データベース『世界と日本』(代表:田中明彦)
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 広島県訪問等についての会見(岸田内閣総理大臣)

[場所] 
[年月日] 2023年5月13日
[出典] 首相官邸
[備考] 
[全文] 

(本日の視察等の受け止め、サミットでの要人警護の課題への取組及びバイデン大統領のサミット出席について)

 まず今、御指摘のように、本日、国際メディアセンターの開所式に出席したほか、首脳会議場であるグランドプリンスホテル広島や宮島、さらには平和記念公園等を視察させていただきました。前回の視察が昨年12月でありましたが、それから今日までの間、多くの皆様の御努力によって、準備が進んでいることを目の当たりにさせていただきました。サミット本番に向けて、具体的なイメージを持つことができ、改めて気持ちの引き締まる思いがしています。

 そして今、警備についての御質問がありましたが、現場の警備を担う警察官や海上保安官の皆様に対し、高い緊張感を持って、警備を完遂していただきたく、督励を今日行いました。サミットを安全にかつ円滑に進行することは、主催国の責任、重大な責務であると思っています。是非、関係者協力しまして、遺漏なく取組を進めていきたいと考えています。

 そして3点目、バイデン大統領の訪日についてですが、バイデン大統領と米国メディアとの、御指摘のやり取りについては承知しておりますが、あわせて、米国時間12日、ホワイトハウス報道官が、バイデン大統領がG7広島サミット出席のため、17日に米国を出発する。こうした旨発表したことも承知しております。いずれにせよ、これまで打ち合わせた日程に変更があるということは、全く米国側から連絡が来ておりません。

(G7各国や招待国首脳の視察等の予定及び視察等を踏まえ核廃絶の議論の成果や平和へのメッセージ発信にどのように結びつけたいかについて)

 まず、被爆の実相に触れていただき、実相をしっかり伝えていくということは、核軍縮に向けたあらゆる取組の原点であると思っています。こうした観点から、19日、サミット冒頭、訪日するG7首脳夫妻を平和祈念公園で、私自身が、家内と共に出迎えることを予定しています。また、21日に、招待国の首脳及び国際機関の長と共に平和公園を訪れる予定にしています。そして御質問は、具体的なこの視察スケジュールについてですが、どういうスケジュールで、どこを見るのか、あるいは何を見るのか、これは、今、引き続き調整が続いています。私も7年前のG7外相会合、あるいはオバマ大統領の広島訪問、正に現場で指揮をした一人でありますが、そのときの経験からしましても、こうしたスケジュールや、どこを見るかという具体的な点につきましては、会議ギリギリまで調整が続くということではないかと思っています。それが普通でありますので、これはギリギリまで調整が続くのではないかと想像しています。

 G 7広島サミットでは、ロシアが行っているような核兵器による威嚇、ましてや使用はあってはならず、広島と長崎に原爆が投下されてから77年間、核兵器が使用されていない歴史、こうしたものをないがしろにすることは、決して許されないというメッセージを力強く世界に発信したいと思っており、そのために平和記念公園での行事・次第等について、細部を含め、しっかりとこれから詰めを行っていきたい、このように思っています。現状は以上です。