データベース『世界と日本』(代表:田中明彦)
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 北朝鮮による弾道ミサイル発射事案についての会見

[場所] 
[年月日] 2022年3月24日
[出典] 首相官邸
[備考] 
[全文] 

(北朝鮮による弾道ミサイル発射事案について)

 先ほど、北朝鮮が、新型ICBM(大陸間弾道ミサイル)と思われる弾道ミサイルを発射し、我が国の領海に近いEEZ(排他的経済水域)内に落下いたしました。許せない暴挙であり断固として非難いたします。

 この事態を受け、私より、国民に対する情報提供、また安全確認の徹底など、指示を出しました。その上で、政府専用機の中から電話により官房長官から状況報告を受け、私の方からは、官房長官に対して対応に万全を期すとともに、国家安全保障会議、これを速やかに開催することを指示をいたしました。

 北朝鮮は、本年に入ってから、新型ICBMを含め、高い頻度で弾道ミサイルの発射を繰り返しています。一連の北朝鮮の行動は、我が国そして地域及び国際社会の平和と安全を脅かすものであり、断じて容認することはできません。今回の弾道ミサイルの発射も関連する安保理決議に違反するものであり強く非難をいたします。既に北朝鮮に対しては抗議を行っております。引き続き米国等とも緊密に連携しながら情報収集、そして警戒監視に全力を挙げ、我が国の平和と安全の確保に万全を期してまいります。

 そして今後、制裁を含め、今後の対応につきましては、日米、日米韓を始め関係国としっかり連携を取りながら対応してまいります。また、この後のG7首脳会合においても北朝鮮の弾道ミサイルへの対応での連携、確認をしたいと考えております。

(現在把握している落下地点の状況について)

 細かい数字までは聞いておりませんが、我が国の領海に近いEEZ内、北海道沖という報告を受けております。

(このタイミングでの発射について)

 北朝鮮の意図は私から申し上げる立場にはありませんが、国際社会が平和と安定において、大きな議論を行っている最中でのこうした北朝鮮の暴挙は容認することはできない、これは当然であると思っています。

(北朝鮮の弾道ミサイルの脅威について)

 これは従来から申し上げているように、ミサイル技術は日々改良され、そして進歩しているということは感じております。改めて我が国の国民の命を守るためにはどうあるべきなのか、政治の立場から真剣に考え続けていかなければならない、こうした思いは強く持っております。