[文書名] 自衛隊東京大規模接種センター視察等についての会見(岸田内閣総理大臣)
(自衛隊東京大規模接種センター視察の感想及び3回目のワクチン接種を加速させるための対応策について)
本日から、東京で自衛隊による大規模接種がスタートいたしました。自衛隊と民間の方々が一体となって、円滑かつ効率的な接種を進めている現場を私も視察させていただきました。大変頼もしく感じたところであります。そして、高齢者以外の一般の方々でも接種券があれば予約できるという体制を作らせていただきました。3回目の接種はオミクロン株の感染に対抗するために大変有効な手段です。現時点では全国の97パーセントの自治体が、2月末まで対象となる、希望される高齢者の方々への接種、予定どおり完了する見込みとなっています。今後どんどんペースアップしていくと考えております。そして、高齢者以外の一般の方々についても、予約枠に空きがあれば、6か月の間隔が空いたならば、順次、できるだけ多く、更に前倒しを行っていくよう、改めて自治体に要請いたします。そのためにも、自治体の方々にも御協力いただき、接種体制を更に強化してまいります。国においても、2月7日からは、大阪でも大規模接種会場を始めることにしております。体制は整いましたが、実際に接種していただくことが大事であると思っています。3回目の接種の必要性、あるいは交互接種の有効性、さらには安全性、こうしたことについて、国民の皆さん1人1人に丁寧にお知らせをしていきたいと思っています。国民の皆様におかれましては、接種券が届いたならば、スピードを優先で3回目接種を受けていただきますようお願い申し上げたいと思っています。
(接種に携わる医官や看護官との懇談について)
先ほどの懇談の中では、まず参加された方々の自己紹介があり、自衛隊の関係者はもちろんおられましたが、あわせて民間の看護師の方、また民間から協力いただき、会場の運営に携わっている皆さんとか、そういった方々にお集まりいただきました。自己紹介を頂いた上で、前回、去年の接種にも関わった方がほとんどだったと思います。前回の経験についてお話を聞かせていただき、そして、今回の接種に向けての意気込みを聞かせていただいた、こうしたやり取りでありました。そして、前回の経験を踏まえて、是非、今回もより円滑で効率的な運営を心掛けていただきたいと思いますし、また一方で、大変力強い意気込みを聞かせていただきました。今回、3回目の接種ということで、前回とはまたいろいろな工夫も必要になってくるのではないかと思いますが、そういった課題にしっかりと立ち向かっていただけるだろうと強く期待をしたところであります。
(東京都への緊急事態宣言の適用の考えについて)
まず、緊急事態宣言、さらには、まん延防止等重点措置については、従来から申し上げておりますが、病床のひっ迫度に重点を置いたレベル分類を参考にしながら、総合的に判断するという考え方において臨んでいます。そして、病床のひっ迫ということで申し上げるならば、東京都は昨年8月、最も感染者が多かった時期に、5,900人超の感染者が報告されていましたが、その段階で、もう病床は満杯で、そして待機者があふれているという状況でありました。これが8月の段階でしたが、その後、政府においても「全体像」を示し、病床を確保し、そして、稼働率を引き上げるということで、病床の数も稼働率も昨年の夏より格段引き上げたということで、現在は病床の使用率48.5パーセントにとどまっているという状況です。そして、重症の病床ということで言うならば、重症の病床についても、昨年8月、もう満杯状態でありましたが、今年は37.6パーセントにとどまっていると、東京は独自の物差しで重症病床を計算していますが、東京の基準でいきますと4.5パーセントという状況にあります。この点も考えた上で、さらには、まん延防止等重点措置、もう既にスタートしているわけですが、この辺の効果を確認し、そして、事態の推移等もしっかりと見、そして、自治体とも連携しながら総合的に判断するというのが、国としての基本的な考え方です。そして、少なくとも現時点においては、緊急事態宣言の発出は、国としては検討しておりません。これが現状であります。
(2類から5類への引下げの考えについて)
その分類の議論については、様々な意見があり、政府としても是非、議論はしっかり行っていきたいと思っています。ただ、感染が急拡大している今のタイミング、なおかつ、オミクロン株の実態も少しずつ分かってきましたけれど、まだ完全に実態が分かっていない、さらには、更なる変異も言われているこのタイミングで分類を変えるというのは、適切なのだろうかなとは思っています。御指摘の議論も引き続き行っていきたいとは思いますが、タイミング等については、しっかり考えていきたいと思っています。