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日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 日・ラオス共同記者発表

[場所] 
[年月日] 2025年1月21日
[出典] 首相官邸
[備考] 
[全文] 

【石破総理冒頭発言】

 本日、日本ラオス外交関係樹立70周年という節目に当たり、ソーンサイ首相閣下をお迎えでき、非常にうれしく存じております。私自身、総理大臣に就任しました直後、最初の訪問先としてラオスを公式訪問したのでありますが、その際ソーンサイ首相閣下から温かく歓迎をしていただいたことをよく覚えておるところでございます。

 不透明さを増しております国際情勢の中にありまして、我が国の外交にとり、東南アジアとの関係強化は極めて重要であります。先ほど、ソーンサイ首相と、今後の日本ラオスの関係について議論をし、両国関係を「包括的戦略的パートナーシップ」へと移行、格上げをいたすことに合意をしたものであります。

 今回署名いたしました共同声明に基づきまして、今後両国関係を更に強固なものとすべく、3つの分野で協力を進めてまいります。

 まず、政治・安全保障分野でありますが、日本ラオス間におきまして、外務次官級あるいは防衛次官級の協議をそれぞれ立ち上げ、政治対話を深めてまいりたいと思います。

 ラオスの更なる財政の安定化及び自律的で質の高い経済発展に寄与するため、両国の対話を通じまして、連結性強化、脱炭素、防災分野における協力を実施していきます。特に、ASEAN(東南アジア諸国連合)+3で進められております現地通貨建て債券市場の育成支援、災害リスクファイナンスといった、金融面に関する協力の重要性を確認したところであります。

 70周年という節目でございます。大阪・関西万博あるいは青少年交流等を通じまして、人的文化交流を強化し、両国の絆を深めてまいります。

 国際社会や地域の課題につきまして、今後議論を深めてまいりたいと思います。東シナ海・南シナ海、核・ミサイル問題、あるいは朝鮮半島、拉致問題を含みますが、ミャンマー情勢、ウクライナ情勢、中東問題等々、両国で緊密に連携していまいりたいと存じます。

 今後更に両国の友好関係を発展させるべく、ソーンサイ首相と共に尽力してまいりたいと思います。ありがとうございました。コープチャイ。