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日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 令和5年度予算成立等についての会見(岸田内閣総理大臣)

[場所] 
[年月日] 2023年3月28日
[出典] 首相官邸
[備考] 
[全文] 

(令和5年度予算成立について)

 まず、先ほど、参議院本会議場におきまして、令和5年度予算が可決、成立いたしました。それについて、ポイントを3点申し上げたいと思います。第一は、新しい資本主義の実現です。成長と分配の好循環を実現する鍵となる持続的な賃上げと、5年で1兆円の人への投資、そして、エネルギーの安定供給と脱炭素の両立を図るためのGX(グリーン・トランスフォーメーション)実現に向けた成長志向型カーボンプライシングによる150兆円規模の官民投資の推進、さらには地方創生に向けたデジタル田園都市国家構想、また、食料安全保障の強化、防災・減災、国土強靱(きょうじん)化の推進、こうした政策により、新型コロナ後の日本経済の再生、これを進めるということであります。2点目のポイントが、今のもう一つの質問にも関わりますが、こども・子育て支援の強化です。来年度予算には先行して、出産育児一時金の50万円の引上げ、また、妊娠時から出産・子育てまで一貫した伴走型支援と、10万円相当の経済的支援の継続的実施、こうしたものを盛り込みました。さらに、これはもう一つの質問に対するお答えになると思いますが、こども・子育て政策の強化に向けて、今週中にも小倉大臣にたたき台をパッケージで取りまとめてもらいます。4月1日には、こども家庭庁、これが発足いたします。そしてその後は、私が主導する体制で、更に議論を進めて、6月の骨太方針までに、将来的なこども予算倍増に向けた大枠、これをお示ししたいと思っています。そして、3点目のポイントが、防衛力の抜本的強化です。令和5年度から5年間で総額43兆円の防衛予算、これを確保して、戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に対峙(たいじ)し、いかなる事態が生じても、国民の命や暮らしを守り抜いてまいりたいと考えています。こうした令和5年度予算の早期予算成立に御協力をいただきました与野党を始めとする全ての関係者の皆さんに、心より感謝を申し上げたいと思います。今後、速やかに予算の早期執行に向けて取り組んでいきたい、このように考えております。そして、併せてちょっと申し上げたいこととして、本日、閣議において2.2兆円のコロナ物価予備費の使用を決定いたしました。これは、先日取りまとめた物価高克服に向けた追加策においてお示しをいたしました、住民税非課税世帯1世帯当たり3万円を目安とする支援、そして、低所得子育て世帯への児童1人当たり5万円の給付、そして、特別高圧契約向けの電力料金支援やLPガス利用者への支援などの裏付けとなるものです。引き続き、エネルギー、食料品価格の高騰などから国民生活と事業活動、これを守り抜くため、機動的かつ切れ目なく対応してまいります。先週、私はウクライナを訪問し、ロシアによるウクライナ侵略の現場を自分の目で見、そして悲惨な体験をされた方から直接話を伺い、平和への思いを強くいたしましたが、議長国として、我が国が主催するG7広島サミットまで、あと1カ月半となりました。予算審議が終わっても、重要法案の審議が続きます。引き続き気を緩めることなく、丁寧に国会審議に臨みながら、広島サミットへの準備を加速させていきたいと考えています。このタイミングで、G7議長国という重責を担う意味に正面から向き合い、世界の平和と安定に貢献していきたいと考えています。以上です。ですから2番目の質問は、先ほどのポイントの二つ目の後半で、お答えしたことになると思いますので、その部分を御理解いただければと思います。よろしくお願いします。

(内閣支持率上昇の受け止めについて)

 基本的には、支持率について一喜一憂することなく、やるべきことをやっていくという姿勢、これは従来から申し上げてきたところでありますし、これからも、その姿勢は変わらないと思っています。支持率に一喜一憂することなく、新時代のリアリズム外交ですとか、こども・子育て政策を始めとする、先送りできない課題に向けて、答えを出すべく一意専心(いちいせんしん)取り組んでいく、これが大事であると思っています。そして、今後については、間違いなく取り組んでいかなければいけない課題、これは統一地方選挙と衆・参の補欠選挙、こうしたことであると思っています。それと併せて、今申し上げた先送りできない課題について取り組む、今はそれしか考えておりません。

(支持率が回復基調にある要因について)

 要因について、政府として取り組んできた様々な政策課題に対する考え方や姿勢、こういったものが評価されたものであれば、大変、我々としては勇気づけられることではあるとは思います。具体的などこが良かったとか、どこが悪かったとか、そういったことについては申し上げる材料はありませんが、是非、そうした外交への取組、また国内の様々な政策課題への取組、これについて、これからも強い覚悟を持って臨む、これが今後も評価されればと思っております。以上です。

(ロシアの艦艇が日本海で対艦巡行ミサイルの発射練習について)

 本日、ロシア国防省は、日本海において、太平洋艦隊のミサイル艦艇が巡行ミサイルの発射訓練を実施した旨発表したということについて、承知しております。被害情報は入ってきてはおりません。そして、今回のミサイル発射に関するロシア側の意図について申し上げることは控えますが、ロシアのウクライナ侵略が続く中、我が国周辺を含む極東において、ロシア軍がその活動を活発化させており、政府として、こうしたロシア軍の動向について、引き続き、注視をしてまいります。何か発信する考えはないかということでありますが、ロシア側とは必要に応じ、外交上のやり取りを行っております。その内容については、従来から明らかにすることは控えておりますが、政府として、ロシア軍の動向について引き続き注視をしていく、その中で、引き続き、今後とも必要なやり取りは行っていきたいと考えています。