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日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 新型コロナウイルス感染症対策等についての会見(岸田内閣総理大臣)

[場所] 
[年月日] 2022年8月24日
[出典] 首相官邸
[備考] 
[全文] 

(加藤厚生労働大臣や山際経済再生担当大臣などとの協議について)

 まず本日、国内コロナ対策と水際対策について、私と関係閣僚で協議を行いました。また先ほど、専門家とも意見交換を行いました。

 まず国内コロナ対策についてですが、私たちはこれまで6回の感染の波を乗り越えてきました。その中で、日常生活や経済活動における感染防止の取組、科学的知見の積み重ね、そして医療体制を始めとする政府、自治体の取組など、我が国全体として対応力が強化されています。足元では3年ぶりに行動制限がなかったお盆休みが明けて、引き続き高い感染状況が続いています。まずは、高齢者始めリスクの高い方々の命を守ることを最優先に考え、足元の感染状況に対する更なる対策強化を指示いたしましたので、本日はそのポイントについてお話をいたします。同時にウィズコロナに向けた新たな段階への移行について、専門家や自治体との調整を含め、検討が順調に進んでいることを確認いたしました。その全体像、すなわち、療養の考え方の転換、全国ベースでの全数届出の見直し、そして陽性者の隔離期間の短縮などについては、感染状況の推移をしっかり見た上で、できるだけ速やかにお示しをしてまいります。そして足元の対策強化のポイントですが、以下の3点であります。

 まず第1に、保健所や発熱外来のひっ迫緩和です。これまでもHER-SYS入力の簡素化、検査キットを活用した発熱外来自己検査などを進めているところですが、発熱外来の更なる拡充など、追加策を講じます。特に、発熱外来や保健所業務が相当にひっ迫した地域においては、緊急避難措置として、自治体の判断で患者届出の範囲を高齢者、入院を要する者、重症リスクがあり治療薬投与等が必要な方などに限定することを可能といたします。これによって、医療機関等において必要な方への診療時間を確保していきます。

 第2に、症状の軽い方々への対応のため、どこでも検査キットが手に入るよう、今月中に検査キットをOTC化するとともに、健康フォローアップセンターを全都道府県に整備し、発熱外来自己検査体制を更に強化いたします。

 第3に、引き続き5万の最大確保病床、高齢者施設における療養体制の支援など、高齢者や重症リスクのある方々を中心とした保健医療体制に万全を期してまいります。次に水際対策については、入国者総数、出国前検査、入国時検疫対応などの各種措置について、今後、更に緩和することといたします。まずは、特に日本から海外に渡航する方々が不便を感じている日本帰国時の出国前検査について、9月7日より入国前72時間以内の陰性検査に代えて、ワクチン接種証明の利用を可能といたします。その他の各種措置についても、感染状況を踏まえつつ速やかに公表いたします。

 以上、緊急に講ずる国内感染対策と水際対策についてポイントを申し上げました。詳細は、それぞれ、厚生労働大臣、官房長官から別途御説明をいたします。ウイルスとの闘いは容易ではありませんが、過度に恐れることなく、変化するオミクロン株の特性を踏まえながら、できる限り感染防止と社会経済活動の両立を実現していくため、対応を加速してまいります。

(水際対策、出国前検査について)

 まず、水際対策についてはG7並みの円滑な入国が可能となるよう、内外の感染状況やニーズ、主要国の水際措置などを勘案しながら段階的に緩和を進めていくという方針であります。そして入国者総数の上限についても検疫体制の整備を進めて、感染状況を踏まえながら速やかに公表をしていきたいと思っております。そして、もう一つが、入国に際して、9月7日からは、ワクチン3回接種完了者に対しては出国前検査の陰性証明書の提出を求めない、このようにしたいと考えております。

(新型コロナウイルスの感染者の療養期間について)

 陽性者の隔離期間の短縮については、今後、全体的な感染状況の推移をしっかり見た上で、全数届出の更なる見直しと合わせて、陽性者の隔離期間の短縮などを含めた「全体像」、これをできるだけ速やかに公表したいと考えております。新型コロナウイルスの特性を踏まえながら、できる限り感染防止と社会経済活動の両立を実現していくため、ウィズコロナに向けた対応を加速していきたいと考えています。具体的にどれだけ短くするかということについて、現状は御案内のとおりであります。これを更に短く、どこまで短くすることができるのか、専門家の意見も踏まえながら確定をし、できるだけ早く、それを明らかにしたいと考えています。

(緊急避難的措置での患者届出の限定について)

 全数届出の見直しについては、コロナ陽性者の対応については、病床確保など症状の重い方々への体制強化とあわせて、症状が軽い方への対応についても、検査キットの十分な普及、健康フォローアップセンターの体制強化など新たな対応が整ってきたところです。札幌においては4割、東京、大阪においては1割から2割の方がこの新しい仕組みを活用している、こうした現状にあります。こうしたことから、発熱外来や保健所業務が相当に切迫した地域においては、医療機関等において必要な方への診療時間を確保するため自治体の判断で、今回、緊急避難的に全数届出を見直すことができる、このようにした次第であります。今後、全国一律に見直すということについても、感染状況を見ながら取組を進めていきたいと思っております。

(全数届出の見直しに関しての懸念について)

 詳細については、厚生労働大臣の方から改めて詳しく説明をさせていただきたいと思いますが、先ほど申し上げたように、各自治体の判断で届出する対象を絞ることができることにするわけですが、ただし届出対象外の方についても、陽性者数、数については把握することを原則とする、こうした対応にしたいと考えております。こうした対応を行いながら現場や実態をしっかり把握した上で、全体の体制の切替えに向けて努力を続けていきたい、このように思っています。

(総理の後援会関係者などをめぐり旧統一教会との関係を指摘する報道について、本件以外に総理自身の旧統一教会との関係について、悪質商法などをめぐる被害者救済に向けた対策や自民党としての対応で新たに検討しているものについて)

 3点ほど御質問いただいたと思いますが、まず1点目の週刊誌の報道についてですが、これまでも申し上げているとおり、私自身は知り得る限り旧統一教会との関係はありません。一部週刊誌で私の支援者や広島県の一部国会議員、地方議員が旧統一教会と関係がある団体の役職にあった等の記事が掲載されましたが、いずれの方も旧統一教会と少しでも関係がある団体に関連しているとの意識がなかったと聞いております。何点か週刊誌の中で御指摘を頂いていますが、まず第1に、私の熊本後援会の会長である中山氏については、御指摘の会議についても旧統一教会に関連しているという認識がなかった。さらに同会議は既に辞められたと聞いております。第2に、全国教育問題協議会への寄稿について御指摘がありますが、同協議会の理事長であります中尾氏が私の地元の支援者であるというつながりで対応したものであります。中尾理事長は、同協議会は旧統一教会の関連団体ではないと言明をしておられます。第3に、広島県関係の議員についても、記事中に記載されておりますが、私自身は彼らの活動を逐一知る立場にはありませんし、記事の内容は全く知らないことでありました。改めて今回の記事を受けて確認をしたところ、議員らは協議会やイベントが旧統一教会に関連したものであることの認識などなく参加したものであり、今後は旧統一教会との関係について誤解を受けることがないよう点検を徹底して関係を断つということでありました。

 そして、質問の2つ目で悪質商法等に対する対応という部分につきましては、私からはもう既に関係省庁に対して、宗教団体も社会の一員として関係法令を遵守しなければならない、これは当然のことであり、仮に法令から逸脱する行為があれば厳正に対処すること、また法務大臣始め関係大臣においては、悪質商法などの不法行為の相談、被害者の救済に連携して万全を尽くすということ、この2点指示しております。まずはこうした政府としての対応をしっかり点検していくことが重要であると考えております。そして、そうした取組の中で、22日の日に葉梨法務大臣から18日に開催した関係省庁連絡会議の結果を踏まえて、9月初旬から相談集中強化期間を設定すること、また合同電話相談窓口を設置すること、こうしたことの報告があり、私からは被害者救済の観点から、相談の体制や相談機関を強化する方向でしっかり検討し、連携して対応に万全を期すよう指示を出したところです。また、河野大臣からも、いわゆる霊感商法や寄付について、消費者対策や市民の保護の観点から早急に有識者会議を立ち上げ、対策の検討を行いたいとの説明があり、私の方からは、早急に検討を進め、関係大臣と連携し対応をしっかり具体化するよう指示を行ったところです。政府としては被害に遭われている方等に対して十分対応しているのか、関係法令との関係を改めて確認しながらしっかり対応していきたいと思います。

 そして3点目、自民党としてどう対応を考えているか。この点につきましては、まず、従来から各議員がそれぞれの旧統一教会の関係等について明らかに説明をし、そしてそれに基づいて厳正に対応を見直す、こうした指示を行ってきたところでありますが、これ幹事長も明らかにしていますが、自民党においては、その社会的に問題が指摘されている団体との関係を持たないことについて、党のガバナンスコードに盛り込むとともにチェック体制を強化すべく検討を進めているところです。自民党総裁としては、もう一段踏み込んだ実効的な体制の整備を始め、国民の皆さんの不信を払拭するための方策について、幹事長とも協議をし必要な指示を行っていきたいと考えております。以上3点であります。

(8月10日の会見での総理の発言について)

 先ほど御説明をさせていただきましたが、その上で、私自身、旧統一教会との関係はないという認識は変わりはありませんということを申し上げております。様々な指摘がありましたが、先ほど御説明したとおりであります。そしてその説明を行った上で、私自身、旧統一教会との関係はないという認識が変わっていないということを申し上げている次第であります。

(自民党として議員の関係を調査するのかについて)

 自民党の対応については先ほど申し上げさせていただきましたように、党としてもう一段踏み込んだ対応が必要であるという認識の下に、私も幹事長と、あるいは党の役員と今協議を行っているところであります。しっかり協議を行い、国民の皆さんに対してしっかり発信をしていきたいと考えております。その上で中身を明らかにしていきたいと考えます。