[文書名] 国連気候変動枠組条約第28回締約国会議(COP28)出席等についての会見(岸田内閣総理大臣)
(総理スピーチで新規の石炭火力発電所の建設は行わないことなどを表明したが気候変動問題をめぐって改めて日本としてどのように取り組んでいくのか及び今月のAZEC(アジア・ゼロエミッション共同体)の首脳会合にどう臨むかについて)
まず、今回のCOP28(国連気候変動枠組条約第28回締約国会議)においては、先のG7広島サミットにおいて、G7議長として確認した、多様な道筋の下で全ての国がネット・ゼロという共通の目標に向けて努力する、こうした考え方を各国に改めて訴えました。そして、我が国の排出削減目標、これが着実に進んでいること、また、成長志向型カーボンプライシング、さらには国際認証を受けてのトランジションボンドの発行など、我が国の取組を説明しました。そして、あわせて、今、御指摘あったように、排出削減対策が講じられていない新規の国内石炭火力発電所の建設、これを終了する、このことを表明いたしました。そして、資金面でのコミットメント、これも着実に進んでいることを強調した上で、世界銀行、アジア開発銀行への信用補完の供与を通じた融資余力の拡大に貢献する用意があること、これを私の演説の中で表明したところです。こうした、COP28において、日本の貢献、そしてこれからの取組について説明を行いました。
そして、あわせて、今月後半に行われる、アジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)首脳会合へどのようにつなげていくのかという質問については、世界の成長センターであり、そして、世界の排出量の半分を占めるアジアにおいて、日本の技術力、それから金融力、こうしたものを活用して、アジアの脱炭素化に向けた取組を日本がリードする、こういった考え方を今回のCOPでも示したわけですが、こういった考え方に基づいて、AZECの会合にも臨んでいきたい、このように思っています。引き続き、アジアを中心に、日本が、その金融力、技術力をしっかり発揮して、この議論をリードしていく、こういった姿勢を示していきたいと考えております。以上です。
(悪化するガザ情勢をめぐって中東各国との首脳会談を行った成果と事態改善に向けた日本政府の今後の取組及びイタリアのメローニ首相との会談において来年のG7に広島サミットの成果をどう引き継ぐかについて)
まず、イスラエル・パレスチナ情勢については、御案内のとおり、昨日、戦闘休止の延長について合意が至らないまま期限を迎えてしまいました。結果として、戦闘が再開され、情勢が緊迫化している、こういった情勢にあります。このことは大変残念に思っていますが、こうした状況の中で日本としても、今回、イスラエル、そしてカタール、トルコ、エジプト、ヨルダン、こういった地域のキープレイヤーの国、さらにはEU(欧州連合)とも直接会談を行いました。そしてこの後、UAE(アラブ首長国連邦)、フランス、イタリア、こういった首脳とも会談する予定です。
イスラエルのヘルツォグ大統領に対しては、ハマスによるテロ攻撃を非難する旨を伝えると同時に、国際人道法を含む国際法に基づいて行動することが重要である。こういった日本の立場を説明した上で、人道状況の改善、直接、要請いたしました。これ以外の一連の会談においても私の方から、人道状況の深刻さに対する懸念、また、戦闘が再開されたことが極めて残念であり、合意への復帰、そして事態の早期鎮静化、こういったことが重要であることを述べて、各国の理解、そして連携を呼び掛けたところです。その中で各国首脳からは、我が国の対パレスチナ支援、そして周辺国に対する支援、こうした我が国の支援に対する高い評価が示され、期待の大きさも感じたところです。
今後とも、状況、予断は許されませんが、関係各国首脳と顔を合わせて意見交換を行った、この結果をしっかり踏まえながら、人質の早期解放、また、人道状況の改善、事態の早期鎮静化、こうした働きかけを、G7の場を含めて、外交努力、続けていきたいと考えています。そして、その努力の一環として、本日この後、イランのライースィ大統領と電話会談を行うことを予定しております。
そして、御質問はイタリアと会談をするということについてですが、御案内のとおり、イタリア、来年のサミット議長国です。G7広島サミットの成果を踏まえて、G7プーリアサミットに向けて、イタリアとの間においては、首脳のみならず各閣僚、また様々なレベルを通じて、意志疎通を図り、G7の議論をしっかりと引き継ぐべく、努力していきたいと思います。本日の会議も、その一つに位置付けられるものであると考えています。以上です。
(ガソリン税のトリガー条項の凍結解除をめぐる3党協議のスケジュール感及び自民党安倍派の政治資金問題について)
トリガー条項の取扱いについてですが、私から萩生田政調会長に対して、与党と国民民主党の政策責任者の下で検討を進めるように指示を行いました。今後、党政調、そして党税調の相談の下に検討が進められるものであると認識しています。その中で、緊急対応として、4月までの激変緩和措置の継続、これは継続するということを明らかにさせていただいています。その後の出口戦略として、様々な手法があると考えています。ですから、現時点で結論を出す時期等については、予断をもって申し上げることはできないと思いますが、3党間の協議を踏まえつつ、政府としても、その協議を踏まえて適切に対応していきたい、このように思っています。
そして2点目の政治資金パーティーについてですが、御指摘の報道については承知しておりますが、まずこれ、告発を受けている案件と承知しておりますので、私の立場で、個々の事案についてコメントすることは控えます。ただ、これについては、まず現状、それぞれの政治団体においては、既に政治資金収支報告書について、訂正が必要な場合には訂正を行うとともに、丁寧に説明するよう、党の幹事長に指示を出しており、まず、引き続き、しっかり対応をさせなければならないと思います。その上でそれを行いながら、各政策グループの活動について国民に疑念が持たれている、こう感じることは大変遺憾なことであります。状況を把握しながら、党としても対応を考えてまいります。
(岸田派において今回指摘されているようなキックバックの問題というのが現時点であるのか及び安部派の閣僚に対して説明するように総理から指示を出す考えはあるかについて)
まず、1点目については、御指摘のような問題があるとは承知しておりません、聞いてはおりません。
それから、2点目については先ほど申し上げましたように、各政策集団において、政治団体において、訂正すべきことは訂正し、そして、それについて丁寧に説明するように、と幹事長を通じて要請しています。各政治団体の事情は、最もよく知る人間が説明をしていく、これがあるべき姿だと思います。その努力を続けてもらいたいと考えています。