データベース『世界と日本』(代表:田中明彦)
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] トランプ新米国大統領就任の受け止め等についての会見(石破茂内閣総理大臣)

[場所] 
[年月日] 2025年1月21日
[出典] 首相官邸
[備考] 
[全文] 

(トランプ新米国大統領就任の受け止め、今後どのように二国間連携に取り組むか、また、日米首脳会談の調整状況について)

 トランプ新大統領の演説、私も拝聴いたしました。まあ、「Make America Great Again」そのものだったと思います。歴代大統領の就任演説というのは、何か高邁(こうまい)な理想を語るというのが定番だったと思いますが、これは国家緊急事態宣言、南部に国境地帯に部隊を派遣するとか、エネルギー政策は転換する、あるいは、世界最強の軍隊を作る、製造業を復活させる、メキシコ湾はアメリカ湾、パナマ運河を取り戻す、火星に星条旗を立てる等々、今まで選挙戦においてトランプ氏が語ってきたこと、それがそのまま演説になったという感じが強くいたしました。それが印象であります。岩屋大臣が就任式に参加をし、またいろいろな、いわゆる私の訪米に向けた地ならしを行ってくれております。日程は最終的に両方の都合が合う日にちを決定することになりますので、それほど時間はかからずに日にちは決まるかと思いますが、我が方も国会開会中でございますので、国会審議に影響が出ないように、各党の御理解も得ながら、日程を決定するということになると考えております。トランプ新大統領は、二国間のいろいろな協議というものを手法として優先するところがございますので、多国間の枠組みよりも二国間ということを優先するというふうに、今のところ考えておりますので、そうであるならば、我が国は我が国の国益があり、合衆国には合衆国の国益があるのであって、その国益を両方いかしながら、世界平和、あるいは世界経済、そういうものにどうこの二国間の関係をいかすことができるかということを中心に、真摯な議論を行い、信頼関係を確立したいというふうに考えておるところでございます。