[文書名] トランプ米国大統領との電話会談についての会見(石破茂内閣総理大臣)
【石破総理冒頭発言】
それでは私から。先ほど、アメリカ合衆国トランプ大統領と、約45分、電話会談を行いました。トランプ大統領との間では、関税をめぐる日米協議に関して、経済安全保障に係る協力など、諸課題について幅広く意見交換を行ったところであります。外交・安全保障をめぐる諸課題につきましても意見交換をいたしましたが、先方から、先般の中東訪問の成果につき説明がありました。私からは、「トランプ大統領の外交努力を多とする」というふうに申し上げたところでございます。また、私から、アメリカの関税措置に係る我が国の立場を伝えました。関税をめぐる日米協議について、まさしく今、赤澤さんがアメリカに向かっておるところでありまして、閣僚級協議、これが実施予定であるということを伝えました上で、閣僚間におきまして、生産的な協議が行われるということを期待しているというふうに申し上げ、先方もそれに同意をしたところであります。また、G7の機会、カナダでございますが、対面での会談を楽しみにしているということを私から述べ、大統領からも「そうだね。楽しみにしてるよ。」というような返事があったということでございます。以上です。
(トランプ大統領と次、直接会談される具体的な日程などは話に出たか)
先ほど申し上げたように、カナダでのG7において話をしようということで、お互い楽しみしてるよということでありますが、これ、状況によっては、私自身が訪米をして、直接話をするということもあり得ることでございます。現時点で具体的に決まっているものではありません。
(赤澤大臣の閣僚交渉前の会談となったが、なぜこのタイミングなのか、また、日本政府はこれまで全ての関税撤廃を求めてきているが、今後の対応含めその方針に変わりはないか)
これはトランプ大統領から会談のお申し出があったものでございます。この時期になぜということは、それはトランプさんに「なぜですか」と聞くわけにもいきませんのでね。(大統領は)いろんな中東訪問もしたし、これから先、日米間で経済安全保障も含めて協力していこうということを改めて確認したということだと思っております。我々の関税措置に対する対応方針に何ら変更はございません。
(関税に関する我が国の立場というのは、具体的にどういったことを伝え、それに対して、トランプ大統領からどのような回答があったか)
そのことについて今、具体的に、一つ一つの議論をしたわけではございません。私どもとして、従来から、関税措置の撤廃ということを求めているということは、変わるものでもございませんし、そのことについて、具体的な言及が先方から先ほどあったわけではありません。
(明日からの赤澤大臣の交渉に向けて、何か新たに指示を出すとか、そういったことはあるか)
それはございません。今朝も赤澤さんとはいろんな打ち合わせも致しましたし、これはもう連日、行っておるところでございます。私どもとして、関税措置の撤廃ということを求めていくということに変わりはありませんが、我々として、アメリカに対してどのような投資を行っていくか。これはもう今まで申し上げたことでございますが、「関税よりも投資である」ということ。アメリカに如何にして雇用というものを生み出していくかということについて、日米で協力をするという方針に何ら変わりはございません。
(今回の首脳会談で、日米交渉について、具体的な進展や合意に向けた好感触を得られたか)
それはお互いに努力をして、ウィン・ウィンという言葉をあえて使うとすれば、その関係を築いていこうということは、私は会談全般において確認されたというふうに考えております。非常にいろんな意識を共有したという実感を改めて持ったところでございます。