[文書名] 李強・中国国務院総理との立ち話についての会見(岸田内閣総理大臣)
(李強・中国首相(国務院総理)との立ち話の経緯と内容について)
まず、本日行われましたASEAN(東南アジア諸国連合)+3の会合において、私の方から、日本の立場、すなわちALPS(多核種除去設備)処理水について、国際基準にのっとった対応をしているということ、さらにはモニタリングにおいても、透明性を確保して公表しているということ、さらにはIAEA(国際原子力機関)の関与を得て信頼性を確保していることなど、基本的な立場を丁寧に説明いたしました。そしてその中で、日本の対応については、国際社会の多くの国から広く理解をされている、こうした中で中国の、日本の水産物に対する全面的な一時停止ということは突出した対応であるとした上で、科学的な見地に基づいて行動すること、また、正確な情報提供を行うことの重要性について、改めて指摘をいたしました。
そして、この会議の前に、中国・李強首相と立ち話を行いました。その立ち話の中においても同様に、ALPS処理水の我が国の基本的な立場について説明をしたということであります。そして、その中でのやり取りについて質問がありましたが、これは当然、外交のやり取りでありますので、私が申し上げたことについては、これは今申し上げたとおりでありますが、具体的に、先方の反応等について、私から申し上げることは控えなければならないと思っています。
いずれにせよ、これからも、マルチの国際会議ですとか、あるいは二国間の首脳会合等の機会を捉えて、日本として透明性を持って、そしてIAEAの関与を得ながら対応しているという立場や方針について、丁寧に説明をし続けていきたい、このように思っています。私からは以上です。
(G20(金融・世界経済に関する首脳会合)の場での李強首相との会談の予定について)
今はまだ何も決まっておりません。取りあえず今申し上げたように、会議、そしてその前の立ち話を通じて、日本の立場について改めて理解を求めた、こういったことです。
(ASEAN+3首脳会議での中国側への指摘内容について)
いや、日本の今までの立場を丁寧に、今言ったのはポイントだけ申し上げたものであります。丁寧に、今まで再三、公の場で日本の方針について説明してきました。これについて丁寧に説明いたしました。
(禁輸の即時撤回を求めたのか否かについて)
日本の立場を申し上げました。
(明言されない理由について)
日本の立場を申し上げた。これは詳細については、今申し上げたとおりであります。それについて、中国の反応等について申し上げることは控えると申し上げています。
(日本の立場を説明するということに、禁輸の即時撤回も含まれているのかについて)
日本の立場を説明いたしました。日本の立場は再三申し上げているとおりであります。
(日中間での専門家同士の協議を求めたのかについて)
日本の立場を説明いたしました。
(李強首相には岸田総理から声をかけたのかについて)
会議前の待合の場で出会いました。挨拶をする中で会話が始まりました。
(岸田総理から声をかけたという認識でよいか)
目の前にいるわけですから、どっちがと言いませんが、私から声をかけたと申し上げても、別に間違いではないと思います。
(ASEAN+3首脳会議を直前に控えている中で声をかけた意図について)
待合ですから、ほかのASEANの首脳も始め、皆その場にいます。皆、挨拶をします。その中で中国の李強首相とも挨拶をし、そして会話を行った、立ち話を行った、こういったことです。
(李強首相の印象について)
短時間ですから、何か私からはっきりしたことを申し上げるのは難しいですが、一国の首相でいらっしゃいます。見識のある方であると思っております。