データベース『世界と日本』(代表:田中明彦)
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 日独共同記者会見

[場所] 
[年月日] 2017年3月20日
[出典] 首相官邸
[備考] 
[全文]

【安倍総理冒頭発言】

 この度は、昨年5月のベルリン郊外のメーゼベルク城における首脳会談以来でありますが、4年連続のドイツ訪問となります。そして、2008年に総理特使としてハノーバーを訪れて以来、2度目のハノーバー訪問となります。今回も、メルケル首相、そしてドイツ国民の皆様の温かい歓迎に心から御礼を申し上げます。

 昨年5月、アンゲラから本年のCeBITにパートナー国として招待をいただきました。今回、118の日本企業の御協力により世界最大級の情報通信技術見本市において、日本が誇る高い技術を世界に向けて発信することができたことを大変うれしく思います。また、昨日、両国の担当大臣が署名した「ハノーバー宣言」に基づき、イノベーション、人材、自動車等の分野での協力を進めることをメルケル首相と確認いたしました。これらは、第4次産業革命をリードする日独両国の緊密かつ高度な協力の象徴であります。

 日本とドイツは、自由、民主主義、人権、そして法の支配といった普遍的価値を共有しており、アジアと欧州の主要リーダーとして国際社会の諸課題に対して一層連携して取り組んでいきます。

 日本は強い欧州を支持します。強い欧州は世界のためになります。これまで様々な困難を乗り越え欧州統合が進められてきたことに対しまして敬意を表します。今後も欧州統合が着実に力強く推進されていくことに対して日本は支持をいたします。

 世界で保護主義や内向き志向の台頭が懸念される中、本日、私はアンゲラと自由で開かれた国際秩序こそが平和と繁栄の礎であるとの点について一致をいたしました。世界で保護主義の動きが大きくなっていく中で、日欧が米国とともに協力して自由貿易の旗を高く掲げ続けなければなりません。この観点から日EU・EPA交渉の妥結は世界に対して発する象徴的なメッセージとなり、極めて重要であります。日EU・EPAの早期の大枠合意に向け引き続き連携していくことを確認いたしました。

 東アジアと欧州における一方的な現状変更の試みは、国際秩序を揺るがす大問題であるとの認識を改めて共有しました。特に北朝鮮の核・ミサイル開発については私がこれが新たな段階の脅威であることを詳しく説明し、そのような認識で一致しました。米国による北朝鮮政策の見直しも踏まえ、安保理決議の厳格な履行を確保すべく日独でも連携していくことで一致をいたしました。拉致問題についても日EUで協同して国連人権理事会に決議案を提出してきているところであり、今後も拉致問題解決のために共に協力していくことで完全に一致したことを心強く思います。

 国際秩序に対する挑戦に直面する中にあって、日本も欧州も一層強く結束する必要があります。これに米国を加えて、日米欧が従来以上に連携強化を図ることが極めて重要であるとの認識をメルケル首相と共有しました。

 この関連で、本年5月にイタリアで開催されるG7サミットでは、共通の価値に基づくG7が結束して、国際社会の諸課題に取り組むことができるよう、私はアンゲラ始めG7各国首脳と協力をしてまいります。

 7月にはハンブルクでメルケル首相が議長を務めるG20サミットが開催されます。G7で行う議論をG20サミットの成功につなげていきたいと思います。ドイツのG20サミットの成功のために日本はあらゆる協力を惜しみません。今後も、欧州、そして世界をリードするメルケル首相と手を携えながら国際社会の平和と繁栄の維持・発展に向けて、その責任を担う日独の連携を一層力強く進めていく考えであります。