[文書名] G7首脳テレビ会議等についての会見
(G7首脳テレビ会議について)
本日未明、G7のテレビ首脳会議に参加し、G7の首脳及びウクライナ・ゼレンスキー大統領との間で率直な議論を行い、G7とウクライナの連帯を改めて確認する会議となりました。私からは、5月5日に発表した日本のロシアに対する制裁措置の追加措置を紹介するとともに、日本のウクライナ及び周辺国に対する支援と、その実施状況、これを紹介させていただきました。その中で、石油についてもエネルギー資源の大宗を輸入に頼っている我が国としては、大変厳しい決断ではありますが、G7の結束が何よりも重要な時であり、今回のG7首脳声明も踏まえ、ロシア産石油の原則禁輸という措置を採ることといたしました。また先週、インドネシア、ベトナム、タイを訪問し、国際法の下で主権や領土の一体性が尊重されなければならないこと、また、力による一方的な現状変更は許されないという、最も基本的な考え方を共通の認識として確認できた、こうしたことを紹介いたしました。日本としては引き続き、国際秩序を守り抜くべく、G7や関係国と緊密に連携していく考えであります。以上が、本日未明のG7の首脳テレビ会議の概要です。
(ロシアが戦勝記念日を契機として軍事侵攻の激化や、核の使用をちらつかせた威嚇の増加の懸念もある中での総理の認識について)
まず、戦勝記念日におけるロシアの思惑については、私から何か申し上げる立場ではないと思いますが、いずれにせよ今、国際秩序の揺らぎが懸念されている中でありますので、国際社会の結束が大事であるということを強く感じています。そうした中ですので、国際社会が結束して強い制裁措置を課すこと、そしてウクライナ及び周辺国に対する支援をしっかり行うこと、制裁と支援、この重要性を改めて感じているところです。
(石油の原則禁輸の措置の具体的な内容について)
石油の輸入の削減、あるいは停止の時期などについては、今後、実態を踏まえ検討してまいります。すなわち時間をかけてフェーズアウトのステップを採っていくということであります。
(天然ガスの輸入の取扱いについて)
先ほど申し上げましたけれども、今回のG7首脳声明を踏まえて、我が国として結束するために何をしなければならないのか、それを考えた結果、石油について対応を明らかにしたということであります。G7を始め、EU(欧州連合)その他関係国、様々な議論を行っているようです。その状況も踏まえながら、我が国として国際社会の結束を重視する観点から何をしなければいけないのか、それを一つ一つ考えていくということであります。今回は、今回のG7の首脳声明の中身、これを踏まえた対応ということであります。
(原発の本格的な再稼働に関する考えについて)
原発の再稼働については、安全性を最優先にしながら進めていく、こういった方針を申し上げてきました。改めてとおっしゃいましたが、全く方針は変わっておりません。安全性、最優先にしながら、原子力規制委員会の基準にしっかり合ったものについては、地元の皆さんの理解をしっかり得ることを前提としながら再稼働を進めていく、この方針は従来どおりであります。こうした方針をしっかりと進めていくということであります。
(サハリン1、サハリン2の権益について)
権益を維持するという点については変わってはおりません。我が国が有する権益からの石油輸入については、エネルギーの長期かつ安価な安定供給に貢献していることを踏まえて、国民生活や事業活動への悪影響を最小化する方法でフェーズアウトのステップを採っていく、先ほど申し上げたとおりでありますが、権益については、これは維持するという方針は変わりはありません。
(韓国大統領の就任式出席のため、林外務大臣を派遣したねらいについて)
まず、林外務大臣、尹(ユン)大統領の就任式に出席をするわけでありますので、改めて尹大統領の就任についてはお喜びを申し上げたいと思います。その上で、今、国際社会、国際秩序の根幹が揺らぎかねない、こうした事態を前にして、改めて日韓、あるいは日米韓の協力の重要性を強く感じております。日韓の間においては、御承知のように難しい問題が存在するわけではありますが、このまま放置することはできないとも思っています。国と国との約束は守る、これは基本としながら、先日の代表団とのやり取りも踏まえ、我が国の一貫した立場に基づいて取組を進めていきたいと考えています。