[文書名] 栃木県及び茨城県訪問についての会見(岸田内閣総理大臣)
(本日の視察の感想及び今後の政策にどういかしていくかについて)
本日は、まずは栃木県において、自ら飼料生産に取り組む酪農家の方から、現場を見させていただき、また、お話を伺いました。その上で、関係者の皆様と車座対話を行わせていただきました。酪農経営の基盤強化に向けて、輸入飼料価格の高騰の影響、これを極力抑制するべく、国産飼料の生産と利用の拡大、これを図っていく必要があります。このために、本日頂いた様々な意見も踏まえて、耕種農業と畜産業との連携、いわゆる「耕畜連携」の取組の支援、また、水田における飼料作物を含む畑作物への転換支援、これを実施していきたいと思います。また、牛乳あるいは乳製品の更なる輸出促進に向けて、畜産物の品目別輸出団体の認定、これを早急に行って、その活動を支援してまいります。これに関しては来週に、食料安定供給・農林水産業基盤強化本部を開催いたします。そこでこれらの酪農支援を含め、緊急に取り組むべき施策、これを緊急対応パッケージとして取りまとめたいと思っています。
そして午後の視察においては、茨城県において、高性能の林業機械を導入した杉の伐採現場、そして、ここにありますような、杉から集成材を製造する大規模製材工場を視察させていただきました。その中で、特に本年5月、花粉症対策の全体像を策定いたしましたが、これに基づいて、発生源対策に集中的に取り組む必要があります。このため、花粉症対策関係閣僚会議を来週、開催したいと思います。このエリアも念頭に、杉の人工林の伐採・植え替え等を重点的に実施する区域、これを本年度中に設定して、重点的に、伐採面積を増加させてまいります。そして生産性向上に向けて、本日拝見したような、高性能林業機械の導入、これを支援していくことも考えてまいります。そして、伐採した杉材の需要を拡大するため、住宅資材のスギ材製品への転換を促進していく、これも考えてまいります。こうした内容を含めて、花粉症対策の初期集中対応パッケージ、これを取りまとめてまいります。
そしてその上で、今月まとめることを考えている経済対策に、この内容を盛り込むことによって、早急に実施に移していく、こうした取組を進めていきたいと考えています。以上、栃木県、茨城県両県における視察について、今後への取組等を説明させていただきました。以上です。