[文書名] 福島県訪問等についての会見(岸田内閣総理大臣)
(福島国際研究教育機構の復興に果たす効果及び高度人材受け入れに対する取組について)
まず、私自身、今日で就任以来9度目の福島県訪問になりますが、今回は浪江町、富岡町、そしていわき市に足を運ばせていただき、復興の取組の現場などを見させていただき、関係者の皆様の話を聞かせていただきました。その中で、御指摘のように、まず市長、村長の皆様とともに、本日設立されたF-REI、福島国際研究教育機構の開所式に出席し、お祝いを申し上げさせていただきました。そして、いわき市の福島工業高等専門学校を訪問し、F-REIと同校の連携協定の締結に立ち会わせていただき、また、在校生の皆様の取組についての説明を聞かせていただくなどを、日程の中に入れさせていただきました。その際には、高専で学んだ技術を、福島を始め、様々な課題解決に結びつける、生き生きとした姿が大変印象的でありました。
そして、F-REIについて何を期待するのか、そして人材についても御質問がありましたが、F-REIについては、創造的復興の中核拠点として、研究開発の成果を通じた福島の産業創出、人材育成確保を進め、福島や東北の復興に貢献していただきたいと思っていますが、そのためにも今後、体制整備を進めなければなりません。数百名規模の国内外の優秀な研究者が集う、世界に冠たる研究機関として成長できるよう、政府挙げてF-REIを支えていきたい、このように思っております。あわせて、今日の視察においては、富岡町において、特定復興再生拠点区域である夜の森地区で、避難指示解除を記念するセレモニーにも出席させていただきました。多くの皆様の笑顔、さらには地元の特産品、また、満開の桜並木、こうしたものをこの目で拝見しまして、復興の新たなスタートを実感することができました。政府としても、更なる環境整備、あるいは産業、生業(なりわい)の創出等に力を尽くしていかなければならない、このように思っております。引き続き、復興に取り組む多くの皆様の姿を胸に、寄り添いながら、復興・再生に政府としても力を尽くしていきたい、このように感じています。
(東日本大震災からの復興に関する令和8年度以降の予算措置など今後の被災地への支援について)
原子力災害被災地域においては、引き続き本格的な復興・再生に向けて、中長期的な対応、これが必要であると認識しております。被災自治体の要望をしっかり踏まえながら、新たな課題やニーズにもきめ細かく対応していく必要があると考えています。そして御質問の令和8年度以降の対応ですが、令和8年度以降においても、引き続き対応が必要な復興事業のための財源については、財源の確保をしっかり行ってまいります。その上で、所要の措置を政府として講じてまいります。この点については、昨年末閣議決定されました、令和5年度税制改正の大綱の中においても、息の長い取組をしっかりと支援できるよう、確実に復興財源を確保する、これを明記しております。この方針に従って、財源を確保し、措置を進めていきたいと考えております。復興施設の財源の確保について、引き続き被災地に寄り添いながら、必要な事業の実施に支障を来さぬよう、万全を期してまいりたいと考えております。
(総理夫人の訪米に関する報道について)
米国から招待されたという報道は聞いておりますが、今現在、何も決まっておりません。仮に実現するのであれば、日米間の信頼増進のために、しっかりと努めてもらいたいと思っております。現状、まだ決まっておりませんので、お答えできるのはそのぐらいです。