[文書名] 閣僚等人事についての会見(岸田内閣総理大臣)
(岸田総理冒頭発言)
まず今回の人事の内容については、この後、林官房長官が記者会見で正式に発表することとなります。そして、今、予算ですとか税制、国民生活、さらには国の重要課題について判断をしなければならない。予算・税制を通じて決定をしなければならない。こうした作業の大詰めを迎えています。また、来月には、通常国会でその予算・税制、重要法案、これを議論しなければなりません。
そして、従来から申し上げていますように、来年は外交・経済、また、社会など、日本にとって正念場を迎える重要な年であると認識をしております。
こういった状況を考えますときに、人事を行うに当たって、やはり調整力、実行力、さらには答弁力等を備えた即戦力を選ばなければならない。こうした考えに基づいて、人事を行いました。
そして、あわせて、今日、萩生田政調会長、そして、世耕参議院幹事長、また、高木国対委員長からも辞意が示されたところです。国政の推進に支障が生じないように、年内の適切なタイミングで人事を行いたいと考えています。冒頭、私からは以上です。
(政治資金をめぐる一連の問題を受けての今後の対応について、自由民主党の役員人事の具体的な時期について)
まず最初の質問、対策等についてですが、まず各政策集団の会計の在り方については、その政策集団によって事情は様々であるとか、また、指摘されている課題も様々である、こういった実情の中で、実態を把握し、そして原因・課題、これを抽出していかなければなりません。ただそれと並行して、やはり私自身、党所属の国会議員等と膝詰めで議論を行っていきたいと思います。
その上で、対策等については、こうした全容、原因・課題、こうしたものを踏まえて、どういった形で対策をまとめるのか、形について判断をしていきたいと思っています。
そして、御指摘の党の役員についての人事でありますが、たちまち萩生田政調会長については今、予算・税制、正に大詰めを迎えています。是非これについては、責任を持って対応してもらいたい、こういった指示をしたところであります。そうした中で、具体的な後任等の人事が決まると考えています。
ですから他の役員も、そういった政調会長の対応等も踏まえて、年内の適切な時期が判断されるものであると考えています。以上です。
(自由民主党の体質の問題点をどのように捉えているか、またどのように変えたいかについて)
だからこそ、実態の把握が大事であり、そして、原因・課題の抽出が大事だということを申し上げています。こうした様々な指摘の中に、自民党として、全体として取り組まなければいけない課題をしっかりと判断をして、それを変えていくことが大事だと申し上げています。
今の時点においては、実態の把握が進んでいる最中でありますので、その把握に努め、課題・原因の抽出に努めること、これがまず第一であると思います。ただ、それを進めながらも、私自身、党所属の国会議員と膝詰めで議論を行いながら、再発防止・問題点に対する対応についても、具体的な形を判断していく。こういった作業を並行して進めていきたいと考えています。
(裏金化を否定している宮下農水大臣を辞任させた理由及び安倍派のみ交代させた理由。また、最大派閥の安倍派が閣内にいないことと安倍派の一部の反発に対する受け止めについて)
まず、申し上げたいことは、所属する政策集団がどこかということではなくして、一人一人の意向ですとか事情、これを勘案した上で判断をしたということであります。ですから、事実、清和政策研究会においても、大臣政務官は大部分留任してもらったということであります。
今後も、個別の政策集団の立場がどうだなどというのではなく、党全体の課題として、党全体が一致結束していくことが重要であると思います。そういった観点から、対応をしていかなければいけない。党全体として、国民の信頼回復に向けて努力をしていく覚悟であります、以上です。
(党役員人事は一度に全員同じタイミングで行うのかについて)
先ほど申し上げたように、まず政調会長は、予算・税制を対応しなければいけないということですが、手続きとして、このそろえるのかどうするのか、これは今後よく調整をしたいと思います。いずれにせよ、年内の適切な時期を判断したいと考えています。
(党役員人事は全員一度に行わない可能性があるのかについて)
今、何も決まってはおりませんが、手続、できるだけ、簡潔にすっきりすることを心がけることは大事だと思いますが、今申し上げたとおりであります。
(人事は思いどおり行えたのかについて)
人事については、先ほど申し上げたように、年末の大変重要な時期において、国政において遅滞を生じることがないようにということで、スピード感を持って取り組みました。その陣容も含めて、予定どおり人事を行えることができたと考えています。
(安倍派が閣僚に含まれない点についての受け止めについて)
先ほど申し上げたとおりです。個別の政策集団がどうのこうのということではなく、一人一人の意向や事情、これを踏まえて判断をしたということであります。党全体として、信頼回復に向けてどうあるべきなのか、これを考えていきたいと思いますし、これからもそういった考えを大事に具体的な対応をしていきたい、このように思っています。
(林内閣官房長官に派閥幹部を退くよう伝える考えがあるのかについて)
これ既に申し上げておりますように、私自身は自民党の総裁として、党の信頼回復の先頭に立つという覚悟を示すために、政策集団から離れたということであります。
今後、党全体ですとか、各々の政治家が信頼回復にどう取り組むのか、どういった判断をするべきなのか、これについては、全容や原因・課題を踏まえながら、適切に判断をしてまいります。