データベース「世界と日本」(代表:田中明彦)
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 宮城県及び岩手県訪問等についての会見

[場所] 
[年月日] 2020年12月10日 
[出典] 首相官邸
[備考] 
[全文]

(宮城県及び岩手県訪問、また後期高齢者の医療負担について)

 本日は、総理大臣就任後に初めて宮城県と岩手県を訪問いたしました。

 石巻南浜津波復興祈念公園の建設現場、そして、陸前高田市の高田松原津波復興祈念公園でそれぞれ献花、黙とうを捧(ささ)げました。

 東日本大震災で失われた多くの尊い命と被災された全ての方々に思いを致し、被災地の復興、東北の発展に全力で取り組んでいく、そういう決意を新たにしたところであります。加えて、津波により大きな被害のあった東松島市、石巻市、陸前高田市、宮古市の4市において、各市長や岩手県知事から復興の進捗状況についてもお話を伺いました。奥松島の観光拠点となる施設、地域の活力を生みだす商業施設、人々の命と暮らしを守るこの防潮堤、さらに、津波の記憶を後世に伝える施設、こうしたものを視察いたしました。地震、津波被災地域においては、多くの関係者の皆さんの大変な御努力によって、その復興が大きく進展している、このことを感じ取ることができました。東日本大震災の発災から10年を間近に控えて、復興の総仕上げの段階になってきている、そして、これから残された課題に対しては、内閣として全力で応援していきたい、そのように感じました。

 また、昨日、公明党山口代表と二人で会談いたしました。そして、後期高齢者の2割負担について、年収200万円をめどに大枠で合意し、今日、両党の政調会長また厚生労働大臣で、詳細については詰めの作業を行うということにしております。そして22年、再来年には、団塊の世代が後期高齢者になります。社会保障、我が国の将来を考えたときに、高齢者、若者、互いに支え合っていくことが極めて大事だということで意見が一致いたしまして、そうした結果として、大枠、冒頭申し上げた数字で合意したということであります。

(震災から10年以降の被災地復興の取組について)

 これまでの取組によって、地震また被災した地域において、住宅の再建とインフラ整備、こうしたものは順調に行われてきている、そういう御説明をそれぞれの今日視察した所で受けました。また本日、この宮古で防潮堤の状況を今視察させていただいて、一度、私、総務大臣のとき、ちょうど視察させていただきました。そうしたことを、当時のことを思って、あの高い防潮堤を越えて津波が来る、そして今ここで、現実にビデオで当時の様子を見させていただいて、よくここまで復興されたなという思いと、またお亡くなりになられた皆さん、被害に遭われた皆さんに思いを寄せるときに、本当に大変つらい思いをさせている。政府としては、こうした復興のためにも、全力で取り組んでいかなければならない、そうした思いを新たにしたところであります。正に、この東日本大震災、『東北の復興なくして日本の再生なし』、そういう思いの中でこれからもしっかり被災地支援というものをしていきたいと思いますし、これからは、こうしたハードではなくてソフト、心の問題、こうしたことにも政府としてはしっかり応援させていただきたい、そのように思いました。

(福島の処理水の対応方針について)

 それは、極めて重要なことであり、いつまでも先送りすることはできないという考えは持っております。