[文書名] 千葉県訪問についての会見(岸田内閣総理大臣)
(先進的な子育て支援施設の視察の感想及び今後の政策にどういかしていくかについて。また、昨日の加速化プランに関する指示について。)
本日、千葉県松戸市に来させていただきまして、子育てに関わっておられる方々から様々な御意見を聴かせていただきました。松戸市は、都心へのアクセスが良い立地にある、こうしたことを利用して、共働き子育てがしやすい環境づくりを充実させているというお話、市長さんから聴かせていただきましたが、お話聴く中で、いろんな働き方や、いろんな生活パターンを持っておられる方がおられる、いわば都市型の子育て支援に必要な具体策を評価したり、求めておられる、こういった声を聴きました。参考になる御示唆をたくさん頂いたと感じています。
ほっとるーむ八柱は、今申し上げたように、共働き家庭だけではなく、乳幼児を育てている子育て家庭を対象に、親子の交遊ですとか、一時預かりですとか、あるいは栄養士など、専門職による子育て相談など、幅広い活動をされておられる。こうした様子を聴かせていただきました。利用者の方々からも、気軽に困ったことを相談できる、また、父親サークルなどを通じて、父親同士のつながり、こうしたことにおいてもきっかけとなった、こういった話を聴かせていただきました。また、産後のつらい時期に、専門スタッフのサポートが得られた、また安心して子供を預けられる、こうした様々な声を聴かせていただきました。
岸田政権で進める、次元の異なる少子化対策においては、親が働いていても、また家にいても、また全てのこども・子育て世帯を切れ目なく支援すること、これを基本理念の一つとしております。その代表策の一つが、こども誰でも通園制度の創設というものであると考えています。これまでの保育所のコンセプトを抜本的に変えて、働いているかどうかを問わず、時間単位等で柔軟に利用できる、新たな通園給付を創設する、このようにしております。速やかに全国的な制度とすべく、来年度、すなわち令和6年度から制度の本格実施を見据えた形で、モデル事業、これを実施してまいりたいと考えています。
そしてもう一つの質問の、昨日の私からの指示についてですが、昨日、関係閣僚に対して、試案の加速化プランに盛り込まれておらず、更に検討とされていた課題、すなわち、高等教育費の更なる支援拡充策と、今後、こども大綱の中で具体化する、貧困、虐待防止、障害児・医療的ケア児に対する支援策、これについては前倒しをして政策の充実を検討し、そして全体として3兆円半ばの充実を図る、このような指示を出したところです。若年人口が急激に減少する2030年代に入るまでが、少子化トレンドを反転することができるラストチャンスだと申し上げてきました。我が国の持てる力を総動員して、スピード感を持って取り組むため、関係閣僚にもう一段努力をするようにと指示を出した次第です。この点を含め、本日夕刻、こども未来戦略会議、開催をいたします。その中で「こども未来戦略方針案」をお示しし、今月中旬の骨太の方針に向けて、取りまとめ、加速させていきたいと考えております。
(異次元の少子化対策の財源について)
何か、年末までに結論を出す、先送りである、こうしたことを報道されていますが、そういった事実はありません。是非、先ほど申し上げました、今日夕刻、こども未来戦略会議でお示しする未来戦略方針案、現物を見ていただきたいと思います。少子化対策の財源については、まずは徹底した歳出改革等によって確保すること、これを原則とし、全世代型社会保障を構築する観点から、歳出改革の取組を徹底するほか、既定予算の最大限活用をいたします。このことによって、実質的に追加負担は生じないこと、これを目指してまいります。こうした財源の基本骨格、本日のこども未来戦略会議でお示しする「こども未来戦略方針案」に盛り込んで、これを委員の皆様と共に確認したいと思っています。繰り返しになりますが、財源議論を先送るという事実はありませんし、そういった批判は当たらないと考えています。是非、方針の現物、見ていただきたいと考えています。