[文書名] 令和5年沖縄全戦没者追悼式についての会見
本日、慰霊の日に当たり、沖縄全戦没者追悼式に参列をさせていただき、献花をさせていただき、また御挨拶もさせていただきました。久しぶりに一般参列の方々も大勢参列されておられる、こうした式典に参列をさせていただきまして、沖縄の方々が経験された苦難を深く心に刻みながら、戦没者の御霊(みたま)に哀悼の誠を捧(ささ)げ、併せて世界の平和に向けて不断の努力を続けていく、こうした思いを誓わせていただいた、こうした式典でありました。改めて、6月23日、この慰霊の日に当たりまして、哀悼の思いを静かに捧げさせていただきたいと思っております。冒頭、以上です。
(沖縄全戦没者追悼式に参列した上で今思うことと、後世に伝えたいことについて)
ここ沖縄は、先の大戦において、悲惨な地上戦の舞台となり、県民の皆様方が筆舌を尽くし難い苦難を経験されました。そして戦後も、復帰まで長い年月を要するなど、多大な苦難を味わった歴史を振り返りながら、御指摘のように、一般参列者の方々も今年は4年ぶりに大勢御参列をされておられた、こうした多くの方々と共に追悼式に参列をさせていただき、沖縄県民の皆様が経験した苦難を改めて深く心に刻むとともに、沖縄の発展、世界の平和の実現に向けて、不断の努力を積み重ねていくこと、これを改めて、決意を新たにした、こうしたところです。私たちが今享受する平和と繁栄、これは戦没者の方々の尊い命と苦難の歴史の上に築かれたものであり、これをしっかりと守り抜いていかなければならない、こういったことを是非、後世にも、引き続き、しっかりと伝えていかなければならないと思います。以上です。
(南西地域の防衛力強化等についての戦争体験者からの指摘及び軍拡のジレンマについて)
戦後、最も厳しく複雑な安全保障環境に対峙(たいじ)する中で、南西地域の防衛体制を強化するということは、国民の皆様の保護の観点からも重要であると認識しています。そして、こうした南西地域の防衛体制の強化とともに、日米同盟の抑止力、対処力を向上させることで、武力攻撃そのものの可能性を低下させる、こうした取組が重要であると考えています。そして今、軍拡のジレンマとおっしゃいましたが、要は安全保障のジレンマについての御質問かと思いますが、この安全保障のジレンマを防ぐ上で重要なこと、これは、周辺国、さらには諸外国に対して、自国の安全保障政策の具体的な考え方等を明確に説明すること、この透明性の確保、これが重要であると考えています。私も、昨年来、首脳会談を重ねる中で、多くの国々に、我が国の安全保障戦略の考え方、内容等について説明をさせていただき、そして多くの国々から理解や支持を頂いてきました。こうした透明性の確保は、私のみならず、政府の様々なレベルを通じて各国にしっかりと示していかなければならない、こうした課題であると思います。私たちの、国民の命や暮らしをしっかり守っていくことの大切さ、そしてそれを基にして、地域の、そして世界の平和と繁栄のために、外交をしっかり進めていく、こうした思いをこれからも丁寧に説明していきたいと考えています。以上です。
(沖縄の基地負担軽減について)
まず、これは挨拶の中でも述べましたが、沖縄の県民の皆様が、こうした大きな基地負担を担っていただいていることについて、政府として、引き続き、重く受け止めなければならない重要な課題であると認識をしています。そして今後どう進めるかということですが、それは正に政府として、これまで様々な議論の中で基地負担の軽減について、具体的な取組について説明をしてきました。挨拶の中でも、西普天間住宅地域の例を1つ挙げましたが、こうした取組を実際に動かしていくということ、そして結果を出すということ、この積み重ねがなければ県民の皆様もこうした取組に対して理解をしていただけないと思います。これからの取組については、今、政府として基地負担に向けて考えている様々なことについて結果を一つ一つ出していく、これが何よりも求められていると感じています。是非そういった努力を続けていきたい、このように思っています。