[文書名] 新型コロナウイルス感染症に関する菅内閣総理大臣記者会見
【菅総理冒頭発言】
先ほど新型コロナ対策本部を開催し、埼玉県、千葉県、神奈川県、大阪府に緊急事態宣言を発出するとともに、北海道、石川県、京都府、兵庫県、福岡県にまん延防止等重点措置を実施し、期間はそれぞれ8月2日から8月31日までとすること、東京都、沖縄県の緊急事態宣言を8月31日まで延長することを決定いたしました。
全国の新規感染者数は増加を続けています。昨日の全国の感染者は1万人を超え、本日の東京の感染者数は3,300人に上っております。首都圏、関西圏を始め、多くの地域で増加傾向が続き、これまでに経験したことのないスピードで感染が拡大をいたしております。
大きな要因として指摘されるのが、変異株の中でも世界的に猛威を振るっているデルタ株です。4月の感染拡大の要因となったアルファ株よりも1.5倍ほど感染力が高く、東京では感染者に占める割合は7割を超えている、このように言われております。全国的にデルタ株への置き換わりが急速に進むにつれ、更に感染の拡大が進むことが懸念されます。
一方で、足元の感染者の状況を見ますと、既に高齢者の73パーセントが2回の接種を完了する中で、これまでの感染拡大期とは明らかに異なる特徴が見られております。東京における65歳以上の新規感染者の数は、感染が急拡大する中にあっても、本日も82人にとどまり、その割合は4月までの20パーセント台から、今では2パーセント台に低下しております。これに伴い、重症者の数の増加にも一定の抑制が見られて、東京では人工呼吸器が必要な重症者の数は、1月と比較しても半分程度にとどまり、そのための病床の利用率も2割程度に抑えられております。また、死亡者の数も1月の水準と比較し、大幅に低い水準にとどまっています。
このように、ワクチン接種の効果が顕著に表れておりますが、それでもなお強く憂慮すべきことがあります。1つは、若い世代での感染が急拡大をいたしていることであります。東京では30代以下の感染者の割合が7割に達し、中でも20代の感染者が連日1,000人を超えています。そして40代、50代の重症者が増加傾向にあり、1月と比較しても1.5倍という水準となっております。このまま感染者の増加が止まらなければ、重症者数も更に増加し、病床がひっ迫するおそれがあります。また、新規感染者数の急増に伴い、保健所による入院の調整に大きな負担が掛かり、自宅で待機する方も増えているのが現状です。
こうした状況を勘案し、私は、ワクチン接種を進めながら、各地域でしっかりした対策を講じ、病床のひっ迫を招かないように、緊急事態宣言、まん延防止等重点措置のそれぞれの地域を拡大し、期限を延長する判断をいたしました。
これまでに経験のない、新しい感染症との闘いのため、国民の皆さんには1年半にわたり対策に御協力いただいておりますことに、心より感謝を申し上げます。
一方で、自粛の期間が長期化する中で、自粛疲れの広がりが懸念されております。特に若い世代の方々からは、コロナは怖い病気ではない、こうした声も聞かれます。感染対策よりも通常の生活や楽しみを優先させたいという気持ちもあると思います。しかし、御理解いただきたいのは、デルタ株の出現によってこれまでとは変わり、若い世代の方々であっても重症化リスクが高まっており、感染後の重い後遺症に苦しんでいらっしゃる方がいるということであります。
再三にわたる皆様へのお願いですが、大変に心苦しい思いで、ワクチン接種が更なる効果を発揮するまでの今しばらくの間、お一人お一人が高い警戒感を持って、感染予防を徹底し、慎重な行動を採るようにお願いいたします。
デルタ株であっても感染対策の肝は、マスクを外した会話の機会が多くなる飲食です。そして飲食の場における感染が職場や家庭などにおいて広がっているという現実があります。マスクの着用、手洗い、3密の回避という基本的な防止対策を徹底して、とりわけ会話をするときにマスクの着用を改めてお願いいたします。
飲食店に対しては長きにわたり御迷惑をお掛けしてきております。協力金を早期に支払うこととし、併せてこれまでの協力金を簡素な審査で速やかに支給するなど、要請に協力していただける環境の整備に努めてまいります。同時に、今後、各都道府県において飲食店への見回りを拡大し、対策の実効性を高めてまいります。
夏休みが続き、お盆の時期を迎えますが、不要不急の外出や、移動の自粛をお願いします。外出が必要な場合にも、極力、家族やふだんの仲間と少人数で行うことや、帰省など避けられない都道府県の移動であっても、感染防止策の徹底や、必ず検査を受けるなど、極力慎重に対応していただきたいと思います。また、路上の飲み会、ふだん会わない人との会食や、大人数や長時間での飲食は控えるようにお願いします。
オリンピックが始まっても、交通規制やテレワーク、さらには皆さんの御協力によって東京の歓楽街の人流は減少傾向にあります。更に人流を減らすことができるよう、今後も御自宅でテレビなどを通じて声援を送っていただくことをお願いいたします。
新型コロナとの闘いのゴールは、国民の命と健康を守ることであり、そのために必要なことは、地域で機能する医療体制を維持していくことです。そして切り札であるワクチンの接種と効果的な治療薬により、病院に大きな負荷を与える重症化を防ぐことです。こうした考え方の下に、本年2月に医療従事者への接種を開始し、4月からは65歳以上の高齢者への接種を進めるなど、戦略的なスケジュールで接種を進めてきました。
幸いなことに、全国の多くの方々の協力を得て、自治体・医療機関での接種は1日130万回、企業・大学での接種は1日20万回と、予想を上回るペースで進んでいます。この結果、これまでの接種回数は、企業・大学での接種と合わせ9,000万回に近づき、今月末には高齢者の8割近くが2回の接種を終える見込みであります。病院におけるクラスターの発生を防ぎ、高齢者への接種にめどがついた今、今後は重症化リスクが次に高い40代、50代の方々、そして感染が大きく広がっている若い世代へのワクチン接種に注力してまいります。
全国の自治体には、先々の配分量を速やかにお示しすることにより、計画的な接種を進めることができるように努めてまいります。そして本日、40代以上の方に接種が可能となるアストラゼネカ製のワクチンが承認されました。政府において200万回分が既に確保されており、希望する自治体などに速やかに提供してまいります。
こうした中で、8月下旬には、2回の接種を終えた方の割合が全ての国民の4割を超えるよう取り組み、新たな日常を取り戻すよう全力を尽くしてまいります。さらに、ワクチンに関する正しい情報の発信に努めてまいります。若い世代の方々にも、自らの健康を守るため、そして、大切な家族や友人を守るため、是非ともワクチン接種に御協力いただけるようにお願い申し上げます。
治療薬についても、大きな進展があります。これまで軽症者や中等症者には効果的な治療薬がありませんでしたが、こうした方の重症化リスクを7割減らす画期的な治療薬が今月19日に承認されました。既に使用を希望する全国の2,000を超える医療機関が登録されており、要請に応じて順次配送してまいります。政府として、この中和抗体薬の十分な量を確保しており、50代以上の患者に加え、基礎疾患のある方に積極的に供給し、重症化を抑えてまいります。
また、様々な検査手法を活用し、具合が悪くなった方が身近な場所で気楽に検査ができる体制を整備してまいります。
宣言の出口については、ワクチンの接種状況と併せ、重症者や病床利用率など、医療提供体制への負荷に着目した具体的な分析を進め、適切に判断してまいります。その上で、社会経済活動の制限の緩和に向けた道筋を示してまいります。
8月末までの間、今回の宣言が最後となるような覚悟で、政府を挙げて全力で対策を講じてまいります。国民の皆さんの御理解と御協力を心からお願い申し上げます。
【質疑応答】
(内閣広報官)
それでは、これから皆様より御質問を頂きます。
尾身会長におかれましては、所定の位置にお進みください。御質問の内容によりまして、尾身会長にも御説明を頂きます。
指名を受けられました方は、お近くのスタンドマイクにお進みいただきまして、社名とお名前を明らかにしていただいた上で、1問ずつ御質問をお願いいたします。
まず、幹事社から御質問を頂きます。
北海道新聞、佐藤さん、どうぞ。
(記者)
北海道新聞の佐藤です。
総理は、東京への緊急事態宣言を表明した8日、先手先手で予防的措置を講ずると述べましたが、逆に感染者は過去最多を記録しました。このような事態になった理由と、自らの責任についてお伺いします。
オリンピックが開催される中で、総理の自粛を求めるメッセージは乏しく、発信をしてもワクチンが効果を上げているとの内容ばかりであることが国民の危機感の欠如につながっているのではないでしょうか。感染の波をどのような手立てでいつまでに収束させるのかと併せてお伺いします。
最後に、総理は国民の命と健康を守ることがオリンピック開催の前提と発言されましたが、現在、国民の命と健康は守られていますか。オリンピック・パラリンピックをこのまま予定どおり開催しますか。お伺いします。
(菅総理)
まず、東京の感染者数の増加の要因として指摘されるのは、デルタ株の急速な広がりです。今、従来のアルファ株よりも1.5倍感染力が高く、東京のデルタ株は7割に達している、このように言われています。さらに、専門家からは、夜間の繁華街の人出の低下が不十分である、こうした御指摘もいただいています。時間短縮に御協力いただいた飲食店に対する協力金の早い支給に加えて、各都道府県により、飲食店の見回り、こうしたことも徹底させていただきます。
私から国民の皆様には、先ほども申し上げましたけれども、ワクチン接種こそが正に決め手であり、総力を挙げて接種を進めていく、その必要があるというふうに考えております。
また、オリンピックでありますけれども、今、東京への交通規制、首都高の1,000円の引上げ、こうしたことや、あるいは東京湾への貨物船の入港を抑制するだとか、いろいろな対応、テレワークもそうでありますけれども、そうした対応によって人流が減少しているということは事実であると思います。更に抑制をするために、オリンピック・パラリンピックを御自宅でテレビ観戦していただけるような、そうした要請もしっかり行っていきたい、このように思っております。そうした中で感染拡大というものを防いでいきたい、このように思います。
また、感染状況の分析、今後の対応について、ちょっと尾身先生からもと思います。
(尾身会長)
今後の感染状況は、私は、これから、今日、また緊急事態宣言がこういう形で決定されたわけですけれど、この今の非常に急激な感染拡大に対して、日本の社会がどのように対応するのか、立ち向かうのかということが、今、非常に、私は最も今までの中で重要な危機に直面しておりますので、そうした今の状況に、どう、我々国民、社会全体が立ち向かうかということでこれからの推移は決まってくると思います。
そういう中で、これが、うまく、社会、国民が一丸になって、この今の危機を乗り越えれば、日々ワクチンの接種率が向上しているので、これを乗り越えれば、もうしばらく頑張れば、みんなが今よりももう少し経済社会活動を自由に再開できるということが、見通しが出てきておりますので、ただ、今は、比喩的に言えば、火事が燃え盛りつつあるので、この火事を何とか早く下火にするということが、今、集中してやるべきで、それを乗り越えれば、私は光が少しずつ見えてくると思います。
(内閣広報官)
続きまして、幹事社、フジテレビ、杉山さん、どうぞ。
(記者)
フジテレビの杉山です。
総理にお伺いします。
菅総理は、これまで緊急事態宣言で大きな成果を上げてきたのが酒類の停止だとおっしゃってきました。一方で、東京都内で数1,000件に上る飲食店が時短などの要請に応じていない現状をどのように受け止めているのでしょうか。
また、菅総理は、先日、東京オリンピックを中止しない理由として、人流も減っていると述べましたが、その認識は今も変わりないでしょうか。ワクチン接種も進み、人流が減っているのであれば、首都圏でここまで感染が急拡大することはないのではないかという指摘もありますが、見解をお聞かせください。
(菅総理)
まず、飲食店による感染リスクを減少させることは感染の肝だということを、私は申し上げています。このことは、専門家の委員の皆様からもそこが指摘をされているということも事実です。そして、今は家庭での感染が一番多くなっています。それは、そうした外から感染して、家族にうつす方が一番多いということです。さらに、職場での感染が2番目になっています。そうしたことからしても、やはりここはしっかり対応しなければならないというふうに思います。
そして、政府、東京都ですかね。東京であれば東京都、神奈川であれば神奈川県、そういう自治体から協力を要請したところに、やはり協力していただける方に対して、協力するというような環境を政府はつくる必要があるというふうに思っています。やはり協力金を事前にお支払いさせていただくとか、あるいは、協力の申請に、非常に複雑だとか、時間が掛かる、そうしたことがないような対応をすることに努めていきたいというふうに思います。
オリンピック・パラリンピックでありますけれども、これについては、例えば開催するに当たり、IOC(国際オリンピック委員会)に対して、従来、18万人ぐらいの方が日本に選手や関係者で来る予定でしたけれども、それを3分の1にお願いさせていただいたり、私も現場に行きましたけれども、羽田、成田の入国時に、やはり日本国民と接触することがないようにとか、そうしたことをしっかり対応しておりますので、今、その原因にはなっていないというふうに思っています。
ただ、これ、是非オリンピック・パラリンピックを御自宅のテレビで御覧になっていただいて声援を送っていただければ、視聴率も今非常に高いようですから、御自宅で御覧になっている方が多分たくさんいらっしゃるのだろうというふうに思います。
それと、この大会を無観客にして大会を開催させていただきます。そうした点から私、申し上げたところであります。
(内閣広報官)
それでは、幹事社以外の方からここからは御質問を頂きたいと思います。
御質問を希望される方は挙手をお願いいたします。こちらで指名させていただきますので、マイクにお進みください。
それでは、日経新聞、重田さん、どうぞ。
(記者)
日本経済新聞の重田と申します。よろしくお願いします。
ワクチンについてお伺いしたいのですけれども、総理は先ほど8月の末までに国民の4割を超える人の2回接種を終えるという目標に触れられました。この具体的な接種の進め方に関してなのですが、重症化リスクのある40~50代を優先的に接種すべきだという考え方と、新規感染者の大半を占める20~30代の接種を急ぐべきだという2つの考え方があると思います。効果的に感染を防止する上で、どういった方針で今後臨まれるお考えでしょうか。よろしくお願いします。
(菅総理)
まず、全ての希望者の皆さんにできるだけ早く接種を進めていくというのは、これは政府の基本的な考え方です。その中で重症化リスクの高い高齢者については7月一杯で目標を達成することができたと思っています。
それで、現在問題になっているのは40代、50代の人に感染者数が大幅に伸びていると同時に、若い人が大幅に伸びている。そういう中で、例えば職域接種、こうしたことについては40~50代の人というのはやはり一番多いのではないかなというふうに思います。また、若者対策として大学での接種もこれは始まっています。そうしたことをトータル的に考えて対応していくことが大事だと思います。
また、先ほど申し上げましたけれども、アストラゼネカ、約200万回分、ここは確保して、これから接種できるようになりますので、そうしたことについても様々な対策を講じていくということが大事かなというふうに思っています。
(内閣広報官)
それでは、神戸新聞、永見さん、どうぞ。
(記者)
神戸新聞の永見と申します。よろしくお願いします。
総理にお聞きします。この春の第4波では、兵庫や大阪では病床のひっ迫が極めて深刻となり、病院に入れないままに自宅療養中に亡くなる事例も相次ぎました。今回の感染拡大では、重症者が比較的抑制されているとはいっても、首都圏や関西などで医療崩壊のおそれが専門家などから指摘されています。どう対応されるお考えかお聞かせください。
それから、先ほど感染再拡大を招いた責任についてお答えになっていないと思いますので、それも併せてお願いいたします。
(菅総理)
責任については、今、発生しているこの波をできるだけ早く収める、そのことが一番の私の今の責任だというふうに思っています。
それで、先ほどの冒頭の質問でありますけれども、まず国民の命と健康を守るというのが、これは政府の役割であります。そのために必要な方に必要な医療を提供するというのが、それが基本であります。そういう中で、今、神戸、大阪等の話がありました。本年初めのこの感染拡大したときの反省に立って、各都道府県においては、大幅な病床確保だとか病床間の連携、こうしたものを行っているところです。
例えば東京では、4月以降に新たに1,300床の病床を確保しております。また、先ほど申し上げましたけれども、重症化のリスクを約7割減らすというこの軽症者や中等症者に対する初めての画期的な治療薬ができました、承認されましたので、これを積極的に活用して、国民の皆様の命というものは守っていきたいというふうに思います。
そして何よりもこのデルタ株、これに対しても高い効果を示しています、ワクチン接種ですね。そうしたことを進めていくというのが極めて大事なことだというふうに思っています。
(内閣広報官)
それでは、フリーランス、江川さん、どうぞ。
(記者)
フリーランスの江川紹子です。よろしくお願いします。
ワクチンについてはですね、菅首相、常に具体的な目標を明確にしてですね、進めてこられていると思います。ただ、当面はワクチンが行き渡るまでは人の接触や移動の機会を減らしていくしかないわけで、先ほど更に人流を減らすようにということもおっしゃいましたが、それに関しては具体的な目標と、それから、それを実現するための方法というものが示されていません。具体的には、どれぐらいの人を減らす、あるいは人と人との接触の機会を減らすということが目標としてあるのか、そして、そのためには具体的に何をしていくのかということです。先ほどテレビ観戦を勧められましたけれども、それだけでその目標が到達できるのかということをお伺いしたいと思います。
尾身先生にも同じことをお聞きしたいと思います。お願いします。
(菅総理)
これ、東京大会の開催が決定してから、東京都内における、これは東京都内が圧倒的にオリンピックの会場もありますから、そういう中で東京に集中する人流を防ぐための対策というのは当時から考えて行ってきています。それが車の乗り入れ3割減だとか、あるいはテレワークによってたしか6割ぐらいだったと思いますけれども減をするとか、それは東京都と連携して、そうしたことを対応してきているということも、これは事実であります。
そして、無観客でなく一定数観客を入れてのときでも30万は首都圏の人流を少なくする、そうした対策を練っていましたので、そうしたものに基づいて今、行っているということであります。
(記者)
具体的な目標は、今の目標は。
(菅総理)
ですから、大会に集中する人のそれよりも少なくするということです。ですから、そこはできていると思っています。
(内閣広報官)
自席からの御発言はお控えください。
(尾身会長)
今、ワクチンのことですよね。
(記者)
まず、人流をどれぐらい減らすか。
(尾身会長)
人流の話ですか。私は、今、いろいろな課題がありますけれども、1つの課題、重要な課題の1つは、人々がコロナ慣れ、緊急事態宣言慣れ、それからデルタ株のこともあるし、夏休みがあり、お盆があり、4連休があり、オリンピックがあるということで、なかなか危機感が伝わりにくい状況があると思いますね。
実は感染がどのようにして起こるのかということは、もうかなりエビデンスが出ていると思います。それは飲食だけじゃなくて、人々がふだん家族に会っている人と会って感染するということではなく、ふだん会わない人と大人数、しかも長時間ということで感染のリスクが高まるということが分かっているわけですよね。このことが実は分かっているのだけれども、必ずしも社会の隅々まで実行されていないことが、今の私は感染拡大の1つの理由、原因の1つだと思います。
したがって、もうこれは他の諸外国でも、接触の機会をなるべく減らすために、欧米ではロックダウンということをやっているわけですよね。ところが、日本は法的な、いろいろな環境の中で、法律で縛るというわけにはいかないですよね。そういう中で、私は今、求められるのは、ともかく全く外出を禁止するということはできませんよね。私も今日、ここに来ているわけですよね。そういう意味で、どうしても外出をする必要があることはありますよね。そういうときには、なるべくもう感染が起こるリスクの高いところが分かっているわけですね。それは人数というものがものすごく、しかも、今まで会っていない、これはあるところのシミュレーションで分かってきたことです。例えば1つ分かりやすいことを言えば、課内でいつも知っている人といつも会っている人、感染していなければ。ところが、それを課を超えて次の課に行き、部に行き、それで会社全体に行き、さらに他の会社に行くということになると、感染のリスクが高まることがもうある程度分かっているわけですね。
そういうことで、私は今回、人々になるべくそうした感染のリスクを減るためには、なるべく、これははっきり5人とか2人とかということは各都道府県で決めていただければいいと思う。これは今、欧米あるいは諸外国は10人以下という、これは最低のスタンダードですね。さらに2人にするというのは、各都道府県に決めていただきたいと思いますけれども、ともかく今、国民の間で複雑な心境になっていますから。気持ちになっているので、そうした国民の複雑な心情に寄り添った発信の仕方というのが求められていて、そういう中で結果的にそういう感染のリスクの高い、もう場所と状況が分かっているわけです。このことについては、なるべく多くの人に、そのことをすれば必ず感染は減少傾向に行きます、これは分かっているのだけれども、それが必ずしも十分にできていないというのが今の現状ですので、この期間は、今、感染がどんどん拡大しているわけです。
このことは十分、皆さんに、もうこれは政府、自治体、これは一般市民、それからジャーナリズムの方もこのことを十分認識しないと、私はこれはなかなか感染を下火に、今、することはできないと思うので、この行動変容、人々の。もう嫌ですよね、嫌だけど、今もう感染がどんどん行っちゃっていますから、今申し上げたように、感染がどこで起こるかということはもう何度も分かっているわけで、それをみんなが協力してやれば必ず感染は下火になりますからということで、是非、人数については、ふだん会わない人たちと会うということはなるべく控えていただきたいということ。ほかに県を越えてというのは幾つかありますけれども、私はそういう人数というのが極めて重要だと思います。
(内閣広報官)
それでは、次の方、テレビ朝日の山本さん、どうぞ。
(記者)
テレビ朝日の山本です。よろしくお願いします。
総理にお伺いしますが、欧米では、新規感染者数が日本より多くても、重症者あるいは亡くなる方の数が抑えられているので、様々な規制が解除されているという動きがあります。ワクチン接種が進んでいるということもあるかと思いますが、日本においても政府内には同様の傾向が見られていて、これまでの状況とは全く違うという見方をする関係者は少なくありません。
そうであるならば、今後、緊急事態宣言の発出など、様々な規制の基準にも関わってくると思いますし、その前提として、社会全体の意識を大きく変える必要が出てくることになります。総理として、これまでの主に新規感染者数を基準とした政策から、今後方針転換をするお考えはありますでしょうか。そうであるならば、いつ、どのようなタイミングでそのメッセージを発するつもりなのでしょうか。よろしくお願いします。
(菅総理)
まず、新型コロナ対策のゴールというのは、国民の命と健康を守る、そのことであり、医療に負荷を与える重症化予防、この方針というのは大事だというふうに思います。そういう中で、やはり地域の医療体制をしっかりと守っていくということです。
今、お話がありましたけれども、ワクチンの接種が進んできて、特に65歳以上については間違いなく効くということが明らかになったわけでありますから、そうしたワクチンの接種を踏まえて、先ほど申し上げましたけれども、宣言期間である8月一杯の中で、まずワクチンの進み具合。4割、2回接種をしている。さらに、重症化病床の利用率、そして医療提供体制の負荷。そうしたことに着目して、具体的な分析を行った上で、地域における医療体制の状況などを判断して、その出口というのは分かりやすく考えていく、そういう必要があるだろうというふうに思っています。
(内閣広報官)
それでは、時事通信の大塚さん、どうぞ。
(記者)
時事通信の大塚です。
総理と尾身会長にお伺いします。尾身会長が先ほど言及されましたロックダウンですが、欧米では行われていますが、日本ではできません。今日の分科会でもロックダウンに関する議論があったと伺いました。総理は、このロックダウンを可能にする法整備の必要性について検討されるお考えはありますでしょうか。尾身会長の見解もお願いします。
(菅総理)
まず、ヨーロッパを始め、ロックダウンして外出禁止のところで出れば罰金とか、そうしたところでこの感染対策をやってきても、ロックダウンしても、落ちてまた上がってきて、なかなか出口が見えなかったと思います。そして、結果的にやはりワクチンだったと思います。ですから、日本においてロックダウンという手法というのですか、そうしたことはなじまない、私はこのように思っています。
それで、飲食に重点を与えての対策だとか、そういう対策で日本はやってきたのですけれども、今、ワクチンが明確に効くというのは日本でも結果が出ていますから、一日も早く、一人でも多くの方に接種できるような、そういう体制をしっかり組んでいきたい。ここが一番大事だと思っています。
(尾身会長)
ロックダウンの話ですけれども、もうこれは皆さん御承知のように、日本の場合には欧米に比べて最も柔らかい方法でやってきて、いろいろな緊急事態宣言を何度か出さなきゃいけないということにはなりましたけれども、それでも何とかここまで、いわゆる法的な強い拘束力を持たないでここまでやってきたというのが日本の大きな特徴だと思います。
そういう中で、今、ワクチンというのがまだ残念ながら若い年齢層にはこれからですよね。今この一番大事なときに、残念ながらそこは行っていないわけですけれども、しかし、ワクチンがだんだんと接種率が上がって若い人にも届くということ。
それから、ワクチンだけでは全てやるというわけにはいかないので、ワクチンとともに、私は、先ほど総理も言及されていたと思いますけれども、やはり今、検査ということが多くの国民の人の関心事でずっとありましたよね。私は、もうそろそろ検査のキャパシティーもかなり増えてきましたから、これはPCR検査も抗原の定性検査も、その他の検査も、これはもう去年に比べ、圧倒的にキャパシティーが増えてきましたので、ここに来ると、もう今、ちょっとでも具合の悪い人がいれば、あるいは感染の心配のある人は、職場であろうが学校であろうが地域であろうが、これについて、どこでも気楽に検査ができるという体制を国、自治体がその気になればできるはずなのです。これを一生懸命、是非やっていただきたいというのが我々の望みであります。それから、医療提供体制にも一生懸命頑張っている。それで、今、国民、社会全体が危機感を持てば、今の山も何とか歯止めを掛けるということができると思うので、私はそれに全力を今、注入すべきだと思っています。
もちろん、理屈の上では、このことが今回も一生懸命やって、ワクチンも一生懸命どんどんいって、それでもということで、ロックダウンというよりも強い法的な規制を、今までの場合は、日本の場合は一般市民に対してはお願いベースですよね。強い対策を打っていたのは飲食店だけです、基本的には。やや大ざっぱに言うと。そういうことでいいのか、あるいは一般の市民にも多少の協力をしてもらえるような法的な整備をするかどうかというのは、当然議論が今でもあると思います。けれども、それは今回の、私は最大の危機だと思います、この危機が、これだけ全て、ワクチンをやっても検査をやっても医療体制をしっかりやっても、それから自治体と政府が一体になったワンボイスのメッセージを出しても、それでも駄目だということも理論的にありますよね。そうなると、これは全ての手を使ったわけですよね、それでもできなくなった場合には、人々の行動、つまり飲食店だけではなくて、人々の行動にちょっとだけ、今よりは、これをロックダウンでも規制して、強いというよりも、ちょっとそういう制限というかお願いをするということは、議論は当然あり得ると思う。今日、そういう議論も分科会で出ました。そういうことも考えておくことは必要だと思いますけれども、それはそういうことで、私は、今は、火事が起きているので、全力でやって火事を消すことは、私は可能であるので、ただ、そうでない場合には、いろいろなオプションは当然、検討はするのであろうとは思います。
(内閣広報官)
それでは、Bloombergの延広さん、どうぞ。
(記者)
Bloombergの延広と申します。
内政同様に重要な外交面について、台湾をめぐってお尋ねいたします。4月の日米首脳会談以降、防衛白書への記載や、そのほか閣僚や議員からも発言があり、日本側からの言及が相次いでいます。日本は台湾情勢に今後どのように関わっていかれるのか、また、有事が起きないためにどのようなことができるのか。台湾とは半導体での連携も期待されるところですが、今後どのような協力をお考えでしょうか。
(菅総理)
我が国としては、台湾をめぐるこの日中の関係ですけれども、両岸当事者間で直接の対話によって平和裏に解決してほしい。これが日本の基本的立場であり、一貫しています。さらに、日米首脳会談あるいはG7の会談でも、台湾問題についてはこのような方向が示されたということも御存じかと思います。
そういう中で、この台湾環境全体の平和と安定の重要性と、先ほど申し上げましたように両岸の平和的解決、これが我が国の従来の立場であり、このことについて、関係国として米国、G7のそれぞれの国との中で立場が明確に、今回なってきたというふうに思います。
我が国と台湾の関係については、申し上げましたように、この非政府間の実務関係として維持していくというその基本方針に変わりはありません。また、我が国の国益を守って、そして日米同盟の抑止力、さらにはASEAN(東南アジア諸国連合)の同志国、こうした国々と連携をしながら対応していくという、こうしたことも大事なことかなというふうに思っています。
(内閣広報官)
それでは、読売新聞の黒見さん、どうぞ。
(記者)
読売新聞の黒見です。
衆議院解散総選挙の時期についてお伺いいたします。総理はかねて、感染状況が厳しいこともあって、感染対策にまずは全力を注ぐということをおっしゃられてきたと思うのですが、宣言期間中に入る来月中には総裁選の日程も固めていかないといけないと思います。お伺いしたいのですが、総理は党総裁任期中に解散をするというお考えに変わりはございませんでしょうか。
(菅総理)
まず私、これは何回も質問を受けていますけれども、私の答えはやはり新型コロナウイルス、この感染拡大を阻止していく、それが今、内閣にとっての最優先の課題だというふうに思っています。そのことには変わりありません。ワクチン接種を含めて、徹底して対策を行っていく。とはいえ任期もあります。そうしたことを踏まえながら、そこは全体として検討していきたい。それが私の今の立場であります。
(内閣広報官)
それでは、中国新聞の下久保さん、どうぞ。
(記者)
中国新聞の下久保です。よろしくお願いします。
総理にお尋ねしたいのは、新型コロナウイルスの影響下にある地方間の移動です。8月6日に広島原爆の日、8月9日に長崎原爆の日があります。これは歴代総理が出席され、参列され、平和への誓いを述べられ、また、被爆者の方とも交流してきました。今回、総理がこの式典に参列されるのか、また、参列されるに当たっては多数の随行員を連れていかれるのだと思うのですけれども、コロナウイルスの対策についてはどのようにお考えか。
また、広島においては、総理が先日、首相談話を出された「黒い雨」の政治決断について関心が集まっています。この点について1つお伺いしたいのが、関係者の高齢化を総理は政治決断の理由に挙げられましたが、この訴訟が提起された6年の間、多くの方も、関係者の方が亡くなっています。この政治決断がここまで延びたことについてやはり疑問があるのですが、このコロナ対策とこの政治決断に至るまでの経緯を教えてください。
(菅総理)
まず、長崎と広島で起きた惨禍、それによってもたらされた人々の苦悩を二度と繰り返してはならないという、正に唯一の被爆国日本の内閣総理大臣としてそのように思っております。こうした考え方から、東京が緊急事態宣言下ではありますけれども、現地の自治体からも式典への御案内を頂いています。日程が許す限り参加したい、このように思います。その際には当然、必要最小限の人数で行きたいと、こういうふうにしたいと思っています。
また、今回の判決については、私自身、官房長官のときにもこれについて相談を受けました。そうしたときからの思いもある中で、熟慮に熟慮を重ねた結果として、84名の原告の皆さんに対しては、正に被爆者援護法の理念に立ち返って、そこは救済を図るべきだという、そういう判断をさせていただきました。
そして、それと同時に、上告しないこととした判断をして、まずは高齢者と病気の方もいらっしゃるということですから、84人の方にはとにかくできる限り早く手帳をということを申し上げました。
それと、同じような事情の方に対して、この皆さんも同じような思いだろうというふうに思っています。そうした皆さんに対して、県と市にも直接お世話になりますから、国と県と市で、誠意を持って救済について検討することができるように、そうしたことを指示したところであります。
(内閣広報官)
それでは、文化放送の山本さん、どうぞ。
(記者)
文化放送の山本です。
総理に、まず国民へのメッセージと危機感の共有について伺いたいと思います。対策の効果を上げるために、尾身会長を始め専門家の方から、国民との危機感の共有が重要だと指摘されています。ただ、国民の間からは、オリンピックをやっているから大丈夫という声や、弊社の取材でも、ワクチンの接種が進んでいるからコロナに対する恐怖感が薄れてきたという、そういう声も上がっています。総理は今日もメッセージを出されましたが、国民と危機感を共有できる自信はありますでしょうか。国民との危機感を共有するために、総理自身、何が一番重要だとお考えになっているのでしょうか。
また、危機的状況が続く間、国民との危機感を共有するためにも、総理自身が毎日ぶら下がり会見などでメッセージを発信する、そういうお考えはありますでしょうか。
尾身会長にも、一丸となって立ち向かうために、また、国民と共有するために、具体的にどういうことをしていけばいいというふうにお考えでしょうか。
よろしくお願いいたします。
(菅総理)
まず、国民の皆さんに、現状を踏まえた中で、それぞれの立場で危機感を持っていただくことがものすごく大事なことだというふうに思います。
先ほど申し上げましたように、当初はこの新型コロナというのは、高齢者の方だけが注意すればいいというような、現実でも重症者も多かったものですから、そういうもの、コロナについては思いだったと思います。今、そうした方については、新規感染者もほとんど少なくなっていますから、そこで今、40代、50代、特に30代以下の若者が70パーセント、今、感染者を占めていますので、そうした人たちへのメッセージ、そこは極めて大事だというふうに思っています。
そういう中で、私自身、こうした対策を講じる際に、あるいはぶら下がりもかなりの頻度で行っているというふうに思っています。そうしたことをしっかり対応しながら、ここは国民の皆さんに、そうした危機感を持って対応していただけるようにしたいというふうに思っています。
それと、政府広報でもいろいろな立場で行ってきているのですけれども、やはりSNSとか、特に若い人向けというのはしっかり力を入れてやる必要があるというふうに思っています。
(尾身会長)
私の方は、今の御質問は、危機感の共有、どうしたらいいかという。これ、私の意見は、これは2つの側面があると思います。
1つは言葉ですね。言葉。これはメッセージということだと思いますけれども、今、多くの人は少し複雑な気持ちになっていると思います。片方では感染対策をしなくてはいけない、しかし、もうそろそろ社会活動したいというような、いろいろな複雑な気持ちがあるので、そうした複雑な気持ちに寄り添ったメッセージというのを、しかも政府と自治体と一体にやるという、これは言葉ですね。
しかし、言葉は必要であって十分ではないと思います。それを十分なものにするためには、やっぱりアクションです。実行というものがあって、私、前から申し上げたように、このような状況になると、言葉に加えて政府、自治体、国のリーダーですよね。これが今までも汗をかいていただいていますけれども、この局面には今まで以上に汗をかいているということで、実際には先ほど言ったワクチンのこと、検査のこと、医療体制の充実というようなことを、見本、実際に実行性を上げると。今までも上げてきましたけれども、例えば先ほど、私、検査のことを申し上げて、検査もいろいろなところで今やられるようになりましたね。しかし、まだこれを普及して、どこでもできるというとまだ距離があるので、そのことを政府一丸になってやるんだというそのアクションですね。言葉とアクションが一体になるということが私は非常に重要だと思います。
(内閣広報官)
それでは、大変恐縮でございますが、あと2問とさせていただきたいと思います。
それでは、TBS、後藤さん、どうぞ。
(記者)
TBSの後藤と申します。
総理と尾身会長、お二方にお尋ねします。このワクチンの情報発信なのですけれども、ワクチンが切り札ということで、総理も先ほど会見で具体的な数値目標を示されました。今後は40代、50代以下の方ということになると思うのですけれども、その中に当たっての心理的なバリアになるのが、やはりこの副反応に対しての認識だと思います。高熱が発せられるとか体が痛くなるケースというのが随所で散見されるのですけれども、こうした副反応に関して、今、政府はどういった認識、知見をお持ちなのかということをお願いします。具体的に科学的なデータ、エビデンスなども交えて説明をお願いしたいと思います。
よろしくお願いします。
(菅総理)
まず、ワクチンの副反応については、副反応の疑い事例などについて、定期的に政府としては専門家の皆さんに評価を頂いています。例えばファイザー社のワクチンでありますけれども、これまで1万8,000件の報告が行われておりますが、専門家が副反応と評価したものとしては、発熱あるいは接種部位の痛み、全身倦怠(けんたい)感、また頭痛などがあり、いずれにしてもワクチンの安全性に影響を与えるような重大な懸念ではないということが示されています。
一方で、ワクチン接種が進む中で、その効果というのは明らかになってきていますから、多くの方にワクチンを接種いただけるように、こうした副反応だとかその効果、そうしたことを、国民の皆さんに科学的な知見に基づいて情報公開をして接種をお願いできるような環境をつくるとか、そうしたことが大事だというふうに思います。
(尾身会長)
ワクチンの副反応ですけれども、実は今こういう時代ですから、インターネットを通していろいろな情報が流布されていて、中には必ずしも事実と異なるような情報も流れているということは、私は事実だと思います。
そういう中で、私、非常に重要なことは、ワクチンの効果というものがありますよね。いわゆる重症化予防だとか発症予防とか、こういうことはデータはありますので、これをしっかりと、普通の新聞とかテレビだけではなくてインターネットなんかにも通すということが必要です。
それから、副反応については、これはやはりオープンに情報提供して、結果的には多少の副反応はあるんだけれども、ワクチンを打つことの効果ですよね。これはもう先ほど総理もおっしゃっていたと思いますけれども、いわゆる後遺症、若い人でも重症化するし後遺症に悩むということを多分知らない方も多いと思うので、そういうことを、私は、今の時代ですから、単にこういう記者会見で言うだけじゃなくて、例えばインターネットなんかにいろいろな若い人あるいはワクチンに疑念を抱いている人もおられますよね。そういう人と一緒に話をしながら、対話をするということで、恐らく、気がつくところ、気づく、気づきのところもあると思うので、そういうことを繰り返し、いろいろな方がいろいろな場面でやるということが、今のインターネットの時代には非常に重要なんで、単に皆さん、テレビ、新聞と同時に、そういうところでの関係者ですね。ワクチンを信奉、ワクチンを信じている人、ワクチンに多少疑問を抱いている人、おられると思うので、そういう人との対話というものをこれから頻繁に、しかも、それは今の時代は会ってはできませんから、そういうインターネットを介してやったらいいんじゃないかと私は思います。
(内閣広報官)
それでは、JDWの高橋さん、どうぞ。こちらで最後の1問とさせていただきます。
(記者)
Janes Defence Weekly 東京特派員の高橋浩祐(こうすけ)と申します。
総理は、今日の会見でデルタ株の猛威やデルタ株の急速な広がりを、今の感染爆発というか急増の主な原因として挙げましたが、ただ、デルタ株は、この3月、4月にインドでもう垂直的に感染爆発したりとか、あと、ヨーロッパでも、オランダとか、イギリスもワクチン先進国なのにぐっと上がりましたよね。アジアでもインドネシアがぐっと垂直的にバーティカルに上がりましたよね。そういうのを分かっていたのに止められなかったと。デルタ株の猛威が原因じゃなくて、あまりにも甘いこのシミュレーションというか見通しの上で、このデルタ株を見くびっていたことが、一番、今回の感染爆発の背景にあるんじゃないでしょうか。そして、その甘い根拠なき楽観主義の下で、またオリンピックをこうやって開催していることが感染をまた引き起こしているのではないでしょうか。
それで、総理は先ほど、国民の命と健康を守る責任として、感染の波を止めることだとおっしゃいましたよね。もし、この感染の波、止められずに医療崩壊して、救うべき命が救えなくなったときに、総理、総理の職を辞職する覚悟はありますか。明確にお答えください。以上です。
(菅総理)
私はこの問題に対して、例えばインドであのような状況になったときに、水際、インドを始め関係国から日本に入国する方については水際対策というものも、通常の6日とかそれぐらい延長して、しっかりと入国した人についてはチェックする体制という水際対策というのはきちんとやっています。
そして、今、このオリンピックというのは、正に海外の選手の人と入ってくる方たちと完全にレーンを分けていますから、そこで一緒にならないようにしております。そうしたことでしっかりと対応させていただいているというふうに思っています。
(内閣広報官)
それでは。
(記者)
辞職の考えについては。その覚悟について教えてください。
(菅総理)
私がこの感染対策を自分の責任の下にしっかりと対応することが私の責任で、私はできると思っています。
(内閣広報官)
それでは、以上をもちまして終了させていただきたいと思います。
ただ今挙手いただいております皆様におかれましては、恐縮でございますが、1問をメールでお送りいただきたいと思います。後日、回答を総理より書面にてお返しさせていただくとともにホームページで公開させていただきます。どうぞ御理解と御協力をよろしくお願いいたします。
それでは、以上をもちまして、本日の記者会見を終了とさせていただきます。
御協力ありがとうございました。