[文書名] 岸田内閣総理大臣記者会見
【岸田総理冒頭発言】
本日は、ロシアによるウクライナ侵略に対する我が国の更なる制裁を中心にお話させていただきます。
ロシアによる残虐で非人道的な行為がキーウ近郊のブチャのみならず、ウクライナ各地で次々と明らかになっています。ロシアは、これまでも民間人の殺害や原子力発電所に対する攻撃など、重大な国際人道法違反を繰り返してきました。断じて許されない戦争犯罪です。こうしたロシアによる非道な行為の責任を厳しく問うていかなければなりません。こうした観点から、我が国として国際刑事裁判所(ICC)による調査や国連による独立した調査を支持いたします。我が国のICCへの分担金の支払を前倒しして行うなど、ICC検察官による戦争犯罪の捜査を後押ししてまいります。
昨晩、ロシア軍による残虐行為を最も強い言葉で非難し、ウクライナへの連帯を示すとともに、G7としての追加的な対露制裁措置を採ることを表明するG7首脳声明が発表されました。このG7首脳声明を踏まえ、我が国はロシアに対し、次の5つの柱から成る追加制裁を科し、ロシアに対する外交的、経済的圧力を強化いたします。
これ以上のエスカレーションを止め、一刻も早い停戦を実現し、侵略をやめさせるため、国際社会と結束して強固な制裁を講じてまいります。
第1に、ロシアからの石炭の輸入を禁止いたします。早急に代替策を確保し、段階的に輸入を削減することでエネルギー分野でのロシアへの依存を低減させます。夏や冬の電力需給逼迫(ひっぱく)を回避するため、再エネ、原子力などエネルギー安保及び脱炭素の効果の高い電源の最大限の活用を図ってまいります。
第2に、ロシアからの輸入禁止措置の導入です。機械類、一部木材、ウオッカなどのロシアからの輸入について、来週、これを禁止する措置を導入いたします。
第3に、ロシアへの新規投資を禁止する措置を導入いたします。G7とも連携し、速やかに措置を導入いたします。
第4に、金融制裁の更なる強化です。ロシアの最大手銀行のズベルバンク及びアルファバンクへの資産凍結を行います。
第5に、資産凍結の対象の更なる拡大です。400名近くのロシア軍関係者や議員、更には国有企業を含む約20の軍事関連団体を新たに制裁対象に加えます。これにより、資産凍結の制裁の対象となる個人は合計約550名、団体は合計約40団体へと広がります。
次に、ウクライナの方々に寄り添った支援及び在留邦人支援について、2点申し上げます。
第1に、ウクライナ周辺国への人的貢献です。既にモルドバにJICA(独立行政法人国際協力機構)のニーズ調査団を派遣し、保健医療分野のニーズ調査に加え、WHO(世界保健機関)と連携した形で現地の医療データ管理等に貢献しています。また、今週からは、PKO(国連平和維持活動)の政府調査団も派遣いたしました。現地のニーズも踏まえ、更なる人的貢献を速やかに具体化してまいります。
第2に、ウクライナ避難民受入れ及び在留邦人支援についてです。昨日も申し上げましたが、ウクライナ避難民の方々が、今後とも円滑に我が国に渡航できるようにするため、当面、毎週、政府がポーランドとの直行便の座席を借り上げ、我が国への渡航を支援いたします。その第1便は、早速本日、日本に向けて出発いたします。ウクライナ在留邦人についても、自力で渡航手段を確保することが困難な方については、この便を利用できるようにいたします。
ロシアのウクライナ侵略によってエネルギーや食料の価格が高騰しています。我が国のみならず、世界各国の人々がガソリン価格、電気代、食材価格などの高騰に苦しんでいます。エネルギー市場を安定化させるため、昨日発表しましたが、IEA(国際エネルギー機関)加盟各国とも協調し、日本としてIEAの割当て量の1.5倍の1,500万バレルの備蓄を放出することといたしました。日本として初めての国家備蓄の放出です。引き続き日本としてできることにしっかりと取り組んでまいります。
また、政府としては、この原油価格や物価の高騰による国民生活への影響に対し、緊急かつ機動的に対応するため、4月中に原油価格・物価高騰等総合緊急対策を取りまとめます。国民の皆様の生活を守るために、国際、そして国内、双方で最大限の対策を迅速に講じてまいります。非道な侵略を終わらせ、平和秩序を守るための正念場です。国民の皆さんの御理解と御協力をよろしくお願いいたします。
先日、ゼレンスキー大統領は、日本の国会演説において、ロシアに対してアジアで最初に圧力をかけたのは日本、制裁を続けてほしい。また、ロシアが平和を追求するようになるために努力をしよう。こうした切実な思いを我々に対して訴えました。こうした声に日本はしっかりと応えていきます。
G7を始めとした関係国と連携して、日本が、国際社会が、ロシアによる暴挙を決して許さないこと。そして、日本がウクライナと共にあることを断固たる行動とウクライナの方々に寄り添った支援で示してまいります。
ありがとうございました。
【質疑応答】
(内閣広報官)
それでは、これから皆様より御質問を頂きます。
指名を受けられました方は、お近くのスタンドマイクにお進みいただきまして、社名とお名前を明らかにしていただいた上で1人1問、御質問をお願いいたします。
まず、幹事社から御質問を頂きます。テレビ東京、篠原さん。
(記者)
幹事社のテレビ東京、篠原です。よろしくお願いいたします。
追加制裁について、先ほど総理、日本政府としてロシア産石炭の輸入禁止とエネルギー分野でのロシア依存度を下げるというふうにおっしゃいました。ロシアへのエネルギー依存度が高いドイツの外相からも、この石炭に加えて原油や天然ガスのロシア依存を廃止すべきとの発言が出ていますが、日本政府として今後、原油や天然ガスも輸入削減とか輸入禁止を検討する可能性というのを岸田総理はどのように考えていますでしょうか。
(岸田総理)
まず、基本的に我が国は、G7各国との連携を重視しながら取組を進めてまいります。先ほどの発言の中で申し上げました、このG7首脳声明においては、ロシアからの石炭の輸入禁止を含むロシアへのエネルギー依存低減に向けた計画的な速やかな実施やロシア産石油への依存度低減に向けた取組を加速する、このように明記されています。我が国は、この基本的な方針をしっかりと追求していきたいと思っています。よって、日本としても、石炭の禁輸や石油を含むエネルギー全体のロシア依存度の低減に踏み込むことといたします。
今後の追加措置ということについては、現時点では予断を持って申し上げることは控えますが、このG7の方針を踏まえつつ、引き続き国際社会と連携しながら適切に対応していきたいと考えています。
(内閣広報官)
それでは、続きまして、幹事社、時事通信、石垣さん、どうぞ。
(記者)
時事通信の石垣です。よろしくお願いします。
ロシア外務省のザハロワ報道官は、日本の対露制裁に関して、長年かかって築いてきた日露関係を破壊していると、また、報復措置を採ると表明しています。総理は、このようなロシアの姿勢に対してどのように対応していくお考えかお伺いします。
(岸田総理)
ロシア側の発言一つ一つに私の立場でコメントするというのは適切ではないと思っていますが、今回の事態はそもそも全てロシアによるウクライナ侵略に起因して発生しているものであると認識しています。それにもかかわらず、日本側に責任を転嫁しようとするロシア側の対応、これは極めて不当であり、我々としては受け入れることができないと考えております。
先ほど申し上げましたが、我が国としましては、引き続きG7を始めとする国際社会としっかり連携しながら、毅然(きぜん)とした対応、そして、しっかりとした人道支援、こうしたものを進めていきたいと考えています。
(内閣広報官)
ここからは、幹事社以外の方から御質問をお受けいたします。御質問を希望される方は挙手をお願いいたします。こちらで指名いたしますので、マイクにお進みください。なるべく多くの方に御質問いただくためにも、質問は1問ずつ簡潔にお願いいたします。
それでは、日本テレビ、山崎さん。
(記者)
日本テレビ、山崎です。
先ほど外務省がロシアの外交官ら8名の国外追放を発表しましたけれども、どのような判断に基づいて決定したのか、御説明をお願いいたします。
(岸田総理)
先ほど外務省から発表させていただきましたが、8名の駐日ロシア大使館の外交官及び通商代表部職員について、国外退去を求めた次第です。このことについては、我が国として総合的に判断し、国外退去を求めることを通告したものです。現下のウクライナ情勢も踏まえた措置であると思います。
これ以上の詳細については、どの国も同じでありますが、申し上げることは控えております。
(内閣広報官)
それでは、次にフジテレビ、瀬島さん。
(記者)
フジテレビの瀬島です。よろしくお願いします。
今の関連でお伺いしたいのですけれども、ロシア側は既に対抗措置を採ることを表明していますが、邦人保護などへの影響にどのように対処されるお考えでしょうか。
(岸田総理)
対抗措置を採る旨、述べたということについては承知しております。ただ、具体的な措置が明らかになっていない段階ですので、それについて何か申し上げることは控えたいと思います。
いずれにせよ、引き続きロシアにおける邦人、あるいは日本企業の活動の保護には、政府として万全を期してまいりたいと考えています。
以上です。
(内閣広報官)
それでは、次にジェーンズの高橋さん。
(記者)
イギリスの軍事週刊誌ジェーンズ・ディフェンス・ウィークリー東京特派員の高橋と申します。
日本を取り巻く安全保障について伺います。ロシアのウクライナ侵略を受けて、総理はロシアに対する脅威がこの地域で増したとお考えですか。というのは、ウクライナ戦争は決してヨーロッパだけではなくて、ロシアは太平洋国家ですね。なおかつ、日本は北方四島という領土問題をロシアと抱えています。つきまして、脅威の認識がロシアについて上がったかどうか。
そしてもう一つは、先ほど総理、今は平和秩序を守る正念場だとおっしゃいました。とするならば、国際法の規範の強化を日本が示しているという意味を示すために、海上自衛隊の艦隊に台湾海峡を通過させるというのは、考えとしてないでしょうか。というのは、先日、フランス海軍の太平洋管区統合司令官のレイ海軍少将にインタビューをしましたら、フランスは台湾海峡を通過することは、国際法上何ら問題ないから、必要なだけ通過すると。その一方、昨日、海幕長にインタビューをしたら、日本は政治的メッセージとしてまだ考えられないと。総理は、今後を見据えて、台湾海峡を通過して、日本が政治的メッセージとして毅然と国際法を遵守する国家、そういう政治的シグナルを発するということは考えられないでしょうか。
以上です。
(岸田総理)
まず、今回のロシアによるウクライナ侵略によって起こっている事態、これは国際秩序の根幹を揺るがす行為であると認識しています。そして、このような情勢下において、我が国周辺においてもロシア軍の活動が活発化している。このことについては、懸念すべきことであると認識いたします。このような活動について、引き続き重大な関心を持って注視していかなければならないと思っております。政府として、我が国周辺におけるロシア軍の活動、動向について、引き続き情報収集、警戒監視、これに万全を期していきたいと考えています。そして、その上で、我が国の防衛政策、そして、防衛力の整備、これは特定の国や地域を念頭に置いたものではありませんが、今後新たな国家安全保障戦略等を策定していく中で、あらゆる選択肢を排除せず、現実的に検討し、そして、スピード感を持って防衛力を抜本的に強化していくことが重要であると認識いたします。
後半の質問、御指摘のような具体的な行動については、現在、何も考えておりませんし、予定はしておりません。
(内閣広報官)
それでは、次にジャパンフォワードのブゼットさん。
(記者)
ジャパンフォワードのブゼット・アリエルと申します。よろしくお願いします。
ウクライナ情勢からちょっと離れていますけれども、水際対策について伺います。日本政府は3月、水際対策措置の見直しを行い、ビジネス目的の滞在など、一定条件を満たせば、新規入国を認めることとしました。一方、これには観光目的は含まれていません。観光目的の入国緩和はいつ頃になりそうでしょうか。お願いいたします。
(岸田総理)
我が国の水際対策についての御質問ですが、まず我が国においては、3月1日から外国人の方の入国を認めるということにしておりますが、御指摘のように、観光客を除く外国人の方の入国を拡大していくという方針を明らかにしています。そして、直近、1日の入国者数を1万人に広げるなど、その枠を拡大してきているところです。その中で、御質問は観光客の部分はどうなのかということだと思いますが、観光客の部分については、今後も感染状況ですとか、国際的な各国の動きですとか、こういったことを見ながら適切に判断していかなければならないと思います。また、具体的にいつからとかという予定は、確定はしておりませんが、今、申し上げた水際対策全体の流れの中で、これからの動向もしっかり踏まえた上で判断していきたいと思っています。
(内閣広報官)
それでは、次の京都新聞の国貞さん。
(記者)
京都新聞の国貞と申します。よろしくお願いします。
冒頭、総理の発言でもありましたけれども、ウクライナからの避難民の方への支援についてお伺いします。全国の自治体では既に具体的にどういった形で避難民の方を支援していくかという、例えば住居であったり、生活であったり、言葉の問題であったりということをしているのですが、その中で、仮に避難が長期化してくるようであれば、あと、人数もどんどん増えてきますと、自治体とかにかかる負担というものが一定大きくなってくると思うのですが、政府としては、自治体に対しては、どのような姿勢でどういった支援メニューを実行できるとお考えか、お聞かせください。
(岸田総理)
まず、ウクライナ避難民の方々を受け入れるに当たって、多くの自治体、あるいは民間の企業の方々など、関係者の方々が多く、是非支援したいという申出をしてくださっていること、これは大変心強いことであると受け止めています。そして、是非こうした方々と協力しながら、避難民の方々の受入れを円滑に行っていきたいと思っています。ただ、まずは今、対策として、その避難民の方々一人一人に対して、どのような支援ができるのか、こういった観点から様々な支援の中身を明らかにさせていただいています。
そして、自治体等に対する支援という部分については、今後の課題として、官房長官の下に設けられています調整会議において、今後検討していくということになると思います。そういった手順で避難民の方々の日本での生活を支えるために、対策を準備していきたいと思っています。
以上です。
(内閣広報官)
それでは、次の方、北海道新聞、石井さん。
(記者)
北海道新聞の石井です。よろしくお願いします。
先ほどの外交官追放の話なのですが、追放することによって、漁業交渉などの交渉に、今後、対話の窓口を閉ざすことにはつながらないのでしょうか。
(岸田総理)
先ほどの外交官の退去を求めるということについては、先ほど申し上げたとおりでありますが、それに対する影響はどうかという御質問だと思いますが、これに対してロシアがどう反応するのか、それはいろいろなことが想定されます。ただ、先ほどもこれも申し上げさせていただきましたが、具体的な対応は何も明らかになっていないわけでありますから、今の段階で私のほうから仮定に基づいて何か申し上げるということは控えなければならないと思います。まずは、日本の対応についてしっかり明らかにしていく、そして、関係国や日本の国民の皆さんにしっかり理解していただく、これがまず大事であると考えています。
(内閣広報官)
それでは、朝日新聞、池尻さん。
(記者)
朝日新聞の池尻です。
ウクライナの侵攻に絡みまして、G20(金融・世界経済に関する首脳会合)の複数の会合について、アメリカが、ロシアが参加するならもう参加しないという考えを表明しています。これについて日本はどうするのか、教えてください。
また、プーチン大統領は11月のG20首脳会議に出席の意向と伝えられていますが、プーチン氏の参加の意向をどう受け止めているのかを教えてください。
(岸田総理)
まず、G20についてですが、国際社会は、ロシアによるウクライナの侵略によって、ロシアとの関係をこれまでどおりにすることはもはやできない、そのように考えていると認識しています。先般のG7首脳会合においても、国際機関や多国間フォーラムは、もはやこれまでどおりにロシアとの間で活動を行うべきではない、こういった点で一致しております。
その上でG20への対応ですが、G20へのロシアの参加については、まずは議長国であるインドネシアを始め、G20のメンバーと議論をしていかなければならないと思います。今後の情勢をよく踏まえた上で、そうした議論を行い、そして、適切に対応するということであります。今の段階で予断を持って何か申し上げるのは控えます。
以上です。
(内閣広報官)
次の方。それでは、東京新聞の山口さん。
(記者)
東京新聞、中日新聞の山口です。よろしくお願いします。
今回のロシアのウクライナ侵略を受けて、日本はウクライナから避難民を積極的に受け入れています。一方で、これまで同じように迫害されたり、命の危険があったり、紛争に巻き込まれたシリアですとかアフガニスタン、ミャンマーなどからの難民については、受入れに極めて政府は消極的だったと思います。同じ命の人道的な問題であるのに、平等に扱うべきではなかったかと考えますが、今後、ウクライナ以外からの避難民等についても、手厚く保護したり、支援したりする考えがあるのかも伺います。
また、今後、入管難民法を改正するなどして、難民条約上の難民以外についても、制度化して支援していく考えが総理にあるのかも併せてお願いいたします。
(岸田総理)
まず、ウクライナ避難民の方々については、先ほど来申し上げておりますように、我が国としてもしっかりとした人道的な見地から対応していかなければいけないということで、様々な措置を対応させていただいています。
御質問の趣旨は、それをもっと一般化して難民等に対しても対応を考えていく用意があるかどうか、こういった趣旨だと思いますが、まず、今回の件については、現地のニーズ等もしっかり踏まえながら適切に対応していくべく、調整会議において具体的に対応を考えていきたいと思っています。ただ、それを更に一般的に議論を広げていくかということについては、我が国の難民に対する対応、基本的な考え方についての議論ということでありますので、これは改めて正式に政府としても、国会での議論等も踏まえながら対応していかなければいけない課題であると思います。今、たちまちこの時点でその部分について何か変更するというようなことについては考えてはおりません。引き続き、重要な課題として、政府としても今後どうあるべきなのか、国際情勢もしっかり踏まえながら考えていくべき課題であると認識しています。
以上です。
(内閣広報官)
それでは、大変恐縮ですが、この後の総理日程との関係であと2問とさせていただきます。産経新聞、田村さん。
(記者)
産経新聞の田村です。よろしくお願いします。
中国についてお伺いします。G7がロシア制裁を強めていく一方で、中国は、ロシアを支援したり、制裁の抜け穴になったりすることが懸念されています。日本として、中国に対していかに働き掛けを行っていくか。また、仮に、中国が軍事物資の提供などでロシアを支援した場合、日本として中国に対する制裁も検討する考えはあるか。総理の考えをお聞かせください。
(岸田総理)
まず、昨晩発表されましたG7の首脳声明においては、制裁の回避、迂回(うかい)、バックフィルを通じた制裁破りを防止するための対応を強化していく、こうしたことで一致しております。そして、我が国としても、具体的に暗号資産を用いたロシアの制裁回避に対応し、制裁の実効性を更に強化すべく、今国会で外為法の改正を行うための法案を既に提出をしております。そして、中国とロシア、この両国は、近年特に緊密な関係を維持しています。我が国として、これまで様々なレベルで中国に対しても責任ある行動を呼び掛けてきており、引き続きG7を始めとした関係国と連携しながら対応していきたいと思います。我が国としては、制裁の抜け道が生じないよう、G7を始めとする国際社会と緊密に連携して、ロシアへの外交的、経済的圧力を強化すべく、適切に対応していきたいと思います。この方針にのっとってまいります。
中国に対して制裁をするのかというような話、これは仮定の話でありますので、お答えすることは控えます。
(内閣広報官)
それでは、読売新聞、宮井さん。
(記者)
読売新聞の宮井です。
ロシアからの石炭を段階的に輸入を停止するというお話でしたけれども、日本のロシアからの石炭の輸入量はそれなりに多いと思うのですけれども、段階的というのはどれぐらいのスパンを想定されているのでしょうか。
(岸田総理)
石炭の禁輸について、ロシア産の石炭は様々な分野において利用されています。電力のみならず、セメントや鉄鋼、様々な分野で利用されている、使用されている、こうしたことですので、それぞれの分野の実態をしっかり踏まえていかなければならないと思います。そして、それぞれにおいて代替策を見つけながら、輸入禁止を実現する、こうした流れを考えています。どれぐらいの期間かということでありますが、これは今、申し上げました様々な分野の状況をしっかり踏まえながら、そして代替策の確認等もしっかり踏まえながら、その適切な時期を考えていかなければならないと思います。具体的に、一律に、今、これだけの期間と申し上げることは控えます。是非、それぞれの分野や業界において適切な対応をし、そして最終的には禁輸に持っていきたいと考えております。
以上です。
(内閣広報官)
それでは、大変恐縮ですが、現在挙手いただいている方につきましては、後ほど1問、担当宛てにメールでお送りください。後日、書面にて回答させていただきます。
以上をもちまして、本日の総理大臣記者会見を終了させていただきます。
御協力ありがとうございました。