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日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 福岡県訪問についての会見(岸田内閣総理大臣)

[場所] 
[年月日] 2023年7月27日
[出典] 首相官邸
[備考] 
[全文] 

(大雨の被災地視察による現場の状況の受け止めとこれからの対応及び治水対策の見直しについて)

 まず、最初に、今回の豪雨災害によって、お亡くなりになられた方に哀悼の意を表させていただき、また、全ての被災者の方々にお見舞いを申し上げたいと思います。そして、御指摘のように本日、福岡県久留米市田主丸(たぬしまる)町において、土砂災害のすさまじい被害の現場、目の当たりにさせていただきました。また、被災された方からも、直接、切実なる思いを聞かせていただきました。改めて、平穏な生活を一瞬にして奪い去ってしまう、災害の恐ろしさを実感するとともに、被災された方々の生活再建、そして被災地の復旧支援、政府としてしっかり取り組んでいく決意を新たにした次第です。

 そして、政府としても、これまで谷防災大臣、また斉藤国土交通大臣を派遣し、また自衛隊の派遣や普通交付税の繰上げ交付等を通じて、被災地のニーズを踏まえた支援をしてきたところでありますが、今、御質問にありました激甚災害の指定につきましては、九州北部や、さらには今回の秋田県の被害も含めて、財政面で十分な支援ができるように、指定に向けた手続を早急に進めることといたします。具体的には、農地の災害復旧事業のほか、公共土木施設の災害復旧事業等についても、今回の一連の大雨によるものについては、全国一律に国庫補助の特別措置を行うべく、全国を対象とした激甚災害の指定、いわゆる本激指定に向けた作業、これを進めることといたします。加えて、本日視察しました田主丸町の被災箇所については、福岡県からの要請も踏まえて、砂防工事について、災害関連緊急砂防事業に採択することといたします。

 そして、御質問で、近年、こうした災害が続いているという御指摘がありました。これについては、災害の復旧を急ぐ、これはもちろん大事なことでありますが、事前防災、そして減災対策、これに万全を期すということも重要であると認識しています。本日は、筑後川水系の下弓削(しもゆげ)川における流域治水対策についても視察を行いました。その際に、平成30年7月洪水以降、国、県、市が連携して、総合的な治水事業を推進してきたこと、そして、その結果として、今回の大雨では、平成30年当時を上回る降水量であったにもかかわらず、床上浸水被害が減少した、こういった説明も受けました。明日、政府としては、新たな国土強靭(きょうじん)化基本計画、これを決定することを予定しております。引き続き「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」を着実に推進するとともに、加速化対策後も新たな基本計画に基づいて、国土強靱化のための取組、これをしっかり進めてまいりたいと考えています。以上です。

(福岡市のデジタル化の取組を視察した感想及びマイナンバーカードに関する保険証廃止時期の延期について)

 まず、高島市長の強いリーダーシップの下、役所に行く必要がない行政サービスの実現に取り組まれている福岡市の先進的なデジタル化の取組を拝見させていただきました。また、実際、体験もさせていただきました。利便性を実感した次第です。政府としては、こうした窓口DX(デジタル・トランスフォーメーション)を含め、優良事例を実現するシステムのカタログ、これを来週にも公表し、そして、全国に、早急に横展開するべく、デジタル田園都市国家構想交付金など、各種支援策を拡充していきます。

 そして、マイナンバーカード、現在、総点検を実施しているところですが、このマイナンバーカードについても、車座の対話の中で触れていただきました。そして、明日はですね、介護施設のデジタル活用の現場、これを視察することを予定しています。マイナ保険証への移行の在り方についても、明日の視察等を通じて、医療関係者の意見も含め、現場の意見、これを伺いたいと思っています。御意見を伺いながら、対応について考えていきたいと思っています。