[文書名] 令和6年能登半島地震についての会見(2)(岸田内閣総理大臣)
本日の非常災害対策本部会議において、私の方から、孤立集落の対策を早急に行うよう指示を行いましたが、本日も、自衛隊、国交省、そして石川県等が協力をして、道路啓開作業を急ピッチで行うとともに、自衛隊や警察のヘリを活用して、孤立地域の被災者の搬送、これを実施いたしました。これにより、石川県の発表によれば、9地区の孤立が解消され、287人が救出されたとのことであり、引き続き、孤立集落の解消に向けて全力で取り組んでまいります。
また、避難所についても、必要な物資の供給や医療支援を全力で行っているところですが、電気、水道等の全面復旧に時間を要する見込みであることも踏まえて、被災者の状況や希望を十分に踏まえつつ、希望する方には、被災地外の避難先を用意することについて、石川県と連携して進めるよう、松村防災担当大臣に指示を出したところであります。
石川県に設置をする2次避難検討チームに、内閣府の職員を派遣するとともに、関係省庁が連携して全面的にバックアップをし、被災者の方々が安心して避難生活を送れるよう、取組を進めてまいりたいと考えております。私からは以上です。
(本日行われた与野党党首会談について)
本日行われた与野党党首会談においては、まずは私の方から、令和6年能登半島地震に関する政府の取組、これを説明させていただいた上で、主に財政面での対応について、理解と協力、これをお願いいたしました。
具体的には令和5年度予備費の活用と合わせて、政府として、令和6年度予算案について予備費の増額を行うべく、概算の変更を決定した上で、予算案を国会に提出したいと考えているということを説明するとともに、予算の1日も早い成立に向け、理解と協力をお願いした次第です。この点について、各党から特段の異論はありませんでしたが、当面の災害対応、あるいは被災者、避難所への支援について、様々な要望を各党から頂きました。これについては、政府としても今後の対応にいかしてまいりたいと考えています。
(震災被害の全容が依然分からない中なぜ今予備費の積み増しが必要なのかについて)
御指摘のように、令和5年度一般予備費の残高、これは4,600億円あります。そして令和6年度予算でも、一般予備費が5,000億円計上されています。しかしながら過去の例では、熊本地震のために、補正予算で予備費を含めて7,000億円を上回る歳出、これを積み増した例もあります。こうした過去の例と比較しましても、今回の震災につきましては、現時点で今後の財政需要を正確に見通すことは困難であるものの、現時点での被害状況、また半島といった地理的制約等を踏まえれば、今、申し上げた熊本の例を超える財政需要も想定しておかなければならない、このように考えています。
他方、この予備費を全て、能登半島地震のために費消するというわけにもいきません。能登半島地震以外の予見し難い事態にも備えておく、予備費においては、そういった備えも必要であると認識をしております。こういった点から、令和6年度予算案の予備費の増額が必要であると判断をした次第であります。
(今年度補正予算を新たに組む方法もある中で今回の対応を決めた理由について)
今回のケースにおいては、令和5年度予算における一般予備費残高が4,600億円を超える残高が存在いたします。これをまず、来週9日の予備費使用決定をスタートとして、順次活用していく、これが最もスピード感のある対応であると判断をしております。
そして、その後についても、復旧・復興に至るまで、切れ目なく機動的な対応を行っていかなければなりません。そのために、令和6年度予算の予備費の増額が必要であると判断いたしました。現状を考えますと、予備費の積み増しを行って予算を提出する、これが最も適切な対応であると判断をした次第であります。このことについては、本日の与野党党首会談においても、各党から特段の異論は出なかったと認識をしております。
(現時点で新たに今年度の補正予算を組むという考えはないのかについて)
今申し上げた対応が最も現実的であり、スピード感もあり、そしてなおかつ、スムーズに復興・復旧まで切れ目なく対応していく上で、適切であると判断いたしました。