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日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 羽田空港(新型コロナワクチン職域接種会場及び感染防止対策現場)視察等についての会見(岸田内閣総理大臣)

[場所] 
[年月日] 2022年2月12日
[出典] 首相官邸
[備考] 
[全文] 

(職域接種会場や空港での水際対策を視察した感想について)

 本日、職域接種の会場、そして水際対策に取り組んでいる現場を視察させていただき、併せて航空ネットワーク、航空に関わっておられる皆さんのお話を車座で聞かせていただく機会を頂きました。振り返りまして思うことですが、まず検疫につきましては、オミクロン株の流入を最小限に抑えるため、毎日、大勢の入国者の方々、お一人お一人に丁寧に対応しながら、最前線で水際対策を遂行してくださっているその現場を見させていただいたわけですが、大変スケールの大きなオペレーションを24時間しっかり支えていただいている皆さんの御努力には心から敬意を表し申し上げます。 しかし、こうした取組の重要性も改めて感じてきたところであります。そして、航空ネットワークを支えている皆さんの具体的な御苦労も聞かせていただきました。正にエッセンシャルワーカーとして、私たちの国民の生活、そして経済活動、しっかり支えていただいているということを痛感いたしました。併せて、職域接種につきましては、14日月曜日からは、多くの国の方々が往来するこの羽田空港における、全日空と日本航空の3回目のワクチンの職域接種、本格的にスタートすると承知しています。今後、各企業などでBCP(事業継続計画)の観点からも職域接種、これが本格稼働していくことを期待しております。 また、もう一つ加えさせていただきますと、今日の意見交換の中で、パイロットや整備士など航空分野の方々には高い専門性が求められています。本日頂いたこの意見を踏まえて、航空会社の事業や雇用の継続、また業務プロセスの効率化への多面的な支援、さらには整備士・操縦士の皆さんの育成、技能向上に対する支援、そして接触機会の削減にもつながるデジタル技術の導入、こうしたことに取り組むことによって、より働きやすい職場環境を作り、そして処遇改善もしっかり進めてまいりたいと考えています。まず1点目は以上です。

(今後の水際対策について)

 水際対策については、様々な意見があるということは十分承知をしています。しかし、基本的な考え方として、変異種も含めたオミクロン株に対する科学的な知見の蓄積、内外の感染状況の変化、さらには海外における水際対策の在り様、こうしたものを総合的に勘案していかなければならないと思います。その上で、緩和に向けた検討、これを進めていきたいと考えています。

(ウクライナ情勢について)

 ウクライナ情勢については、政府として、重大な懸念を持って注視をし続けています。そして国際的な緊張感が高まっているということを感じておりますし、予断を許さない状況にあると認識しています。このため、ウクライナの危険情報をレベル4に引き上げた上、ウクライナ在留の邦人に対し退避を呼び掛けたということであります。政府としましては、引き続き、高い警戒感を持ってウクライナ情勢を注視していかなければならないと思っていますし、G7各国との連携、これも重要であると認識いたします。その上で、状況の変化に応じて、適切に対応していきたいと考えます。

(水際対策の緩和の対象者等について)

 具体的な中身はこれから検討していかなければならないと思っていますが、従来から留学生の方、ビジネス目的で入国を求める方、さらにはそれ以外、文化、スポーツ、様々な分野において入国を求められる方、こういった方々に対して国益の観点、さらには人道的な観点から個別に判断をし、入国は認めてきました。そうした骨格は守りながらも個別の対応を行ってきたというのが現状であります。そういったことを行ってきましたが、先ほど申し上げました、様々な観点からこの水際対策の骨格自体どうあるべきなのか、こういったことについて見直し、要は緩和の方向で検討をしていきたいと考えているところです。おっしゃるように、具体的にはいろいろなことを考えて、そして対応を考えなければいけないと思いますが、今申し上げましたような観点から、是非検討を進めていきたいと考えます。

(水際対策の緩和の検討に至った理由について)

 大きな理由、様々な御意見があります。しかし、大きな感染対策の流れの中で考えていかなければいけない、こうしたことであると思います。そして状況がどんどん変化しているわけですから、変化の中でどうあるべきなのか、これを検討していくということであります。

(水際対策の緩和の時期のめどについて)

 まず、今の水際対策の骨格は2月末までということで御協力をお願いしています。ただ、その中で状況が変化していく。科学的な知見の収集ですとか、内外の感染状況の差ですとか、そして国内の状況ですとか、こういった様々な観点、それから各国の水際対策も変化しているわけですから、そういった変化の中でどうあるべきなのか、見直しの検討をしていきたいと思っています。タイミング等についても、この変化の中でどうあるべきなのかしっかり検討していきたいと思っています。