データベース『世界と日本』(代表:田中明彦)
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 習中国国家主席及びモディ・インド首相との電話会談等についての会見(岸田内閣総理大臣)

[場所] 
[年月日] 2021年10月8日
[出典] 首相官邸
[備考] 
[全文] 

(習中国国家主席及びモディ・インド首相との電話会談について)

 まず本日16時30分から30分間、中国の習近平国家主席と電話会談を行いました。私の方からは両国間の懸案を率直に提起いたしました。その上で、こうした問題も含めて今後、対話を重ねていきたい旨、伝えました。また、習主席との間で北朝鮮を含め様々な共通の諸課題について協力していくことで一致いたしました。そして、こうした考えに立って私から国交正常化50周年に当たる来年を契機に建設的かつ安定的な日中関係を共に構築していかなければならない旨述べました。

 習主席からは、賛意と共に日中関係を発展させていくことへの意欲が示されました。日中両国の間には、隣国であるがゆえに様々な問題もありますが、主張すべきは当然しっかりと主張しながら本日の会談も踏まえ、今後とも習主席と率直に議論していきたいと考えています。

 もう1点、続けて17時15分から約25分間、インドのモディ首相と電話会談を行いました。日印関係を一層発展させるとともに、日米豪印なども活用しつつ自由で開かれたインド太平洋の具体化を共に進めていくことを確認いたしました。

 そしてもう一つ加えさせていただくならば、今週は着任してから、まず米国、オーストラリア、そして今日インド、すなわちクアッドの相手国全てと電話会談を行いました。そして、中国、ロシア、こうした首脳とも会談を行うことができました。大変よいかたちで首脳外交をスタートすることができたと振り返っています。来週も世界各国のリーダーと電話会談を積み重ねてまいります。そして、来たる選挙で国民の皆さんの信任を頂いたならば、私自身世界を飛び回って対面外交を積極的に展開していきたいと思っております。

(東京都の小池知事との面会について)

 小池知事とは総理になってからは初めてお会いいたしました。喫緊(きっきん)かつそして最優先の課題であります新型コロナへの対応について力を合わせていくことを確認いたしました。東京都を始め、自治体と緊密な連携の下に、病床、医療人材の確保、更にはワクチン接種など、安心確保のための取組を徹底してまいりたいと思っています。明日は早速都内の新型コロナ対応を行う病院を訪問する予定にしております。過酷な現場において、支えてくださっている医療従事者の皆さんの御意見を丁寧に伺った上で今後の対策に反映させていきたいと思っております。

(日中首脳会談について)

 尖閣(せんかく)をめぐる問題、更には香港、それから新疆(しんきょう)ウイグル、こうした問題について提起いたしました。

(具体的なやりとりについて)

 そういったことについて私として提起をし、意見交換を行った。以上です。

(中国のTPPの加盟申請について)

 今日はその話題は出ておりません。

(森友問題で赤木さんからお手紙が届いたかについて)

 届いております。読みました。しっかり受け止めさせていただきたいと思います。

(本人がもし総理とお会いすることを希望した場合について)

 今、現在は民事訴訟のプロセスの中にあります。ですから、このプロセスの中で、裁判所の訴訟指揮の下に、財務省として丁寧に対応するということについて、私からも財務省にしっかりと指示を出したということです。今、民事訴訟のプロセスの最中ですので、まずはそういった対応を財務省に指示をした、こういったところであります。

(対応の内容について)

 今言ったとおり、民事訴訟のプロセスですので、そのプロセスの中で、裁判所の訴訟指揮の下、財務省に丁寧に対応すること、そうした指示を出したということであります。

(今後の再調査の可能性について)

 今、現状、この手紙を拝見して、しっかりと受け止めさせていただきました。その上で、今、申し上げた対応をしたということであります。

(ばらまきと批判している記事について)

 そういった記事が出たということは承知をしております。ただ、中身は私自身、まだじっくり読んでおりませんので、しっかり読んで考えたいと思っています。

(習主席の国賓来日について)

 今日の電話会談の中では、やり取りはありません。私自身、それについては何も決まっていないと承知をしています。