[文書名] 京都府訪問等についての会見
(京都を拠点に活動する文化芸術関係者と意見交換された感想及び2025年大阪・関西万博に向けて期待されることについて)
本日は、文化庁の京都移転に伴う準備状況について視察するとともに、京都を中心に活躍されている文化芸術の担い手の皆様方と意見交換をさせていただきました。意見交換の中においては、古くからの伝統文化を大切にしつつ、テクノロジー等を活用した新たな文化芸術の創造を行っている方もおられ、日本を元気にする文化芸術の重要性を改めて実感いたしました。これからを担う若い力も感じさせいただき、未来に対して、明るいものも感じた、こんなやり取りだったと思っています。そして、文化芸術の新たな政策パッケージであります「Worldwide Art Blossom Initiative」、略して「WABI(ワビ)」と言っていますが、このパッケージを踏まえて、新たな文化芸術推進基本計画これを策定してまいたいと思っています。そしてその検討に当たっては、文化芸術による地域の活性化ですとか、国内外への発信など、今日頂いた御意見もしっかり踏まえさせていただきながら計画策定を進めていかなければならないと思っていますが、その際に、文化審議会を京都で開催し、企画立案を進めていくことを都倉(文化庁)長官にもお願いしたということであります。
そして御質問の2025年の大阪・関西万博に対する期待ということでありますが、これにつきましては、全世界が新型コロナとの闘いに臨み、そしてそのパンデミックから立ち直ろうとしている、こうした中で「いのち輝く未来社会」、これをテーマに、大阪・関西万博は開催されるわけですが、是非、誰もがいきいきと生きることができる社会、こうした社会の実現に向けて、思いを世界に発信できるこうした万博であってほしいと思っています。そして、この万博を文化の観点からも盛り上げることができるように、文化庁を中心に、官民一体となって、そして関係省庁一体となって、日本の美と心を発信する「日本博2.0」、これを速やかに進めていきたいと考えています。
(文化庁の京都移転について)
1点目、閣議決定の内容に変更がないかという点につきましては、変更はありません。本日は、文化庁移転に係る準備状況を視察させていただきましたが、来年3月27日に、文化庁長官を始め京都の新しい文化庁での業務を開始することといたします。そして、職員の移転ということについては、大型連休明けの5月15日に、職員の大半が移転することを目指すこと、これを決定いたしました。改めて明らかにさせていただきます。そしてこういった日程に基づいて文化庁を移転するわけですが、移転が本格化する令和5年度の予算要求に向けて、準備を着実に進めていく、こうしたことも確認した次第です。そして、京都への文化庁移転の意味についてですが、京都、古くから伝統文化を大事にしながら新たな文化を国内外に発信し続けている、こうした歴史を重ねてこられました。こうした京都に文化庁が移転するということ、これは単に、東京の一極集中の是正にとどまらずに、文化芸術のグローバルな展開、文化芸術のDX(デジタルトランスフォーメーション)化、観光や地域創成に向けた文化財の保存活用、こうした新たな文化行政を一層進める上で大きな契機になると期待をしています。そして、移転に当たっての課題ということですが、例えば、国会対応とか、様々な課題があるのではないか、こういった指摘を受けてきています。しかし、例えば国会対応についても東京に残っているスタッフと連携しつつ、リモートで業務を進めるなどDX化を進めることによって、こうした課題にもしっかり対応していきたいと思っています。こういった点についてはデジタル庁を司令塔としながら、各府省のシステム統合も進めており、このことが働き方改革にもつながるんではないか、こうした期待もしています。こういった形で京都に文化庁が移ることによって、様々な課題が指摘されていることに対しても、しっかりと対応し、京都においてしっかりとした文化行政を進めていきたいと思っています。
(バイデン米大統領の訪日について)
明日にもバイデン大統領訪日され、そして23日に日米首脳会談を行うことを予定しています。安全保障、ウクライナですとか、あるいはウクライナ情勢を始めとする地域情勢、また、経済、さらには気候変動ですとか、核軍縮を始めとする地球規模の課題といった重要な共通課題について、対面で率直に意見交換をしたいと思っています。その際には、日米の首脳間において、信頼関係を深めるということ、これも大事なことですし、併せて日米同盟の更なる強化、これもしっかり確認したいと思いますし、「自由で開かれたインド太平洋」の実現、こうした取組についても緊密な連携を確認したいと思います。
(東シナ海における日中中間線の西側で新たな構造物が確認されたことについて)
おっしゃるように、東シナ海の日中の地理的中間線の西側において中国による新たな構造物設置があったという動きについては、承知しています。まず我が国としては、東シナ海の排他的経済水域及び大陸棚の境界、これは未だ確定していない状況において、中国側が同海域において一方的に開発を進めるということ、これは極めて遺憾であり、日本側としては認めることができないと考えます。これが日本の立場であり、本件については外交ルートを通じて中国側に対して強く抗議をしております。東シナ海資源開発に関する日中間の協力に関する2008年合意という合意があります。この合意の実施に関する交渉再開に早期に応ずるよう中国側に改めて強く求めたところです。