[文書名] 韓国訪問等についての会見(岸田内閣総理大臣)
(尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領との信頼構築及び様々なレベルで交流する意義について)
まず、昨晩、大統領の公邸にお招きいただき、個人的なことも含めてお互いの信頼関係を深める意味で、大変有意義な会話をさせていただきました。話題は多岐にわたりました。結果として、信頼関係を深めることができたと感じています。私は、尹大統領との信頼関係を更に強化し、力を合わせて新しい時代を切り拓(ひら)いていきたいと考えています。そして、先ほど、与野党の韓日議員連盟幹部の表敬を受けました。韓日議連、そして日韓議連、これは二国間の関係を支える重要な屋台骨であると感じています。両国の架け橋として努力していただいている議員連盟の皆様方に、改めて感謝を申し上げたところです。こうした両国間の人的交流、これが一層活発化することで、相互理解も深まり、そして、二国間関係に幅と厚みを与えることになると考えています。是非、今後とも様々なレベルでの交流、これを後押ししていく努力は重要であると認識しています。以上です。
(広島サミットにつなげる外遊の成果及び核兵器なき世界に向けた成果文書見通しについて)
まず、ロシアによるウクライナ侵略が長期化する中で、1日も早くこの侵略を終わらせなければなりません。G7広島サミットでは、G7が一致して厳しい対露制裁と、そして強力なウクライナ支援、これを継続していくことを確認するとともに、ウクライナへの揺るぎない連帯を確認する、こうした機会にしたいと考えています。また、G7広島サミットはアジア開催のサミットであることを踏まえて、東アジア情勢を含めた、インド太平洋の課題についてもしっかり議論し、「自由で開かれたインド太平洋」におけるG7の連携、これも確認する機会としたいと思っています。一連の外遊の成果については、今申し上げたようなG7サミットにするために、様々な議論を積み重ねてきたと考えています。そして「核なき世界」という御指摘についてですが、国際的な安全保障環境、これ一層厳しくなっている中、ロシアの核兵器による威嚇、そして北朝鮮の核・ミサイル開発などにより、核兵器のない世界に向けての道のりは、一層厳しくなっていると感じています。しかし、だからこそ、現実を理想に近づけるためにも、再び、気運を盛り上げていきたいと考えています。G7広島サミットを、そうした貴重な機会にしなければならないと思っています。そしてそのためにも、現実的かつ実践的な取組、これを着実に進めていきたいと考えています。こうしたメッセージをどのようにサミットの成果として国際社会に示していくか、これが重要なポイントであり、残り2週間を切ったわけですが、残りの期間、これは連日、G7のシェルパ―を中心として調整協議を続けています。ギリギリまでこうしたどのようなメッセージを発していくのか、こういった点について調整を続けていきたい、このように思っています。以上です。
(少子化対策の財源について)
こども・子育て政策については、小倉大臣のたたき台を踏まえて、私を議長とする、こども未来戦略会議の下で、必要な政策強化の内容、予算、そして財源について具体的な検討を深めているところであり、これは今の段階で個別の財源論について何か申し上げられる、こうした段階ではないと考えています。そして、その際には、従来から申し上げているように、徹底した歳出の見直し、これが大前提であると考えています。そしてその上で、こども・子育て政策の強化のために必要となる財源につきましては、まずは、こども・子育て政策の内容を具体化し、そして、その内容に応じて、各種の社会保険との関係、国と地方の役割、高等教育の支援の在り方など、様々な工夫をしながら、社会全体として、どのように安定的に支えていくか、これを丁寧に考えていく、これが基本的な考え方です。いずれにせよ、6月の骨太方針に向けて、こども未来戦略会議において議論を進めて、そして予算倍増に向けた大枠をお示しする、こうした取組を進めていきたい、このように考えています。ということで、先ほども申し上げましたが、今の段階で私の方から、具体的な財源論について申し上げることは控えなければならないと思います。以上です。