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日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 兵庫県南部地震に際しての村山内閣総理大臣の記者会見

[場所] 
[年月日] 1995年1月17日
[出典] 村山演説集,226−227頁.
[備考] 
[全文]

○総理 本日早朝発生しました兵庫県南部地震により、近畿地方を中心に、甚大な被害が発生をいたしております。関東大震災以来の最大の都市型災害ではないかと思われます。政府としては、今もなお救援を求めておられる方々がたくさんおられる訳でありますから、何よりも人命の救助、救援にあらゆる手段を尽くして、万全を期したいということで、対策を講じております。亡くなられた方々の御冥福を心からお祈りを申し上げると同時に、遺族の方々にお悔やみを申し上げたいと思います。また、負傷された方々や、被災者の方々にお見舞いを申し上げたいと思います。政府としては、本日十時から閣議で直ちに国土庁長官を本部長とする非常災害対策本部を設置をいたしました。十一時十五分から対策本部の会議を開きまして、次のようなことを具体的な取り組みを決定いたしました。

 一つは、余震が続いていることから、危険な建物等からの避難を呼び掛けるなど、厳重な警戒を促していると。警察、消防関係職員を総動員をして、行方不明者の捜索、救出に努める。

 災害救助法を適用して、被災者の収容、適切な医療など、被災者に対する救援措置に万全を講ずると。これは例えば学校の講堂を取りあえず使って、そこに移ってもらうと。そのためには、寒い時期ですから、毛布も要りますし、食料等の対策についても万全を期すということの手配を直ちに行っております。

 それから、近隣自治体の協力を得るなどして、火災の早期消火に努める。あらゆる手段を尽くして、火災の消火に努めていかなければ、手の付けられないような状況で、そのまま見ているということは許されませんから、とにかく火災の消火に万全を期すということに今、指示をいたしております。

 それから、高速道路、新幹線を始めとする鉄道機関の崩壊などの被害が顕著であります。電気、ガス等のライフラインにも大きな被害が出ていることから、これらの施設の早急な復旧に努めるということに、今、取り組みをいたしてもらっておりますが、いずれにいたしましても、今日、国土庁長官が現地に参りまして、調査に入っておりますし、同時にまた、建設大臣、消防庁長官も現地に急行いたしております。

 明日、国土庁長官が帰朝いたしましたら、ただちに閣議を開きまして、現状の報告も聞きながら、更に必要な万全の対策を講じていきたいと思いますが、出来れば私自身も現地に急行して、何とか万全の対策が講じられるように努めていきたいというふうに考えております。