[文書名] 日韓首脳会談及びAPEC首脳会議出席等についての会見(石破茂内閣総理大臣)
(本日の日韓首脳会談の一番の成果は何か、また、シャトル外交について、具体的な日程などのやり取りはあったか、岸田前総理と尹(ユン)大統領がこれまで築いた関係を今後どう発展させていくか、APEC(アジア太平洋経済協力)について、国際情勢が不透明感を増す中での今回の一連の討議を今後どのようにいかしていくか、今回の訪問でのアメリカのトランプ次期大統領との会談は見送りとの報道があるが事実関係について)
尹大統領とは2回目になりますが、会談を行いました。おそらく1時間近くになったかと思います。予定時間を大幅に超過をしたところでありますが、来年が日韓の国交正常化60年ということもございます。これを控えまして、これから先、日韓のこういう首脳会談というものの頻度は更に上げていきたいと。できれば電話でもいいし、いつでもこのような話し合いの機会を作ろうということで、一致をしたところであります。
内容は全て申し上げるわけにはいきませんが、安全保障関係につきまして、特に最近の北朝鮮の動向、それはミサイル発射もあります、あるいはロシアと北朝鮮の関係、北朝鮮がウクライナに兵士を送ったということもございます。そういうことも踏まえまして、安全保障については、相当に突っ込んだ話し合いを行うことができたというふうに考えております。
日韓関係が大きく進展しますのは、岸田(前)総理と尹大統領との間もそうですし、かつては小渕(元)総理と金大中(キム・デジュン)大統領という関係もございましたが、やはりこういうのは、首脳同士が本当に膝詰めでというのですかね、深い対話を行う、いろんな議論を行うということで進展するということは過去の例であったというふうに承知をいたしております。
岸田(前)総理と尹大統領との間で、こういう関係が築かれたわけでありますが、これを更に発展させる形で対話を行い、地域の平和と安定というものに資するようにしたいというふうに私としては考えておるところでございます。それは安全保障だけにとどまりません。これは経済もございます。文化もございます。あるいは日韓の共通の課題っていうのは、これは韓国の方がより事情は厳しいのだと思っていますが、急速な人口減少ということもございます。そういうふうに、各方面において、首脳同士のこういう話し合いを深化させたいというふうに考えておるところでございます。
APECでありますが、これはその名が示しますとおり、アジア太平洋地域の持続可能な成長、そしてまた繁栄の実現。これをいかにして行うかということについて話し合いがなされたものでございます。国際社会が極めて複雑化している中において、APECの協力の重要性というものは一層高まっておるわけであります。
我が日本国といたしまして、このアジア太平洋地域における持続可能で包摂的な成長と繁栄のため、ルールに基づく自由で開かれた、公正で透明性のある貿易・投資環境、これを維持・強化していかねばならないという認識の下に、その重要性を強調するということを行ったものでございます。
あるいは、デジタル・AI(人工知能)、エネルギーの移行、食品ロスの廃棄削減等々、いろいろな分野において、我々日本国として、具体的な責任の果たし方、言い方を換えれば貢献ということになりますか、していきたいというふうなお話をしたところでございます。
また、合衆国を訪問し、トランプ(次期)大統領と会談をするのかということでございますが、当初の予定どおり、G20に出席しました後、現地時間19日火曜日にブラジルを出発し、21日の午前中には帰国予定ということになります。給油のためにロサンゼルスには寄りますが、その際に会談等の予定はございません。
これは、詳細をつまびらかにすることはいたしませんが、トランプ陣営の側から、各国外国首脳とトランプ次期大統領の会談につきましては、非常に多くの面会依頼が寄せられているということもございますが、法律上、合衆国の国内法でありますが、法律上の制約もあって、現時点においては、トランプ次期大統領との会談は、いずれの国とも行わないという説明を受けておるところでございます。これは法律上の根拠は「ローガン法」という法律がございまして、この法律は、就任前に会談は行わないと、あるいは接触は行わない、ということになっておるのだそうでございます。この法律上の根拠に基づいて、いかなる国ともそういうことは行わないということをトランプ陣営から説明を受けておるということでございます。
いずれにいたしましても、双方、最も都合が良い時期に、なるべく早期に会談を行いたいということは考えておるところでございますが、現時点で申し上げられるのはそういうことでございます。