データベース『世界と日本』(代表:田中明彦)
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 総理大臣公邸への引っ越し等についての会見(岸田内閣総理大臣)

[場所] 
[年月日] 2021年12月11日
[出典] 首相官邸
[備考] 
[全文] 

(総理大臣公邸への引っ越しについて)

 久しぶりに引っ越しを行って、新鮮な気持ちです。ただ、引っ越し先が公邸ということです。また、昨今な様々な政治の動き、これからの日本の様々な課題を考えますと、新鮮ながらも心の引き締まる思いもいたします。

(総理大臣公邸に引っ越す理由について)

 公邸に移ることについて、いろいろな方がいろいろなことを言っておられました。様々な観点から、公務に専念するためにも、引っ越すというのは意味があるのかなと考えまして、今回、引っ越しを決意した、こうした次第です。

(家族も一緒に引っ越すかについて)

 はい、家族もできるだけ一緒に過ごしたいとは思います。ただ、従来から家内も地元と東京と行ったり来たりですので、どれぐらい一緒に過ごすことができるか。しかし、家族との時間は大事にしたいとは思っています。

(北朝鮮による拉致被害者家族会の飯塚代表が引退したことについて)

 飯塚代表は横田滋さんから代表を引き継がれて、今日まで代表として大きな役割、責任を果たしてこられました。まずは体調が優れないということです。お体、お大事にされまして、その御回復、心からお祈りしたいと思います。そして、こうした飯塚代表の体調のお話を聞きましても、拉致問題は一刻の猶予も許されない、大変、我が国にとって重要な課題であるということを改めて強く感じています。私自身、あらゆるチャンスを逃すことなく、しっかり取り組んでいきたいと思っています。

(外交的ボイコットについて)

 その点については、従来から申し上げているように、我が国として国益の観点から様々な点を総合的に勘案して判断していかなければならないと思っています。時期について、適切な時期はいつなのか等も含め、今、検討を続けているところです。

(危機管理への考えについて)

 危機管理の観点からは、公邸で過ごすことの意味は大きいということはあるとは思いますが、しかし公邸であろうが、そして今まで宿舎で過ごした時期であろうと、危機管理の観点からは、いずれも万全を期して対応してきたということだと思います。住居がどこであっても、総理大臣というもの、危機管理においては、万全を期して対応していかなければならない。それは変わらないと思っています。

(総理大臣公邸への入居に2か月ほどかかった理由について)

 御案内のとおり、就任してから10日で衆議院を解散いたしました。それから選挙戦に入りました。大変激しい選挙でもあり、また、選挙が終わった後、すぐ第2次内閣をスタートさせる、こうした事にも取り組みました。国会も始まるなど、就任してから2か月あまり、大変目まぐるしい日々でありましたので、引っ越し等もなかなか考える余裕もなかったというところではありました。しかし、その中でいろいろな皆さんの意見も聞きながら、今回、転居を行ったということであります。