[文書名] 兵庫県訪問等についての会見
(視察等の感想、今回の視察を新しい資本主義の実現に向けてどのように活かしていくかについて)
まず、神戸港を視察させていただきまして、港湾の自動化による生産性向上、あるいは脱炭素化といった取組についてお伺いいたしました。国際物流を取り巻く環境について、また、こうした取組の重要性についてお話を聞かせていただき、認識を新たにいたしました。デジタル化などへの取組を進め、是非我が国の港湾の競争力、国際的な競争力向上に努めていかなければならない、こうしたことを強く感じた次第です。また、この脱炭素化には、水素社会への移行、水素社会の構築、これが大きな鍵になると認識をしております。今回、世界初の大規模海上輸送に成功したということ、これは大変画期的なことであると認識をしています。今後策定していきますグリーン・エネルギー戦略の柱に据えて、需給両面から導入拡大を早期に促すための投資規模について、野心的な見通しをしっかり示しながら、官民連携の下、カーボンニュートラルの実現という目標に見合った大胆な支援策を講じていきたいと考えています。そして車座につきましては、創薬あるいはバイオものづくり等の分野で活躍しておられるスタートアップの皆さんと意見交換をさせていただきました。資金調達の困難さ、こうした声が大変印象的でありました。その中にあって、岸田内閣としても打ち出しています創薬ベンチャー・エコシステム支援制度等に対して評価をしていただいたことは大変心強く思ってはおりますが、今後、スタートアップ5か年計画の策定において、今日の声もしっかりと踏まえながら、より踏み込んだ支援策を考えていかなければならない、こんなことも感じました。そして、新しい資本主義との関係についても御質問がありましたが、このスタートアップ、今、この現代型のスタートアップっていうのは、それぞれ社会的な課題に挑戦をすると、そのことによって今後経済的な成長も実現する、こうした二兎(にと)を追うことを目指している、こうしたスタートアップが多数見受けられます。それが主流であると感じていますが、これは正に、社会課題を成長のエンジンに変えてしまおうとしている新しい資本主義の考え方と基本的に一致するものであると考えています。新しい資本主義を進める上にあって、スタートアップの存在、これは大変大きなものがあるとは考えています。是非、こうした考え方の下に集中的な投資を行っていくように、新しい資本主義の実行計画の中にもこうした考え方を反映できればと思っています。
(ロシアからの石炭の段階的な輸入削減による電気料金などの価格高騰のおそれへの対応について)
昨日も再三聞かれましたが、何度でもお答えいたしますが、価格高騰については、可能な限り回避するべく代替調達をしっかり進めなければならない、あるいは原材料の安定供給に向けて、努力をしていかなければならない、このように思っています。既に価格高騰については、原油の激変緩和措置など様々な取組を進めているところではありますが、今後の不透明な状況を考えますときに、まだまだしっかりとした備えをしておかなければならないということで、4月中に原油価格あるいは物価高騰等の総合緊急対策、これを取りまとめることを指示しています。是非こうした対策をしっかりと進めること等を通じて、今後の様々な動きにもしっかり対応していかなければならないと思います。国民の皆さんにも、こうした物価の動きの中で様々な御苦労をお掛けするわけでありますが、これはそもそも国際的な社会が平和・秩序を守るために一致結束して、平和・秩序を守るための正念場であるということを御理解いただいて、政府としましてもしっかりとした物価対策、国民の皆さんの生活や、あるいは経済を守るために対策は講じていきたいと思いますが、是非、こうした国際的な動きにも御理解をいただき、国民の皆さんにも、引き続き御協力をお願いしていかなければならない、このように思っております。