[文書名] スタートアップ企業との車座対話等についての会見(岸田内閣総理大臣)
(スタートアップ企業との車座対話について)
まず、今日は、CIC Tokyoのスペースを視察させてもらいました。大変すばらしい空間を用意されておられる。参加されている皆さんのエネルギーみたいなものを熱く感じた次第です。その上で、スタートアップ企業の皆さんと車座で対話する機会を頂きました。経済成長を考えた場合に、イノベーションの担い手であるスタートアップ企業の活躍は欠くことができない存在であると認識しています。そこで、今年をスタートアップ創出元年と位置付けて、6月までに、スタートアップ5か年計画を作っていきたいと考えています。今日は、そうした取組を進めるに当たって、最前線で頑張っている皆さんの話を聞かせていただき、様々な刺激を頂きました。日本の社会におけるチャレンジ精神旺盛な人材を創出するためにはどうしたらよいか。また、スタートアップが活躍できるエコシステムを作る上において、官と民の協力、官の立場からどのようなことが求められているのか。こういったことについてもお話を聞かせていただきました。それに関連して、政府調達の在り方とか、スタートアップは様々な社会課題に挑戦するわけですが、その中にあっても、例えば宇宙とかエネルギー、こういった課題ということになりますと、莫大な資金が必要になります。そういった際に、国として果たす役割があるのではないかとか、さらには、海外の公館における支援の在り方とか、そのような話も聞かせていただきました。いろいろ参考になるお話を聞かせていただいたと思っています。これらを5か年計画を始め、政府の取組にしっかりと取り入れさせていただき、政府としての環境整備、支援の在り方、しっかりと考えていきたいと思っています。
(車座対話の中で出たスタートアップ創出のための課題や要望と、今後の施策について)
マスコミの皆さんも聞かれていた部分もあったかとは思いますが、人材育成ということにおいては、やはり身近にスタートアップに挑戦し成功された方々がおられるということは、若い方々にとって大きな刺激になるということで、高校を始め、学校にスタートアップで成功されたような方々が足を運んでいろいろな経験を話すことも大事なのではないか。大学においても、大学発のスタートアップ、これも大変重要なのではないか、このような話もありました。そして、官の役割ということについても、先ほど申し上げたことに加えて、政府調達の在り方、もちろんスタートアップの皆さんは民間の世界で成功を目指すわけですが、その呼び水として、官の役割は大切なのではないか。政府のこうした資金における支援が成功につながったという例も御紹介いただきましたが、スタートアップの皆さんが成功するに当たって、呼び水という観点においては、政・官としてやるべきことはいっぱいあるのではないか、このようなやり取りもありました。こういった辺りも、このエコシステムを考える上で、いろいろ参考になったと感じています。
(株主資本主義について)
株主資本主義というのは、株主のみを重視した株式会社の在り方について、いろいろ考えてみる必要があるということを申し上げています。決して、これ資本主義ですから、株式会社ですから、株主、これは重要だというのは当たり前のことであって、それだけではないのではないか、要は世界的にもステークホルダー資本主義というような形で、多くの関係者に対しても貢献するような資本主義が求められている、こういった時代ですから、株主資本主義というのは、株主最優先で、他がないがしろにされてしまいがちな資本主義については、今一度考えるべきではないか、株主資本主義について考えるというのはそういう観点だと思います。そういったことは正に今、世界でそういったステークホルダー資本主義を始め、様々なこの資本主義の在り方が議論されているところですから、そうした流れについて改めて申し上げたということであると思っています。