[文書名] NATO首脳会合等についての会見(岸田内閣総理大臣)
(NATO(北大西洋条約機構)首脳会議における総理の発言内容、出席の成果について)
まず、NATO首脳会合のパートナー・セッションに、3年連続、出席いたしました。このセッションでは、ロシアによるウクライナ侵略ですとか、インド太平洋の情勢など、国際的な安全保障情勢について、さらにはNATOとインド太平洋のパートナー、すなわちIP4(日本、豪州、ニュージーランド、韓国)との協力についても議論を行いました。そのセッションにおいて、御指摘のように、今、欧州・大西洋とインド太平洋の安全保障環境、ますます不可分になっている、こうした認識を私の方から申し上げ、最近の露朝軍事協力の進展といった動きにも懸念を表明した点で、認識を一致することができました。また、欧州各国がインド太平洋に対して関心を強めているという動きについては、歓迎も申し上げました。
成果についてですが、地域を超えた同志国の連携の重要性、改めて確認されたこと、そして日NATOの協力関係を一層強化していくことでも一致いたしましたし、さらには、IP4とNATOとの間でも、旗艦事業について合意をすることができ、IPとNATOとの持続的な協力の確立、こういった点についても確認したこと、これらは成果として挙げられると考えています。
(防衛省・自衛隊の不祥事が明るみになり、今後のNATOや同志国との情報共有の在り方に影響を及ぼす可能性がある中、大臣や幹部の責任や処分も含めた現時点での対応方針について)
御指摘のように、防衛省・自衛隊において、特定秘密の不適切な取扱いなど、複数の事案が確認され、このことによって、国民の皆様に御心配をお掛けしていることについて、まずお詫びを申し上げなければならないと思っています。そして、木原防衛大臣からは、複数の事案の調査結果、さらには関係者の処分について報告を受けておりますが、日本時間12日に公表をする、こうした報告を受けているところです。現在の安全保障環境、今回のNATO首脳会合、議論を振り返りましても、改めて大変厳しいものがあると認識をしています。その中で、我が国の防衛、一分の隙も許されない状況にあると考えておりますが、そういった中、木原大臣においては、防衛大臣の責任として、強力なリーダーシップを発揮し、防衛省・自衛隊の組織そのものの早急な立て直し、さらには防衛体制を万全なものとする、こういったことに取り組むことによって、国民の信頼回復に全力で当たってもらわなければならないと考えています。以上です。
(党総裁としての任期が9月までとなる中で、現時点での総裁選挙への対応をどのように考えているか、またいつまでに対応を決めるか)
まず、今、ロシアによるウクライナ攻撃が激しさを増している、その一方で、一部の国がロシアへの協力や支援の動きを見せるなど、こうした国際環境の中で、今回のNATO首脳会合も大変高い緊張感の中で議論が行われました。こうした国際情勢の下、先送りできない課題、政治改革を含めて、内外の課題について、全力で今、取り組んでいるところです。そして、御質問については、従来から申し上げておりますように、こうした課題において、結果を出すことに全力を挙げているところであり、それ以外のことは今、考えていない、今現在は、そういった状況にあります。以上です。