[文書名]　尹韓国大統領との電話会談等についての会見（岸田内閣総理大臣）

（尹錫悦（ユン・ソンニョル）韓国大統領との電話会談の内容及び元徴用工問題への韓国側からの言及の有無について）

　まず、先ほど２５分間、韓国、尹錫悦大統領と電話会談を行いました。５年ぶりとなる我が国上空を通過する弾道ミサイルが４日の日に、そして今日６日の日も弾道ミサイルの発射があるなど９月末からの短期間だけ取ってみても、６回のこうした弾道ミサイルの発射が行われている。このことは、我が国・地域あるいは国際社会の平和と安定に対する深刻な挑戦であるという認識の下で、日本と韓国共にこうした行為を強く非難する、こういったことでは一致いたしました。あわせて、日米同盟、そして米韓同盟の抑止力・対処力の重要性、さらには日米韓の安全保障協力、こうしたことの重要性も確認した次第ですし、また、国連の安保理においても、この安保理決議の下に、北朝鮮に決議の内容、これをしっかりと非核化に向けて従わせる、こうしたことについても、安保理における更なる対応等において日米、日韓、それから、日米韓、更なる連携をしていく必要がある、こうしたことで一致した、こうしたやり取りでありました。そして、もう一つの御質問の日韓関係の様々な課題については、ごく短いやり取りはありました。しかし、会談のほとんどは、この北朝鮮をめぐるやり取りであった、そうした状況でした。

（北朝鮮による核実験の懸念への言及の有無について）

　具体的に核実験についてはやり取りはありませんでした。しかし、北朝鮮の更なる挑発行動については引き続き注視していきたいと思います。

（日韓首脳間での対話を更に進展させていく考えの有無について）

　これは従来から申し上げているように、日韓の間で意思疎通を図っていくことは重要であると思います。今日も首脳間で電話会談を行いましたが、こうした意思疎通はこれからも行っていきたいと思っています。

（韓国と今後どのように関係改善を図っていくかについて）

　日本と韓国、二国間関係については、様々な課題は存在いたしますが、こうした北朝鮮問題等の様々な課題を考えますときに、１９６５年の日韓請求権協定以来積み重ねてきた友好関係に基づいて、未来志向で関係を発展させていくことは重要であると思います。そのために先日の国連総会における尹大統領とのやり取りの中でも、外交当局間で、こうした課題について今やり取りを行っているわけですが、そういった課題に向けて取組を外交当局間でもしっかりと協議を進めていく、議論を進めていく、こうしたことを促していく、こうしたことでは首脳間で一致したということです。是非、こうした取組を通じて二国間関係、未来志向で考えていきたいと思っています。

（韓国軍によるレーダー照射問題の解決に向けたやり取りの有無について）

　今日は、その点について具体的なやり取りはありません。最も大きな懸案事項であります労働者問題を中心に、今、外交当局間でもやり取りをしているわけですが、それ以外の課題も御指摘のように存在いたします。それらの課題についても、一つ一つ意思疎通を図っていくことによって、全体として、日韓関係を未来志向のものにしていく努力は続けていかなければならないと思っています。そのためにも、意思疎通を様々なレベルで図っていくことは重要であると思っています。