平洋民間協力」
「商工会議所マネジメント」
◆JICA専門家派遣「輸出振興市場開発(フィジー)」
◆アジア生産性機構による支援(03年度)
「環境に配慮した地域生産性向上」「地域社会総合開発」
専門家派遣、研修、デモンストレーションプロジェクトの実施支援