[文書名] 岸田内閣総理大臣記者会見(2021年年10月14日)
【岸田総理冒頭発言】
本日、衆議院を解散いたしました。今後、19日に公示、31日に総選挙を行う予定です。選挙期間中も新型コロナ対応には遺漏がないよう、万全を期してまいります。
総理に就任した直後から、主要政策の具体化に向けて、政府を挙げて全速力で取り組んでまいりました。衆議院議員の任期は10月21日までです。解散総選挙を経て、一刻も早く衆議院の構成を確定し、主要政策の具体化に向けた作業を加速するとともに、新型コロナ対策、経済対策を講じていかなければなりません。そのために、国民一人一人が豊かで生き生きと生活できる社会を作り上げることができるのは誰なのか、どの政権なのか、国民の皆さんに選んでいただきたいと思います。
新型コロナへの対応、スピード感を持った取組をしています。今、感染状況は落ち着いています。ワクチン、検査、治療薬、これらの普及により、国民の皆さんが望む予防、発見から早期治療までの一連の流れを作ることができました。感染状況が落ち着いている今こそ、こうした流れを更に進めるとともに、最悪の事態を想定して、強力な新型コロナ対策を準備することが必要です。皆さんに安心していただけるよう、新型コロナ対応の全体像を発表する準備を国、都道府県を挙げて行っています。明日、その全体像に必ず盛り込み、そして実行する骨格を発表いたします。
まず、この夏の2倍程度の感染力にも対応可能な医療体制を作ってまいります。万が一それ以上感染が拡大することがあっても、国の責任において緊急的な病床を確保するなど、万全の備えをしてまいります。そのために、公的病院の新型コロナ専用病床化を進めます。また、新型コロナ病床として申告されていたにもかかわらず、実際には患者の受入れに使用されなかった、いわゆる幽霊病床について見える化し、感染拡大時の病床稼働率を8割超まで引き上げます。自宅、宿泊療養者の方々への即応体制も強化してまいります。3回目のワクチン接種を12月に開始するとともに、経口治療薬について年内実用化を目指します。日常生活の回復に向け、無料検査を拡大いたします。さらに、ワクチンと治療薬の安定供給を確保するため、国内での開発、生産への支援を経済対策に盛り込みます。
新型コロナとの闘いが2年に及ぼうとする中で、事業者の活動、国民の生活は傷んでいます。選挙後には速やかに総合的かつ大胆な経済対策を取りまとめる決意です。この中には、新型コロナにより様々な困難に直面した方々への支援を盛り込みます。非正規、子育て世帯などお困りの方々に面倒な申請を行わずとも給付を受けることができる、いわゆるプッシュ型の給付を行ってまいります。
新型コロナの影響を受けた事業者の方々には、地域、業種を問わず、3月までの事業継続の見通しが立つよう、昨年の持続化給付金並みの給付を事業規模に応じて行ってまいります。併せて、非正規の方々などの雇用を守るため、助成率を引き上げている雇用調整助成金の特例について、来年3月まで延長いたします。
新型コロナの影響により、米の価格が値崩れしています。15万トンの特別枠を設け、民間流通在庫の保管及び売買への支援を行うことで、当面、需給を安定化させます。
新型コロナの影響により、子供の貧困、孤独・孤立、シングルマザーの問題も深刻化しています。一昨日、大田区の子供食堂を訪問して、車座でお話をし、現場の実態をお伺いしました。困難を抱えている方々に向き合い、支えているNPO(特定非営利活動法人)への財政支援を拡充してまいります。政府備蓄米を子供食堂に無償提供いたします。併せて、コロナ後の経済社会活動を起動させる準備もしてまいります。
今後、消費を活性化させるため、経済対策において、その受け皿となる企業の事業再構築に対して徹底的に支援を行います。また、GoToトラベルなどの消費喚起策については、ワクチン接種証明と陰性証明を活用して、より安全安心を確保した制度に見直した上で、再開に向けた準備を整えてまいります。
新型コロナ対策と経済対策に万全を期した上で、コロナ後の新しい経済社会を作り上げていかなければなりません。コロナ後の新しい未来を切り拓いていけるのは誰なのか。国民の皆さんに御選択いただきたいと存じます。
岸田政権は、成長も分配も実現を目指してまいります。野党の言うように、分配を言うだけでは成長ができなくなり、分配するパイもなくなってしまいます。この誤りを二度と繰り返してはなりません。私は、民間の活力を最大限引き出し、国際競争に打ち勝つ産業や企業を生み出すことで、力強い成長を実現してまいります。
その際、単に市場や競争に任せるだけでは成長の果実は一部の国民にしか届きません。民と官がともに役割を果たすことで温かい改革を進め、成長の果実が国民お一人お一人に幅広く行き渡る、成長と分配の好循環を実現してまいります。そのために、新しい資本主義実現会議を創設いたします。私が議長、山際大臣が副議長となり、各界から第一人者に参画いただき、新しい資本主義のグランドデザインを描いていただきます。明日、具体的なメンバー、検討体制、検討項目を決定し、その内容をお知らせいたします。
また、新しい時代を開拓するためには、デジタル改革、規制改革、行政改革を一体的に進めていくことが重要であり、デジタル臨時行政調査会を立ち上げます。これら2つの会議では、従来の発想の枠を超えた、思い切った具体策を提案し、実現してまいります。科学技術の分野では、日本の抱える閉塞感を打破するため、経済対策に10兆円の大学ファンドの具体化を盛り込みます。大学側には、研究と経営の役割分担を求め、優れた若い研究者が研究に専念できる環境を作ってまいります。
最先端半導体の製造をほぼ独占する台湾企業の日本進出が本日発表されました。これにより、我が国の半導体産業の不可欠性と自律性が向上し、経済安全保障に大きく寄与することが期待されます。TSMC(台湾積体電路製造)の総額1兆円規模の大型民間投資などへの支援についても経済対策に盛り込んでまいります。
そして、何よりも大切なのは地方です。新しい資本主義は、地方からスタートいたします。過疎化や高齢化といった地方の課題にデジタルを実装することで解決するデジタル田園都市国家構想を進めてまいります。そのために5G、データセンターなどのデジタルインフラを整備するとともに、自動配送や農業の自動化など、産業のスマート化を支援してまいります。また、地方を支える農林水産業、中小企業を徹底的に支援するとともに、地方の交通インフラを整備してまいります。
分配戦略についても、国民の皆さんに御選択いただきたいと思います。岸田政権は分配を市場に全て任せるのではなく、また、国が丸抱えするのでもなく、民と官がそれぞれの役割を果たすことで国民を豊かにしてまいります。
これからは、雇用を増やすことに加え、お一人お一人の給与を増やしてまいります。このため、賃上げ促進税制を強化するよう、政府与党に指示いたしました。従業員お一人お一人の給与を引き上げた企業を税制で支援してまいります。その際、控除額の上限についても大胆に引き上げます。こうした支援策を講じつつ、産業界には私が先頭に立って、給与の引上げをお願いしてまいります。
民間に賃上げをお願いする以上、政府もやることをやらなければなりません。先日訪れた都立病院で、看護師の方から現場の切実な声を伺いました。感染への不安と使命感のはざまで揺れ動きながら、それでも毎日しっかりと責任を果たしておられる姿に胸を打たれました。こうした方々が少しでも前向きに働けるよう、看護、介護、保育などの現場で働いている方の収入を引き上げてまいります。そのために、私が議論をリードし、年末までに具体的な結論を出してまいります。非正規やフリーランスなども含め、働き方に中立的な勤労者皆保険の実現を始め、全ての方々が支え合う持続可能な全世代型社会保障の構築を進めてまいります。
これらのほか、激甚化する災害に対する備えについても、経済対策に盛り込んでまいります。5か年加速化対策に基づき、防災・減災やインフラ整備、国土強靱(きょうじん)化の強化・加速化に機動的に取り組んでまいります。
最後に、外交・安全保障について申し上げます。我が国をめぐる国際情勢は厳しさを増しています。まず、誰がこの厳しい国際情勢の中で、日本国、そして、国民の平和と安全を守ることができるのか、誰にこの国の外交・安全保障を委ねるのか、御選択いただきたいと思います。基本的な憲法観、日米安保や自衛隊の役割といった基本的な安全保障観でさえ方向性が一致していない野党各党に、この国を委ねることはできません。何よりも重要なのは首脳間の率直な信頼関係であります。私は、総理に就任した直後から、米国のバイデン大統領を皮切りに、豪州のモリソン首相、インドのモディ首相というクアッドのパートナーと、さらには英国のジョンソン首相とも電話会談を行い、自由で開かれたインド太平洋の実現に向け、緊密に協力していくことを確認いたしました。さらには、中国の習近平国家主席、ロシアのプーチン大統領とも電話会談を行い、尖閣(せんかく)諸島をめぐる情勢あるいは平和条約締結問題などについて、主張すべきは主張し、こうした諸懸案に取り組んでいくための第一歩を踏み出しました。また、厳しい安全保障環境に対応するため、国家安全保障戦略、防衛大綱、中期防衛力整備計画の改定を指示し、関係閣僚間での議論を開始させました。
我が国を取り巻く安全保障環境は大きく変化しています。こうした中で、安全・安心な国民生活を守り抜くためには、外交を担うリーダーの経験と胆力が重要であると考えます。外務大臣を戦後最長4年8か月務め、世界中の首脳とファーストネームで会話できる深い信頼関係を築いてきた、私、岸田文雄にお任せいただきたいと思っております。私の持てる経験と力を総動員して、この国の平和と安全を守り抜いていく覚悟です。
新型コロナ対策、経済政策を思い切って実行するため、この総選挙で国民の皆さんの信任をいただければ、数十兆円規模の総合的かつ大胆な経済対策を最優先でお届けいたします。8月26日、私は総理としてこの国のかじ取りを担うための戦いに打って出ました。新型コロナ対応を行う、新型コロナで傷ついた国民・事業者の皆さんへ経済対策を届ける、全ての国民が等しく成長の果実を享受できる新しい資本主義を作る、日本の平和と安全を守り抜く、世界に貢献する外交・安全保障を進める、私の思いは、そして、私が提示してきた政策に、一点のぶれも、そして、後退もありません。大切なことは、優先順位をしっかり付けて一つ一つ着実に実施していくことです。
今回の選挙は未来選択選挙です。国民の皆さんの御判断をお願いいたします。今、時代は分岐点にあります。どのように動くかが日本の未来を決めることになります。次代を担う若い世代の皆さんを始め、全ての国民が自由な発想で様々なことにチャレンジでき、新しい技術やイノベーションが社会実装される、わくわくするような未来、そして、その成長の成果がきちんと還元される、安心できる日本を、皆さんとともに築き、開いていきたいと考えます。新しい時代を皆さんとともに。
以上、発言とさせていただきます。ありがとうございました。
【質疑応答】
(内閣広報官)
それでは、これから皆様より御質問を頂きます。
指名を受けられました方は、お近くのスタンドマイクにお進みいただきまして、社名とお名前を明らかにしていただいた上で、1人1問御質問をお願いいたします。
まず、幹事社、2社から御質問を頂きます。
読売新聞、黒見さん、どうぞ。
(記者)
読売新聞の黒見です。総理、よろしくお願いいたします。
衆院選について、3点お伺いいたします。衆議院解散については、時の総理が、アベノミクス解散、国難突破会解散などと名づけるケースがあるのですが、今回、総理は解散について何解散と位置づけられますでしょうか。
内政外交で課題は山積しているのですけれども、最大の争点は何だとお考えでしょうか。
これは改めてになるのですが、勝敗ラインについてはどのようにお考えでしょうか。
以上、よろしくお願いします。
(岸田総理)
ありがとうございます。
まず、1点、今回の解散についてのネーミングですが、先ほど申し上げたように、国民の皆さんにこれからの日本、未来を選択していただかなければならない選挙だということを申し上げさせていただきました。そして、既に未来選択選挙というネーミングについても先ほど申し上げさせていただきました。今回の選挙は、私たちの、この日本の国の、そして、今の世界の未来を選択する選挙であると考えています。
最大の争点は何かということですが、やはり、今、国民の皆さんの最も大きな関心事はコロナ対策だと思います。このコロナ対策、現状に対してどう対応するのか、そして、このコロナとの闘い、危機的な状況を乗り越えた先にどんな社会を見ていくのか、これがまず大きな争点になるのだと思います。そして、日本の未来を見据えると同時に、この国際社会は大きく今激動しています。国際社会の中でどう日本が生きていくのか、こうした観点も大変重要な争点になるのではないか、この国際社会における日本を誰に委ねるのか、これも選挙において大きな争点になるのではないか、このように思っています。
そして、勝敗ラインについて御質問がありましたが、これは従来から申し上げてきたと思いますが、与党で過半数を確保する、これが勝敗ラインであると考えています。
以上、3点です。
(内閣広報官)
続きまして、日本テレビ、山﨑(やまざき)さん。
(記者)
日本テレビ、山﨑です。よろしくお願いします。
2点、お伺いします。
総理は、選挙日程と重なったということで、G20(金融世界経済に関する首脳会合)とCOP26(第26回気候変動枠組条約締約国会議)については出席せずにリモートでの参加を検討すると考えを示していましたが、このCOPについては、首脳が欠席すると日本が気候変動問題を軽視していると誤ったメッセージとなるという指摘もあります。選挙直後にCOP26に出席するお考えはありますでしょうか。
また、今後、日米首脳会談など、選挙後の外交スケジュールをどう組み立てるのか、併せてお考えをお聞かせください。
もう一点、お伺いします。総理は先ほど未来選択選挙で国民に判断いただきたいとおっしゃいましたけれども、野党側が求めた予算委員会を開催せずに、今回、解散に踏み切りました。この3日間の代表質問だけで有権者が十分な判断材料を得られたとお考えでしょうか。
以上、2点、お伺いします。
(岸田総理)
2点というか、3点かもしれない。
まず、COP26につきましては、おっしゃるように、今の国際社会における気候変動問題の議論において大変重要な会議であるということを認識しています。そして、この会議にどう対応するかについては、オンラインでの参加という選択肢も含めて、今、引き続き検討しているということであります。どう貢献するか、どう参加するか、こういったことについて、いましばらくしっかり検討した上で判断したいと思っています。
それから、選挙後の外交についての御質問がありました。選挙後の外交、選挙後、引き続き、内閣を委ねていただけるとしたならば、やはり外交を本格化させていきたいと思っています。そして、先ほど申し上げたように、電話会談等は精力的に行っていますが、やはり外交の基本は対面、人と人との信頼だと思いますので、対面外交を思い切って進めていきたいなと思っています。やはり第1に挙がるのはアメリカとの関係ということですので、アメリカ、バイデン大統領を中心に外交を積極的に展開していきたいと思っています。
3点目、要は、国会を開き、そして、これから選挙をお願いするわけですが、その国会において所信表明と代表質問だけで十分かという御指摘がありました。国民の皆さんに選挙をお願いする以上、これはしっかりと丁寧に説明するということは大変重要なことだと思います。ただ、一方で、今の衆議院議員の任期は10月21日までということであります。ですから、21日以降、この衆議院議員の空白、これはできるだけ小さくしていかなければいけない。こうした現実的な要請もあるのだと思います。こうしたこととできるだけ国民の皆さんに丁寧に説明することとのバランスの中で考えた場合、私は、今回所信表明演説と衆参合わせて3日間にわたる代表質問、こういったものを通じて、できるだけ私の考え方、また私の内閣の方針について説明させていただいた。こうしたことで選挙をお願いさせていただいた、こういった次第であります。
以上です。
(内閣広報官)
ここからは幹事社以外の方から御質問をお受けいたします。御質問を希望される方は挙手をお願いいたします。こちらで指名いたしますので、マイクにお進みください。
では、長内(おさない)さん。
(記者)
NHKの長内と申します。よろしくお願いいたします。
総理は先ほど、自ら先頭に立って賃上げをお願いしていくとおっしゃいました。今後、国民が具体的にイメージしやすいように、いつまでにどの程度の賃上げを目指すのか、こういったことを示していくお考えはありますでしょうか。
(岸田総理)
これから様々な取組を具体化する中でスケジュール感をしっかり示していくことが大事だと思います。ただ、まず出だしにおいて、私が進めている経済対策が野党、あるいは今までの経済対策とどこが違うのか、この基本的な理念をしっかり説明していくことが大事だと考えています。成長と分配の好循環ということを申し上げているわけですが、この分配、これは野党と一緒ではないか、こういった指摘があります。しかし、分配のみを言って成長を考えなければ、これは分配する成長の果実がないわけですから、これは行き詰まってしまう。こういったことです。成長について努力をしてきた、力を入れてきた自民党がしっかり分配をするということを言う、このことの意味は国民の皆さんにしっかり御理解いただきたいと思います。
さらには、成長と分配、これは従来の政権も言ってきたのではないか、成長と分配の好循環を言ってきたのではないか、こういった指摘もありますが、従来の成長と分配は、例えば成長も市場原理ですとか、競争ですとか、優勝劣敗、こういったものを中心に成長を考えてきた、こういったところがあります。しかし、世界の趨勢(すうせい)を見た場合、単に市場や競争に任せるだけではなくして、政府、政治が役割分担をしっかり担って、官と民が協力して成長を考えていく、これが時代の趨勢だと思います。
また、分配ということについても、自然に任せる、要はトリクルダウンが起こるのだということを言ってきたわけですけれども、しかし、なかなか結果にたどり着かなかったことを考えると、分配も官と民が協働してしっかり結果を出していくことが大事なのではないか。分配においても、民間において賃金を上げてもらうための優遇税制を考えるとか、こういった仕掛けの中で民間にも努力をしてもらう。大事なことですが、併せて政府においても自らが主導して決める様々な賃金、看護ですとか、介護ですとか、保育ですとか、こういった公的価格と言われている部分については率先して引き上げる、こういった努力もしていかなければならないなど、官と民が協働する形で結果を出そうというのが従来の経済対策とは違うのだということ、まずこれをしっかり説明させていただいた上で、多くの皆さんにこういった思いを共有してもらって、そして協力してもらって、そして物事を動かしていく。これが大事だと思います。
そして、皆さんと思いを共有して物事が動き出したならば、具体的なスケジュール感もより丁寧に説明させていただく。こういったことに努めていきたいと思っています。
(内閣広報官)
それでは、次に、外国メディアの方、ランダースさん。
(記者)
The Wall Street Journalのランダースと申します。
4月に当時の菅(すが)総理が、温室効果ガスの削減目標については、2030年までに2013年度に比べて46パーセント削減する目標を発表したと思います。ただ、この前の所信表明演説では、岸田総理はこの2030年の目標については言及しなかったのです。この菅前総理が掲げた目標を堅持するおつもりでしょうか。それとも取り下げるつもりですか。お願いします。
(岸田総理)
今の御質問に対しては、御指摘の2030年マイナス46パーセント、さらには2050年カーボンニュートラル、この目標はしっかりと堅持いたします。この目標を堅持した上で、様々な環境対策、あるいはエネルギー問題、しっかり取り組んでいきたいと思っています。それを基本にしながらしっかりと現実的な対応を考えます。
(内閣広報官)
では、次の方、秋山さん。
(記者)
日本経済新聞社の秋山です。よろしくお願いします。
経済、成長戦略についてお伺いします。総理は成長と分配の好循環を訴えられて、成長も分配もとおっしゃられて、分配については、まず賃金を上げるというところから始めるということをこの間、説明されたと思いますが、成長戦略については、科学技術立国とかデジタル田園都市、それぞれお考えを示されていますが、まず、具体的に成長戦略についてもどこから手をつけるのか。予算編成とか、税制改正とか、選挙が終わったら控えていると思うのですけれども、このスケジュールも併せて説明をお願いいたします。
(岸田総理)
成長戦略については、私は3つ柱があると思っています。1つは科学技術・イノベーション、この部分ですが、10兆円の大学ファンドを始め、しっかりとこれを支えていく。2つ目は地方における介護ですとか、あるいは農業ですとか、こうした課題をデジタルという手法によって解決して、地方から成長をしっかりと膨らませていく、こういった取組。そして3点目は、やはり経済安全保障だと思っています。半導体、あるいはレアアースを始めとする我が国にとって重要な戦略物資を中心に、日本の国内で必要とされる生産やサプライチェーンをしっかり確保していく、こうした日本の国の自立性を高めていく。さらに言うと、経済安全保障ですと、日本ならではの技術、要するに日本の技術でなければならないのだという不可欠性、世界の経済の中で日本のこの技術がなければ動かないというぐらいの不可欠性、これを示すことによって成長を考えていく。このように、科学技術・イノベーションと、そして地方のデジタル化と、そして経済安全保障、この3本をしっかり柱として経済を成長させていきたいと思っています。
そして、大事なポイントは、先ほど言ったように、官と民との協働。これは成長についても、国が全部丸抱えをしようなどということになると、時代のものすごいスピードに追いついていけない、こういったことがあります。といって、民間、競争に任せるということであったならば、なかなか世界の競争に太刀打ちすることができない。ですから、官の環境整備、これは大事だということで、今言った3点をしっかり用意し、そして、その環境の中で民間のスタートアップを始めとする新しい企業が生き生きと活躍してくれる、こういった経済、社会を作っていく、これが大事だと思います。要するに、官と民との協働、これがこれからの経済、新しい資本主義を考えた場合に重要であると思っています。今言った3点を中心に、国が、官がしっかり環境整備すると同時に、民間の皆さんがその中で生き生きと活躍してくれる、こういった経済を作って日本の新しい時代の経済成長をリードしていく、こういった社会を作っていきたいものだなと私は思っています。
(内閣広報官)
それでは、次に、安積(あづみ)さん。
(記者)
フリーランスの安積と申します。よろしくお願いします。
私は、次の選挙で投票権がまだない子供の問題についてお伺いいたします。文部科学省の問題行動・不登校調査で、2020年度の不登校児童生徒の数が19万6,127で、昨年よりも8.2パーセントも多く、過去最高になっています。自殺者の数が415人と最多でして、これは11年前と比べて2.7倍も多くなっています。また、児童虐待の数も多くなっていまして、警察が児童相談所に通告したのが2020年で10万6,991人、これは前年度から8,769人増で、検挙数も2,133、これも最多です。
先ほど、総理は次の選挙を未来選択選挙と位置づけられました。子供の問題というのは、優先順位は決して低いものではないと思いますが、コロナで社会が変えられてしまって、この変えられた社会の中のひずみの中に子供が落ち込んでいるような状況について、総理はどのようにお考えになっているでしょうか。
(岸田総理)
おっしゃるように、子供の問題、課題、これは政治にとって未来を語る上で大変重要な課題であると認識をします。子供の問題、今御指摘あった様々な課題、状況を考えますときに、本当に胸ふさがれる思いがいたしますし、何としても子供の未来を切り開いていかなければいけない。強く感じるところです。
そして、自殺者、児童虐待、不登校、こうした状況に対してどう対応するのか。これは様々なことを考えていかなければなりません。私は就任したときに国民の皆さんとの約束ということで、対話、説明を大事にするということと、多様性を大事にすることと、心温まる社会を作っていきたい、この3点をお約束させていただきました。
この子供の問題は、やはり地域やあるいは家族、仲間、この人間関係ということが大きく影響している問題ではないかと思います。もちろんそれに対して経済的な支援とかいろいろな環境整備、もちろん大事ですけれども、やはり何といってもこうした人と人とのつながり、絆(きずな)、この部分に大きく影響される課題ではないかと思っています。
そして、この不登校や自殺あるいは児童虐待、こうした状況を見るときに、この絆が大事だという観点から見た場合に、やはり相談できる体制、当事者の方が自分で抱え込んでしまう状況に対して、しっかり政治として何か用意するものを用意しなければいけない。一番ストレートなのは相談体制、困ったときにいかに自分で抱え込むことなく相談し、そして寄り添うことができる、こうした体制を作っていくことではないかと思います。
簡単なことではありませんが、今言ったような考え方を基本にしながら、こうしたいろいろな苦しい思いをされている方々、お子さんも含めて、そういった方々にどれだけ寄り添うことができるか、これが政治に課せられた大変重要な課題ではないかと認識をします。是非そういった考えに基づいて少しでもこの政治として結果を出せるように努力していきたいと思っています。
以上です。
(内閣広報官)
それでは、次、横山さん。
(記者)
新潟日報の横山と申します。
原発についてお伺いします。
総理は先日の代表質問への回答で、基準に適合する原発は地元の理解を得ながら再稼働を進めていくとおっしゃいました。一方で東京電力の柏崎刈羽(かしわざきかりわ)原発では、テロ対策の不備など失態が相次いで発覚し地元の不信感が高まっています。また、原発の、そもそも福島第一原発事故という重大事故を起こしておきながら、今なお不祥事を繰り返す東京電力に原発を再稼働する資格があるとお考えでしょうか。
また、カーボンニュートラルの実現に原発の再稼働が必要だとおっしゃるのであれば、地元の理解を得ることは不可欠だと考えます。先ほど総理は対話を重視しておられるとおっしゃいました。地元の理解を得るために原発の立地地域とどのように向き合っていくのか、そのお考えもお聞かせください。
(岸田総理)
まず、私自身のこのエネルギー政策については、従来から何度も申し上げているところです。先ほどお答えさせていただいた2050年カーボンニュートラル、2030年マイナス46パーセント、こうした目標は堅持をし、エネルギーを考えていかなければいけない。その際に再生可能エネルギーをしっかり進めていく、割合を増やしていく、これは大変重要なことではありますが、先ほどから再三出ているように、我が国もこれから思い切ったデジタル化を行わなければいけない。電力使用量ももう画期的に増えてしまう、こういった現実を前にしますと、再生可能エネルギー一本足打法ではこの安定供給や価格の問題に十分対応できないということもありますので、いろんな選択肢を用意しなくてはならないということで、水素や様々なエネルギー源の中に原子力ということも一つ選択肢として用意しておくべきであるというのが私の考え方です。
その全体像の中で、この原子力を考えた場合に、おっしゃるように現実は大変厳しいものがあります。この現実にしっかり向き合っていかなければならない。まずは御指摘の柏崎刈羽原発については、これは核セキュリティの事案として大きな問題が起こっています。そして、結果として再稼働の見通しが立っていないということでありますので、これについてはまずは東京電力が再発防止策を徹底的に遂行し、それが地元の皆さんにとって十分理解されるものかどうか、しっかり問われなければならないと思いますし、そして科学的な見地からも原子力規制委員会の検査をしっかりとクリアできるかどうかをしっかり見ていく、それを地元の皆さんにもしっかり説明をして御理解いただく、こういったことが大事なのではないかと思います。
御指摘の柏崎刈羽原発については、こうした東京電力の取組をしっかり見ていかなければなりませんし、その取組を国民の皆さんにしっかり理解してもらう、こういった努力が重要であると思っています。このように大きなエネルギー政策の中で、一つ一つの原発のありようについて丁寧に対応していく、こうした努力が大事であると私は考えます。
(内閣広報官)
次に鹿嶋(かしま)さん。
(記者)
フジテレビの鹿嶋です。よろしくお願いします。
先ほど総理が触れられました新しい資本主義実現会議ですか、これは具体的な内容を明日発表されるということなのですけれども、これは明日正式に設置されるということでよろしいのでしょうか。併せて、この会議を設置する目的、何のためにこれを設置されるのかということをお聞かせてください。
それから、未来選択選挙とおっしゃいましたが、野党側は、岸田内閣のこの経済政策も含めて、実質的に安倍政権、菅政権と本質的に変わらないんじゃないかという形で批判をしています。選挙戦を通じてこういったところをどういうふうに、批判、指摘を払拭していくお考えなのかをお聞かせください。
(岸田総理)
まず、会議については明日設置をするということになります。設置をし、メンバーを発表し、できるだけ早い時期にこの会議を実際に開きたいと思っています。それから、その設置する理由ですが、これは正に先ほどの質問の中にもありましたように、新しい経済政策、新しい資本主義、私は、この新しい経済政策を進めないと、日本のこの経済の好循環、これはしっかりと回復することができないと信じています。そのためには先ほど言いました多くの関係者、官民の協力が必要になります。できるだけ多くの皆さんにこの理念を共有してもらって、ともに協力してもらわなければいけない。その際にできるだけ幅広い分野の有識者の方々にも議論に参加していただいて、国民の皆さんにどう説明するのか、そもそも、その理念をよりブラッシュアップして、分かりやすい説得力のある、こういったものにしていかなければなりませんし、その上で多くの皆さんに理解してもらう、こうした社会の雰囲気を作るためにも、こうした会議を作ることが大事であると思っています。
そして、違いということですが、これは先ほども申し上げたように、分配、分配というだけの野党の政策とは間違いなく違うと思っていますし、成長と分配ということについても、市場任せではない、トリクルダウン任せではない、やはり能動的に成長と分配を考えていく、これこそ、今この世界的な経済政策の潮流であると信じています。こうした世界の潮流にもしっかり乗り遅れないように日本がしっかりとした経済政策を進めていくのだと、こうした大きな方向性についてしっかり説明していく。これは選挙戦を通じて大変重要なことなのではないかと思います。
何か三番煎じだとか全く違いが分からないとかおっしゃっている方もおられるようですが、今申し上げたように、間違いなく世界の潮流はこっちだと思いますし、日本もこうした考え方に基づいてしっかりと新しい経済を進めていかなければならない、そして、結果として所得を引き上げるということ、一部の人の所得を引き上げるのではなくして、幅広い方々の所得を引き上げることによって、消費、経済の循環にとって大切な消費を喚起する。消費を喚起すれば、今度は供給側も投資や開発、研究開発、こういったものに思い切ってお金を使う、こういったことで経済の好循環がようやく完成するのだと思います。是非所得を引き上げ、消費を喚起して、経済の好循環を完成するところまで持っていったならば、日本の新しい時代の経済も持続可能性をしっかり取り戻すことができるのではないか、こんなこともしっかりと皆さんに説明していくことは大事であると、私はその先頭に立って、この新しい時代の経済について訴えていきたいと思っています。
(内閣広報官)
それでは、古川さん。
(記者)
西日本新聞の古川と申します。よろしくお願いいたします
総理、先ほどからスケジュールについてなかなかかみ合っていないようなお答えが多かったと思うのですけれども、総理にこの未来を、日本の未来を委ねた場合は、例えば3年後なのか5年後なのか10年後なのか、成長の果実が国民に行き渡るのはいつの話をされているのでしょうか。お聞かせください。
(岸田総理)
今、私たちは、コロナとの闘いの渦中にあります。是非、できるだけ早く、この闘いに勝利をして、そしてできるだけ平時に近い生活を取り戻して、そして、その後、経済を回し始める、こうしたことを考えていかなければならないと思います。
ですから、経済の方向性は今申し上げたとおりですが、コロナ、自然との闘いに打ち勝って、そしてコロナとの共存を今度は果たしながら、なおかつこのリスクをできるだけ低減して経済を回していく、こういったことを考えていかなければならないわけですから、今から何年先に結果が出るか、これはコロナの経済に対する影響によって、その経済からの立ち直りも変わってくるわけですから、今3年後、結果を出せるのか、4年後結果を出せるのか、これを言うのはかえって誤解を招くことになってしまうのではないか。やはりこれは、今コロナ禍の中で最前線線で多くの皆さんが頑張っておられる、是非みんなでこの闘いに勝ち抜いて、新しい時代を切り開いていく、ともに協力する、共有できる思い、これをまずしっかりと確認することが先であって、それをやらずして、3年後に皆さんの給料が上がりますよということを軽々しく言うというのは誤解を招いてしまうのではないか。是非方向性はこっちだという思いを共有するところから、私は始めたいということを申し上げています。
何年後に結果が出るのだという答えが欲しい、その思いは分かりますが、今の状況を考えると、今、言ったこの方向性をまず示すことが大事であり、軽々しく何年後ということはかえって無責任になりかねないのではないか、こんなことも考えながら、まずは思いを共有する努力をしていきたいと思っています。
(内閣広報官)
では、次に延広(のぶひろ)さん。
(記者)
Bloombergの延広と申します。
脱炭素に関して、産業界の懸念への対応について特にお伺いしたいのですが、例えばトヨタ自動車は、雇用の面からもEV(電気自動車)一辺倒の政府の方針に対して異論を唱えているわけなのですが、総理としては、産業界とどう足並みをそろえて脱炭素社会の実現というものを目指していかれるおつもりでしょうか。
(岸田総理)
2050年カーボンニュートラルを始めとする大きな目標を堅持した上で、先ほど言ったエネルギー政策をしっかり進めていく、そして、二酸化炭素、地球温暖化ガス抑制に努めていく、こういったことでありますが、このこと自体、現実を考えた場合、大変な努力が必要とされますし、簡単なことではない、多くの関係者の皆さんに協力してもらわなければいけない、こういった課題であると認識しています。そして、自動車産業ということを考えても、全国で雇用550万人と言われる大変巨大な産業です。この産業がどうなっていくのか、これは、多くの国民の皆さんにとって切実な問題であると思っています。
おっしゃるように、電気自動車から一遍に進んで物事が変わる、それで良かったというような単純な話ではない。今、生活している多くの方々、雇用されている方々がどう生きていくか、これを考えていかなければならない、こういったことだと思います。
そしてその際に、これは大きな流れとして電気自動車を始め、様々な新しい技術が導入されていくと思うのですが、新しい技術の導入、要は温暖化対策というのは、決して経済の抑制要因ではなくして、経済を成長させるエンジンになるのだという発想で、新しい技術を使って経済を発展させ、雇用を吸収していく、こうした発想を持っていくことが大事だと思っています。
是非この温暖化対策を進めることによって、優れた技術を活用して、それによって国際競争力をつけ、そして、それによって働いている方々の不安にも応えていく、こうした前向きな発想、要は温暖化対策をやると、自分たちの働く場がなくなってしまうのではないかという発想ではなくして、こうした新しい技術をもって、経済を、国際競争力を大きくしていく、そのことによって雇用をしっかり吸収していく、こうした前向きな発想で様々な努力を続けていくことは大事なのではないかと思います。
自動車産業、この間も車座対話の中で自動車産業ということですと、自動車整備業の皆さんもガソリン車がなくなったらどうなるのだというようなことも言っておられました。こうした現実にどう向き合って、前向きな答えを出せるのか、政治としてもしっかり責任を果たしていきたいと思っています。
(内閣広報官)
それでは、大変恐縮ですが、あと2問とさせていただきます。
では、杉本さん。
(記者)
産経新聞の杉本と申します。よろしくお願いします。
憲法と今回の選挙についてお伺いしたいと思います。総理は、先ほど勝敗ラインを聞かれて、自公で過半数の確保を目指すということをおっしゃられたかと思います。他方で、総理は自民党の総裁選挙で勝利したならば、3年間の任期で憲法改正を実現するということをおっしゃったと思います。憲法改正には、憲法改正の発議、国会発議には3分の2の議席が必要となりますけれども、総理は、今回の選挙で、与党で3分の2を目指さないのでしょうか。あるいは、改憲勢力で3分の2を目指すというお考えであるとすれば、その改憲勢力の中に、どのような政党が総理の頭の中にあるのか、お聞かせいただいてもよろしいでしょうか。
(岸田総理)
憲法改正を考える場合に、おっしゃるように、国会の発議には、全体の3分の2が必要になります。ですから、選挙において、その3分の2を与党として目指す必要があるのではないか、さらには改憲勢力で3分の2を目指すべきではないか、そのような御質問であったわけですが、私は、最終的に国会において3分の2によって発議をするわけですから、選挙において憲法改正に理解のある方々にたくさん当選していただく、これはもちろん大事ですけれども、その後の議論の中で、結果として3分の2を確保する、ですから、選挙プラス国会などの議論、丁寧な議論を行うことによって、結果として国会の3分の2を確保する、これがあるべき考え方ではないかと思っています。選挙で一遍にこの3分の2を確保するということ、これは選挙においては、いろんな論点が争点として挙がってくるわけですから、1つ憲法改正だけで選挙をやっているわけではありませんので、選挙だけで3分の2を確保するという考え方には無理があるのではないか。
選挙プラスその後の議論の中で、より多くの方々に理解を得ることによって、結果として3分の2を得て、そして発議をし、そして国民の皆さんの2分の1の賛成を得て改正につなげていく、こういったことではないかと思っていますので、選挙において憲法もしっかり訴えたいと思いますが、選挙後の議論も大事にして、今、言った道筋をしっかり確保していきたいと思っています。
(内閣広報官)
それでは、最後の質問、桐生(きりう)さん。
(記者)
河北新報社の桐生と申します。よろしくお願いします。
復興大臣の沖縄北方担当相との兼務問題についてお聞きします。
組閣から10日あまりが経過しましたが、東日本大震災の被災地からは、総理の被災地の声を聞く力を問う声が出ています。西銘大臣は、就任後、被災地から北海道、沖縄と次々と現地入りを求められており、距離を考えると非常に非効率で公務に割ける時間も少なくなります。
また、総理の所信表明演説では、震災、また、東京電力第一原発事故への言及が、安倍内閣、菅内閣と比べて具体性がありませんでした。内閣の復興に対する姿勢を疑問視する声が被災地で大きくなっている事態をどう受けとめますか。
また、自民党の復興大臣経験者から兼務を解くようにという声も上がっております。次の組閣では兼務を解いて、復興相を専任とするお考えはあるか、お聞かせください。
(岸田総理)
まず、復興を軽視しているという指摘は、全く当たらないと、私は思っています。私の内閣においても東北の復興なくして日本の再生はない、これは再三繰り返しているところでありますし、是非被災者の方々に寄り添って被災地の復興に向けて全力を尽くしていきたいと思います。
そして、今週末も福島、宮城、岩手、私は入らせていただきまして、視察をし、そして関係者の皆さんと意見交換、対話もさせていただきたいと思っています。そして、その際には、復興大臣も同行するということになっています。
この復興大臣、西銘大臣は、就任のときの記者会見でも申し上げたと思いますが、これまで国土交通委員長ですとか、国土交通大臣政務官ですとか、復興に必要な様々な経験あるいは見識、これをしっかり持った人間であると思ったからこそ、復興大臣に指名をさせていただきました。
これから、自らの活躍の中で、この西銘大臣が復興大臣として、しっかり役割を果たしてくれる、そういったことを皆さんの前に示してくれると、私は確信をしています。
いずれにせよ、そうした国民の皆さんの声があるとしたならば、なおさら、西銘大臣には強い覚悟を持って復興大臣としての成果を上げてもらいたいと期待をしています。
以上です。
(内閣広報官)
大変恐縮ですが、ただいま挙手を頂いている方につきましては、後ほど一問、担当宛てにメールでお送りください。後日、書面にて回答させていただきます。
以上をもちまして、本日の記者会見を終了させていただきます。
御協力ありがとうございました。